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ブレス(キム・ギドク、2007年、韓国)
b0062149_20552211.jpgWOWOWから録画したものを鑑賞。自殺を繰り返す死刑囚チャン・ジンと、彼に惹かれる人妻ヨンとの交流を描いたもので、84分という小品なのだが、今回もギドク節全開で、色彩の鮮やかさに魅せられる。ヨンが面会の度に準備する春夏秋冬の装飾を背にした二人は大変美しいのだが、一方でヨンがチャン・ジンの前で見せるパフォーマンスには苦笑してしまう。相変わらずキム・ギドクの演出は耽美的なのか自虐的なのか微妙なところだ。今回もメディアに残そうか残すまいか考えて、結局残さなかった。後で後悔するかな。

チャン・チェン様があまりにも美しすぎて、アップの場面では正視できませんでした(笑)。しかしチャン・ジンの人物像は「鰐」や「悪い男」の主人公に通ずるものがあって、べつにチャン・チェンじゃなくてチェ・ジェヒョンでいいじゃない〜と思ってしまった。チャン・ジンに思いを寄せる囚人を演じたカン・イニョンが印象的。
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by poyance | 2009-11-09 20:55 | 映画
ゼア・ウィル・ビー・ブラッド(ポール・トーマス・アンダーソン、2007年、アメリカ)
b0062149_2154449.jpgWOWOWから録画したものを鑑賞。冒頭にえんえん続く、静かながらもスリリングな掘削作業のシーンからもう目が離せなくなる。2時間半以上もある映画で、もちろん長さは感じるのだけれど(今回も切れ切れ鑑賞だったが・・)常に緊迫感があってダレることはなかった(しかし観終わった後はぐったり疲れた)。石油に異常に執着する孤独な男プレインヴューと、「神」を盾に彼から金をせしめようとする牧師イーライとの確執が中心に置かれるが、この二人は方向は違えども何らかの欲に取り憑かれた者として同じように描かれているようだ。

プレインヴューは誰も信用しないと主張すれど、「息子」や「弟」を常に身近に置くなど家族愛に飢える男であり、それだからいっそう彼らの裏切りが発覚したときの態度は容赦ない。イーライは狂信的な信仰を示しながらも、自分の土地に固執し、プレインヴューに執拗につきまとうときなどはまったく牧師に見えない。この二人の男の複雑なあり方の描写が面白く、内容としては非常に重苦しいのだけれど、「マグノリア」よりもずっと楽しんで観られた。

ダニエル・デイ=ルイスのプレインヴューの演技は圧倒的といえるほどで、オスカー受賞は妥当であるが、この彼にイーライ役のポール・ダノがまったく引けを取らなかった、ということの方がすごいのではないだろうか。これまでのポール・ダノ君は脱力系またはヒッキーな感じの役ばかりだったので、イーライ役は彼の新境地を切り開いたといえる。彼の今後に大いに期待したい。

音楽はレディオヘッドのジョニー・グリーンウッドが担当。これまた抽象的で不安を煽り立てるようなサントラで今までに聴いたことのないような音ばかりで、これも新鮮だった。
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by poyance | 2009-11-01 21:06 | 映画
ブラインドネス(フェルナンド・メイレレス、2008年、日本/ブラジル/カナダ)
b0062149_20533767.jpgWOWOWから録画したものを鑑賞。原因不明の失明病にパニクる人々を描いたものだが、患者は強制的に隔離されたうえ治療はおろか世話もほとんどされないだの、食糧を奪ったグループの非道な行動だの、あまりリアリティを感じられない内容が連続する。なかでも最も現実感に欠けるように思えたのは木村&伊勢谷の夫婦が暮らすマンションの無機質なインテリアと、温厚な目医者がパニックのどさくさに紛れて妻以外の女性と関係を持ってしまうシーンだった。ジュリアン・ムーア演ずる目医者の妻が、冒頭ひどくイライラしているという設定も、その後急に献身的にみんなを世話する姿に急変してしまい、うまく活かされていなかった気がする。

キャスティングはまあまあいいと思う。マーク・ラファロはこういう地味な役柄をするとすごく合う。木村佳乃と伊勢谷友介はもっと浮いた感じかなと予想していたけれどもそうでもなかった。それにしても、またガエル君がこんな役・・ もっとマシな役をやらせてあげてよ〜!
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by poyance | 2009-11-01 20:53 | 映画
リミッツ・オブ・コントロール(ジム・ジャームッシュ、2009年、アメリカ)
b0062149_20512071.jpgシネリーブル梅田にて鑑賞。待望のジャームッシュ新作は、言うなれば「デッドマン」と「ゴースト・ドッグ」を合わせたようなロードムービーだった。使命を受けた殺し屋が次々と現れる謎の人物たちから暗号をもらい、目的地へ向かうというエピソードが繰り返され、彼らが交わす会話も禅問答のようで、ジャームッシュ作品のなかでも抽象度が高く、かつ寓話的である(家人は途中ウトウトしてました・・)。「想像力」というキーワードが全体を支配し、最後にははっきりとしたメッセージも示されている。解釈はいろいろできるだろうが、個人的には想像力の絶対的な自由の主張とそれを制御しようとするものへの断固たる抵抗、と読んだ。全体的に緊張感が漂う作品だったが、それがふと途切れる瞬間(カフェのウェイターとのやり取りなど)がとてもよかった。

スタイリッシュなスーツ(トム・フォードだそう)を身にまとうイザック・デ・バンコレが歩く姿が美しく、落書きだらけの路地や汽車の座席、ホテルや美術館(建物自体がモダンですばらしい)など、いちいち絵になる。クリストファー・ドイルのカメラワークも凝っていて、各ショットごとにほおお〜と見惚れてしまう。あまりに洗練されているので、単なるオシャレ映画として扱われてしまわないか、少々心配になるくらい。日本のバンド Boris の音楽も作品の抽象度を高めている。

俳優陣は、イザック・デ・バンコレを含めこれまでのジャームッシュ作品に出てきた俳優たちが多数登場して、ファンとしては嬉しい。ガエル・ガルシア・ベルナルやジョン・ハートなどの出演もいい。しかしやはり印象的なのはヌードの女性、パス・デ・ラ・ウエルタだろう。彼女の存在はその髪型からもわかるようにブリジット・バルドーへのオマージュである。裸姿にメガネとレインコートが大変お似合いだ。
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by poyance | 2009-11-01 20:51 | 映画


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