監督:ベン・アフレック
公開年、制作国:2012年、アメリカ 大阪ステーションシティシネマにて鑑賞。上映開始時間を間違えて、20分ほど遅れて映画館に入ったが、ちょうど救出作戦を考え始めるあたりだったので、物語を把握するのはそう難しくはなかった。テンポが速くてだれるところがあまりないので、あっと言う間に終わってしまう感じ。作戦の実践よりもそこにいたる経過に重点が置かれていて、アクション映画のような興奮を味わう、という雰囲気でもない。もちろん20分くらいはドキドキするシーンの連続なのだが。 この映画では、CIAが本当に行った突拍子もない作戦、というよりも、ハリウッドにおいて映画を制作する、ということがいかにうさんくさくて、いい加減なものであるかがテーマになっているように思う。(ろくでもない)脚本と電話1台だけの事務所と多少の資金さえあれば、いくらでもハッタリをきかせて映画制作の話をすすめられるのだ。そういう意味でアメリカの、ハリウッドならではの作品といえる。 ベン・アフレック以外俳優陣が、実物とみんなそっくりで驚かされる。ドラマでよく観る顔の人たちがいっぱい出てきて「あの人が出ていたドラマは・・」とかついつい考えてしまう。79年の話なので、みんなの髪型やもりもりのヒゲなどがちょっと笑える。ジョン・グッドマンが久々に痛快な役柄で楽しかった。 #
by poyance
| 2012-11-15 22:19
| 映画
監督:アン・ホイ
公開年、制作国:2011年、中国/香港 梅田ガーデンシネマにて鑑賞。アジア映画を苦手とする家人がめずらしくこれを観たいというので、嬉々として鑑賞。まず、カメラワークのよさに感心する。決して派手で目立つ映像ではないのだが、構図や色の出し方が内容にとてもよくマッチしていて、とりわけ食べ物が出てくるシーンはどれもすばらしい。中国の映画の食事シーンは好きなものが多いのだけれど、この映画は食べ物が隠れた主人公であるといってもよいくらい秀逸だった。 内容は非常にシビアで、これが邦画だったらお涙頂戴場面満載の不愉快な作品になりそうだが、ここでは終始冷静な目で見つめられており、感情に流されることはない。それでいて、ロジャーの同級生たちが桃さんに電話をかけるシーンなど、ほろりとさせる場面もあって、決して冷たい映画ではないところに、監督の力量を感じる。 ついこのあいだ『インファナル・アフェア』を観たばかりなので、あの眼光するどいアンディ・ラウが修理工に間違えられるような、オーラのない青年を演じていたのが新鮮だ。桃さん役のディニー・イップは、ほんもののメイドさんを連れてきたかのようなすばらしい演技である(映画祭などで公の前に出たときの彼女とのルックスのギャップに驚く)。『インファナル・アフェア』でアンディの上司役だったアンソニー・ウォンが、毛皮&黒マニキュアのいかがわしさぷんぷんの男を演じていたり、本人役でツイ・ハークやサモ・ハンが出てきたのがおかしかった。 #
by poyance
| 2012-11-15 21:50
| 映画
監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ
公開年、制作国:2010年、カナダ/フランス WOWOWで録画したものを鑑賞。先に観た友人から「すごい話だった」と聞いていたので、色々推測しながら観る。隠された事実が色々でてきて、大きな秘密がすでに中盤に明らかになるので、あとの時間をどう持たせるのかと思っていたら、最後にもう一波乱が・・ うっすらと予想はできたものの、やはりやるせない気持ちになる。宗教と戦争に翻弄されてきた女性が今まで気を確かに持って生きられたのは、子どもの存在だったという、これは「母親映画」なのだなあと思う。なので不在だった父親の出現が母親を打ちのめす、という構図が興味深い。もっともその父親は特殊な父親なのだが・・ その母親を演じていたルブナ・アザバルの抑制された演技が映画を引き締めている。タイトルが示すがごとく物語の内容は壮絶なのだが、映画そのものはとても静かに見える。それは彼女を始め、他の俳優たちが感情に走らない演技に徹しているからだろう。ハリウッド映画や邦画だとなかなかこういうわけにはいかない。 後でこの映画は『オイディプス王』を原案にしていると聞いてなるほど、と思った。この神話を下敷きにした物語は数多くあれど、松本俊夫の『薔薇の葬列』に匹敵するくらいおもしろい(という表現は適切ではないかもしれないが)脚色だった。映画自体は、前半現在と過去の場面が交互にあらわれ、かつ若い頃の母親と娘の顔が最初判別しづらかったので混乱したが、途中からはグッと内容がしまってきて引き込まれていく。 さらに映像がすばらしく、特に人のいないさびれた街角や廃墟をとらえたショットに惹かれる。映画冒頭にレディオヘッドの You and whose army? とともにスローモーションの映像が流れるのだが、PVか?と思わせるくらいぴったりとマッチしていた。映画を観終わってから再び見返すと、また違う重い響きをもって聴こえてくるのだけれど・・ #
by poyance
| 2012-09-22 17:51
| 映画
監督:エリック・トレダノ、オリヴィエ・ナカシュ
公開年、制作国:2011年、フランス TOHOシネマズ鳳にて鑑賞。実話をもとにした映画だそうだが、どこかのドラマで観たような既視感たっぷりの物語で、おまけに見事と言ってもいいくらい物語に屈折がない。お互い家族にいろいろ問題があるけれど、それもカタストロフに至ることなく穏やかに収まってるし、『幸せへのキセキ』でも感じたような、「こんなストレートすぎていいのか」という思いにかられる。ただ変に盛り上げたり悲痛感を強調しないあたりが、フランス映画らしいだろうか。終わり方も後味がよい。 しかしこの映画を単なる凡庸な作品にしていないのは、やはり主演の二人がすばらしいからだろう。何よりもまずドリス役のオマール・シーの型にとらわれない奔放な演技が抜きん出ている。そしてその縦横無尽に動きまわるオマールを、顔のみ動かす静かな演技で受け止めるフィリップ役のフランソワ・クリュゼもよい。この二人のからむシーンはどれもすばらしく、楽しい。ヒゲをそるシーンが笑える。 アース・ウィンド・アンド・ファイヤーの曲が2曲効果的に使われていて、この曲が流れる場面はどちらも好きです。 #
by poyance
| 2012-09-21 21:09
| 映画
監督:アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ
公開年、制作国:2010年、スペイン/メキシコ WOWOWで録画したものを鑑賞。かつての作品『21グラム』『バベル』を観たときには、内容が重苦しすぎるうえに、深刻ぶり過ぎるように感じられたので、最初は今回もまたか・・と思ったのだけれど、次第にぐいぐい引き込まれていく。今までと違って見えるのは、主人公ウスバルが特殊な能力の持ち主で、彼が目にするヴィジョンがところどころに挿入されるなど、幻想的なシーンが多かったことや、ウスバルの必死の行動が最後にある意味報われたことなどからだろう(*ネタバレですが最後のパラグラフをお読み下さい)。冒頭のシーンが非常に美しく、それは後に再び繰り返されることになるのだが、そこで胸にじんと来た。 ハビエル・バルデムは先日『ライブ・フレッシュ』を観たので、風貌の濃いーい変化に驚くが、そのルックスとは逆に演技は非常に繊細で綿密である。幅の広い役を深みのある味わいでこなせるいい役者さんだなあと思う。無名のキャストも多いが、まわりの俳優もよく、特にアナ役の女の子がよかった。中国人の二人の青年も顔がいいなあと思っていたら、突然のラブシーン。生々しくて、ちょっとドキドキしました(笑)。 * ウスバルと同居していたイヘが最後に帰ってきたのかどうかあいまいに見えたが、監督は後日はっきりと "YES"と答えたそう。それを聞いてほっとした。 #
by poyance
| 2012-09-05 18:16
| 映画
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