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それでも、愛してる The Beaver
b0062149_18243218.jpg監督:ジョディ・フォスター
公開年、制作国:2009年、アメリカ

WOWOWから録画したものを鑑賞。うつに苦しむ男がビーバーのぬいぐるみを手にすることで、自信とやる気を取り戻し、傾きかけた会社は復活、家族ともやり直し‥‥というと、何だか『マスク』みたいなコメディを思い浮かべてしまうが、病気が病気なので、それが長続きするはずもなく、ついには破綻を迎える。その前半と後半のギャップが大きくて、これも不思議な味わいの映画だが、その奇妙さを和らげているのが長男のエピソードで、父親の姿を自分に認めることに複雑な思いを抱いて悩む姿が物語に重みを与えている。結末はそんなにうまく行くものかな〜と思うけれど、監督ジョディ・フォスターの、この病に苦しむ人々への思いが現れたものと考えたい。

b0062149_18464890.jpgメル・ギブソンとマペットという意外な組み合わせは、最初監督ジョディのジョークなのか、メルの自暴自棄なのかと思ったけれど、物語が進むに連れて、父親、夫、CEOという立場の社会人として、苦しみ果てた姿を演じられる役者として、ジョディが友人である彼を指名したのだなと思う。ジョディはその彼を立てて控えめな演技に徹している。長男役で、またアントン・イェルチンと、その相手役にまたまたジェニファー・ジョーンズが登場して、今回も好演している。

ところで、このあまり可愛くないビーバーのぬいぐるみがすごく気に入ってしまった。私も欲しい‥‥
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# by poyance | 2013-07-07 18:58 | 映画
今日、キミに会えたら Like Crazy
b0062149_17514268.jpg監督:ドレイク・ドレマス
公開年、制作国:2011年、アメリカ

WOWOWから録画したものを鑑賞。イギリスから留学している娘と家具職人をめざす青年の恋が、初めのうちは非常に爽やかに描かれていて微笑ましく思えるのだが、一瞬の判断の過ちで離ればなれになり、次第に心が冷めていく両者に今度は腹立たしさを覚えてしまう、という不思議な味わいの作品。何でも台詞と演技はすべて即興だそうで、たしかに会話はとても生々しい。映像もシンプルで瑞々しく、アメリカ映画なれどヨーロッパ映画の雰囲気をまとっている。

これを観たのはアントン・イェルチンと脇役でジェニファー・ローレンスが出ていたから。どちらも期待通りの演技だった。ジェニファーは控えめな役回りだが、やっぱり印象に残る。アントンの相手役のフェリシティ・ジョーンズも「この人、可愛かったのに何かムカついてきた」と思ってしまったのだから、やっぱりうまいのでしょう。
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# by poyance | 2013-07-07 18:06 | 映画
少年は残酷な弓を射る We need to talk about Kevin
b0062149_17233673.jpg監督:リン・ラムジー
公開年、制作国:2011年、イギリス

WOWOWから録画したものを鑑賞。望まれない妊娠で産まれた子どもは、母親を憎み、他人を愛せない性格に生まれつく、というのは短絡的すぎるし、子どもの描写も単一的であり、人間ドラマに仕立てるよりもいっそホラー映画にしてしまえばいいのにと思う。結末は世界で頻発する同じような事件をいやでも想起させるが、その犯人たちがみんな同じ境遇とは限らない。ガス・ヴァン・サントの『エレファント』をすでに観た者としては、人間の複雑な心理をもっと掘り下げて描いてほしかった。

とはいえ、主演がティルダ・スウィントン様で、ジョン・C・ライリー共演となればこれは観ない訳にはいかない。ティルダが母親役、というのも珍しいが子どもへの接し方がわからない不器用な女性の姿を自然に演じていた。ティルダとジョン、という組み合わせもなかなか思いつかないが、父親の性格とその行く末を考えると、彼のキャスティングは申し分ない。マツジュンみたいなルックスの、少年役のエズラ・ミラーは、性格描写が画一的なので、自然と演技もそうなってしまうのが残念。子ども時代のジャスパー・ニューウェル君のほうがよっぽど怖さを感じさせる演技だった。
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# by poyance | 2013-07-07 17:44 | 映画
サマー〜あの夏の記憶〜 Summer
b0062149_1524594.jpg監督:ケニー・グレナーン
公開年、制作国:2008年、イギリス

WOWOWから録画したものを鑑賞。貧しい労働者階級を描いた作品としては、先日観た『ケス』や『リトル・ダンサー』と同じなのだが、前者のような容赦ない手厳しさもなければ、後者のような一種のおとぎ話的な幸福感もない中途半端な作品で、「友情もの」と銘打たれているが、ふたりの結びつきがなぜあれほど強いのか映像からはあまり伝わってこなかった。

主人公が今の境遇に至った大きな要因であるはずの「学習障害」の扱い方もあいまいで、周囲は彼の状態をわかっているのに、(少なくともその当時のイギリスでは)サポートするシステムは全くなかったのだろうか。彼は自分で悪い方悪い方へと進んでいったので、その代償としてすべての罪を背負い、親友の最後をひとりで見とらなければならない、ということなのだろうか。観賞後は消化不良に陥る。

とはいえ主演のロバート・カーライルはこういうワーキング・クラスの負け犬を演じるとピカイチで、生活感が体からにじみ出ていて、彼の演技を観ているのは心地よい。ダズ役のスティーヴ・エヴェッツはなんと The Fall のメンバーだった人で、この作品での演技が認められてその後ケン・ローチの作品などに出演しているそうだ。
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# by poyance | 2013-06-02 15:59 | 映画
戦火の馬 War Horse
b0062149_16405542.jpg監督:スティーヴン・スピルバーグ
公開年、制作国:2011年、アメリカ

WOWOWから録画したものを鑑賞。ヨーロッパ映画を観たあとにハリウッド大作を観ると、やっぱり大味だなあと思うが、そこはスピルバーグなので長丁場を退屈させることはない。第一次世界大戦を背景にした馬が主人公のロード・ムーヴィーで、行く先々のエピソード自体はかなり短くまとめられていて、物足りなさを感じるくらいである。実話かと思ったらそうではなかったので、話がうまく運びすぎる点はフィクション感が強いが、児童文学が原作のディズニー映画であるから、それもありかなと思う。

子馬が生まれるシーンから、何か昔のアメリカ映画を観ている感覚(イギリスが舞台なのに)を覚えた。ジョン・フォード作品を参考にして撮影したという談話もあり、全体的に古きよきアメリカ映画へのオマージュを感じる。だからといって古くさいわけではなく、忘れていた心地よさを思い出させてくれる感じである。

馬の美しい姿を観るだけでもじゅうぶん価値がある映画だが、クライマックスの疾走シーンはやはりフルスクリーンで観たかった。馬は犬や猫よりも寡黙なのだが、演技してるの? と思える瞬間まであった(それともCGなのかな)。ちなみに有刺鉄線のシーンは、ゴム製のワイヤーを使用し、一部はアニメーションだそうです。

主演のジェレミー・アーヴァインはそれまで無名の俳優だったそうで、純粋な好青年役にぴったりである。エミリー・ワトソン、ベネディクト・カンバーバッチらイギリス俳優陣がそろうなか、ニコルズ大尉役のトム・ヒドルストンが印象に残ったが、彼は『ミッドナイト・イン・パリ』でフィッツジェラルドを演じた人だった。ジャームッシュの新作のヴァンパイア映画ではティルダ・スウィントンと共演していて、これからの活躍が楽しみだ。あと、エディ・マーサンが今回はいい人役だったのもちょっと嬉しかった。
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# by poyance | 2013-06-01 17:21 | 映画


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