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ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル Mission: Impossible / Ghost Protocol
b0062149_17402683.jpg監督:ブラッド・バード
公開年、制作国:2011年、アメリカ

なんばパークスシネマにて鑑賞。J.J.エイブラムスが監督だとばかり思っていたら、『Mr.インクレディブル』などを手がけたアニメ畑出身のブラッド・バードが監督で、J.J.は制作の方にまわっていた。ギミック盛りだくさん、コスプレあり、チームワークを重視したストーリー、そして脱力系の笑いなど随所にJ.J.色が強いが、ギミックの故障率がえらく高くて、珍発明っぽいところとかコメディ色が濃いところは監督のカラーなのか。またタイトルクレジットなどところどころに、ブライアン・デ・パルマ監督による第1作へのオマージュも感じられる。アクションはこれまでの3作より数段パワーアップして、文字通り「手に汗握る」シーンの連続だった。奥さんの扱いがぞんざいだなあと思っていたら、最後にそこも手抜かりなく・・というところが心憎い演出だ。冬休みの娯楽映画としては申し分ないでしょう。

トム・クルーズは相当体を鍛えたのか、すごくゴツくなっていた。あのアクションをスタントなしでするにはそれくらいしないといけなかったんだろうなあ。しかし、年齢のこともあってかかなりお顔が歪んできた気がする。ジェレミー・レナーやサイモン・ペッグなど今回も脇役がいい感じ。紅一点のポーラ・パットンは、時折ジェニファー・ガーナーに見えたりするので、この辺もJ.J.の趣味なのかな。『LOST』のジョシュ・ホロウェイのほか、TVドラマでおなじみの顔もちらほら。家では『24』の最終シーズンを観たばかりだったので、ハッサン大統領があんな役で・・というのがツボでした。
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by poyance | 2011-12-31 18:17 | 映画
白いリボン Das Weisse Band
b0062149_20371385.jpg監督:ミヒャエル・ハネケ
公開年、制作国:2009年、ドイツ/オーストリア/フランス/イタリア

WOWOWから録画したものを鑑賞。こちらは2009年のカンヌでパルム・ドールを受賞した作品。このときの審査委員長は同じ監督の作品『ピアニスト』で主演したイザベル・ユペールだったから云々とか当時言われていたけれど、映画を観た後では最高賞なのも納得の、圧倒的な内容の作品だった。モノクロームで綴られる映像がすばらしく、北ドイツの農村の寂しくも美しい風景をバックに、ヴィスコンティの映画から抜け出てきたような男爵一家(母と息子の優美な姿よ! おまけに二人はイタリアに逃げ去るのだ)と、ストイックな黒服と髪型の村人たちのコントラストが印象的だ。

b0062149_20403348.jpg一方で物語は下手なホラーよりも恐ろしい。男爵、牧師、そして医師といった絶対的な権力者の圧力により、村のなかで歪みが生まれ、女性、障害者、幼い子供といった最も弱い者たちが犠牲となる。その象徴といえるのが小鳥のエピソードであり、父親の恐ろしさを知らぬ幼い少年にとっては守ってやりたい対象であったこの小動物は、その姉にとってはあらぬ罪を着せて自分を罰した父への復讐の対象となるのである。


b0062149_20405426.jpgとはいえ、連続して起こる不穏な事件は解決されぬまま、時代は第一次世界大戦勃発へと向かっていくわけで、子供たちはいずれナチスの一員となるであろうことを予感させる。他の人のブログの感想で、唯一の良心に見えた語り手の教師ですら、ヒトラーを暗示する要素(仕立て屋であること、恋人の名がエヴァ)を持っている、というのを読んで背筋がいっそう寒くなった。しかしこの作品はナチスという特異な狂気を生んだ土壌を描いているだけではなく、このような状況は程度は違えど今の時代にも消えてはいないことを十分に我々に感じさせる。


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ティーンエイジャーを演ずる少年少女たちの、決して笑わない抑圧された表情が心に残る。彼ら自身のトラウマにならぬかとこちらが心配するぐらい、真に迫る演技だった。
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by poyance | 2011-12-15 22:31 | 映画
ブンミおじさんの森 Uncle Boonmee Who Can Recall His Past Lives
b0062149_15502188.jpg監督:アピチャッポン・ウィーラセタクン
公開年、制作国:2010年、イギリス/タイ/フランス/ドイツ/スペイン

昨年のカンヌでパルム・ドールを獲得した作品をようやくレンタルDVDで鑑賞。コンペ部門の審査委員長だったティム・バートンが「見たこともないファンタジー・・美しく奇妙な夢を見ているようだった」と語ったがごとく、こういう構成・内容の作品は欧米系のものにはまず見られないだろう。過去に世を去ったり姿を消した家族が、たとえ幽霊や猿の精霊という形で現れても、人々は(もちろん最初は驚くが)それを穏やかに皆受け入れて自然に接しているのであり、それが突飛と思えないのはやはり舞台がタイの神秘的な森林だからだろうか。湖や洞窟も含めて自然の描き方が興味深かった。



b0062149_16302482.jpgとはいえ映画はオカルト方向に走っているわけではなく、ほのぼのとしたホームドラマ的な要素もあって観ているととても和んでくるのだ。幽霊に「(夕食の)残り物でよければ食べる?」とすすめてみたり、猿人と変わり果てた息子に「ずいぶん毛深くなったね」とやさしく声をかけたり、ほかに誰がこんな脚本を考えつくだろうか。



b0062149_16304545.jpgそしてまた映画はファンタジーに徹することもなく、不法移民、経済発展と引き換えに失われていく伝統、政情不安といったタイの問題もふまえて、この国の現状を描いた作品ともなっている。昨年のカンヌの審査員はバラバラなタイプの人がそろっていたが、ティム・バートンと(審査委員のひとりだった)ヴィクトル・エリセとの接点を考えたとしたら、この映画が最高賞というのは妥当かもしれない。



b0062149_16313231.jpg俳優はほぼ素人という面々で、お世辞にも演技がうまいとは言えないのだが、ひとりひとりに味があってよかった。ブンミ役のタナパット・サイサイマーの穏やかな雰囲気と義理の妹ジェン役のジェンチラー・ポンバスの意思の強そうな顔が対照的で面白かった。


ウィーラセタクン作品をほかにももっと観てみたい。中島敦の『山月記』をモチーフにした『トロピカル・マラディー』あたりDVD化されないだろうか・・
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by poyance | 2011-12-11 16:33 | 映画


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