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ヴェラ・ドレイク(マイク・リー、2004年、イギリス/フランス/ニュージーランド)
b0062149_17182445.jpgレンタルDVDで鑑賞。つつましくも家族と仲良く暮らしているヴェラは、「困っている娘さんたちを助ける」ために内緒で中絶の手助けをしているのだが、処置を受けたある娘が死にかけたためにそれが発覚してしまう・・という物語です。
ヴェラが年老いた両親や身寄りのない人を世話するのと同じように堕胎を施すことに驚かされますが、それは彼女がただ「困っている人を助けたい」という同じ思いから行っているからなのです。倫理云々というよりもまず、現実に女性たちが苦しむのを見てほっておけないヴェラには、明らかにはされないけれどどうも同じ苦しみを過去に味わったように見えます。彼女は逮捕で大変なショックを受けるのですが、刑務所でのラストシーンは、釈放されてもまた同じ「助け」を繰り返してしまう今後を暗示しているように思えました。
ヴェラの物語の他に、望まない妊娠をして人知れず処置した女性(ヴェラの仕事先の娘であるが、関与はしていない)の話も並行して語られており、問題がイギリス社会に深く根ざしたものであることが示されています。そしてそれらの描き方が非常にニュートラルなだけにいっそう観ている側には重く伝わってくるものがある作品でした。
俳優陣は地味な感じがする人ばかりですが、皆すばらしい演技をしています。ヴェラ役のイメルダ・スタウントンはもちろんのこと、ヴェラの家族を演じた人たちが皆よかったです。特に罪を犯しても妻を理解してやろうとする夫を演じたフィル・デイヴィスと、家族の中にあたたかく迎え入れてくれたヴェラに変わらぬ態度で接するレジー(娘のフィアンセ)役エディ・マーサン。非常に抑制されたもののなかに、渋さと深みを感じました。
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by poyance | 2006-03-15 18:16 | 映画
愛の神、エロス(W・カーウァイ/S・ソダーバーグ/M・アントニオーニ、2004年、米/伊/仏/中)
b0062149_16372294.jpgレンタルDVDで鑑賞。ウォン・カーウァイ、スティーヴン・ソダーバーグ、ミケランジェロ・アントニオーニという3人の監督名が非常に興味をそそるオムニバス映画です。思わせぶりなタイトルであるものの、実際はあまりエロティックな内容ではないのでそれを期待していた人は裏切られるでしょう(作品のつなぎに流れるカエタノ・ヴェローソの楽曲がいちばん悩ましいかも)。
ウォン・カーウァイの作品がいちばんタイトルに忠実かもしれませんが、彼の作品にはどこか人工的な匂いが感じられるので(それが魅力だと思うのだけれど)、性行為の描写もそれほど官能的には思えません。3作品のなかではこの作品が最もわかりやすく、いつもながらのレトロな作風に2人の俳優が美しく映えています。今回も素敵なチャイナドレスのオンパレードで、スパンコールなどの光り物に透ける素材がプラスされ、ゴージャス度がさらにアップ。このドレスに身を包んだコン・リーが気位の高い女性をすばらしく演じています。チャン・チェンも彼女に翻弄される青年にぴったりだし、お互い「2046」ではほんのわずかな出番しか無かったので、ここで本領発揮、といった感じです。
ソダーバーグのは「エロス」を精神分析的アプローチからとらえたもの?で、コメディ仕立。肩の力を抜いて気楽に作った感が漂っていて、真ん中に置かれるにはちょうどいい作品というべきでしょうか。女性が着ている50年代風のファッションが可愛いのと、冒頭に高らかと流れる音楽がよいです。
そしてトリのアントニオーニ作品は、寓話風な作りで、正直何のことやらよくわかりません・・。会話も非常に観念的だし、みんな行動が突飛だし(女の人がすっごいスケスケの服で平気でレストランに入ったりしていたけど、あれは向こうでは自然なんだろうか)、かえって笑えてしまいます。監督は御年91歳であらせられるそうですが、3人の中ではいちばんブットビ感あふれる作品でした。
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by poyance | 2006-03-15 17:14 | 映画
ファンク風味な日々
音楽の新情報もふとした所から色々とやってくるものです。懐メロから始まり、このごろはファンク寄りの、少々パンチの効いた曲を聴いていることが多いです。

b0062149_17241415.jpgついに念願のマキシマム・ジョイのCDを手に入れました。日本盤でも再発されたものもありますが、まずはドイツ盤でのシングル・コンピレーション "Unlimited (1979-1983)" を。前々から聴き直したかった "White and Green Place" をはじめ、イキのいい曲が多く、ドラムとベースのブンブン感にしびれています。こうやって振り返ってみると80年前後は、ロック界において「ファンク」が全盛だったのだけれども、それはロック側からの解釈なのであって、あくまで「ファンク・フレーバーのロック」なのだなあとあらためて思いました。家人は Pop Group の "Y" を購入して喜んでました。

b0062149_1734409.jpg「タモリ倶楽部」の「空耳アワー」で偶然耳にした曲が忘れられず、探してみたら The Pharcyde というグループのものでした。ブラン・ニュー・ヘヴィーズの2nd(このアルバムもとてもよかった)にも参加していた人たちで色々聴いてみたら、これがまた皆シブくてヒネリのあるラップばかりでよく聴いています。ちなみに「空耳アワー」でかかった曲は "Otha Fish" というもの。




b0062149_17424292.jpgファンキーな曲の合間に聴いているのがフランツ・フェルディナンドの "Do You Want To"(これもファンキーっちゃファンキーですね)。これは年末あたりにソニーのCMに使われていましたね。フランツの新しいアルバムはまだ聴いていないのだけれど、これを聴く限りではとてもよさそうです。ところでボーダフォンの今流れているCM(春のラインナップ紹介みたいなもの)は、思いっきり "Take Me Out" の PV を意識しているように思うんですけど違うのかな。流れている曲は石野卓球の新ユニット InK のものだそうです。


b0062149_17523740.jpg「ジャケが可愛かったからつい・・」と家人が「ライフ・アクアティック」で使われていた Seu Jorge のボウイ曲集を買って来ていました。確かに色合いがカワイイですね。映画でも聴いた曲ばかりですが、ギター1本で歌われるポルトガル語版デヴィッド・ボウイは、新鮮だけれどどこか懐かしい感じです。お花見しながら聴いてみたいなと思いました。

ところでもうひとつの方の音楽回顧ブログが半年以上放置状態で、気にはなっています。定期的に覗いて下さる方もいるみたいで大変申し訳ないです。あっちは1つのエントリーを書くのにすごく時間がかかってしまうので、後回しにしていたらこんなに時間が経ってしまいました・・もう少しコンパクトにまとめた文章量で再開しようと思ってますので、どうぞお見捨て無きよう・・
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by poyance | 2006-03-07 18:03 | 音楽
アカデミー賞発表
b0062149_12395493.jpg第78回アカデミー賞が発表されました。今回は大作よりも、地味目ながら内容の濃い作品に注目が集まっていたようで、前回とはかなりトーンが異なっていましたが、興味深い作品・俳優が多数登場してとても興味深かったです。
前評判の高かった「ブロークバック・マウンテン」が主要賞を独占するのかと思いきや、色々な作品に分配される結果となりました。なかでも最後の作品賞が「クラッシュ」になったときは会場もどよめいていました。1つの事故に集結していく群像劇、というのは最近よくある手法のように思えるのですが、この作品は編集賞も獲得しているので、その辺りの見せ方がうまいのでしょう。「21グラム」並みに重そうなテーマに、マット・ディロンやドン・チードルなどの俳優陣が挑んでいるのも気になります。

b0062149_12493199.jpg「ブロークバック・マウンテン」は監督賞、脚色賞などを受賞したものの、結局3賞どまり。同性愛を扱った映画で、かつアジア系の監督作品である、ということで、多くの賞にノミネートされたはいいが、投票段階になってアカデミーの保守的な面が現れてしまったのか、はたまた今回は優れた作品が多かった、というべきなのか。実際に候補作を見ていないので何ともいえませんが、予想以上に少ない受賞だったように思います。それでもアン・リー監督、嬉しそうでしたね。この監督さんはとても「癒し顔」の人なので、彼がニコニコしているところを見ているだけで、こっちもホンワカした気分にさせられます。




b0062149_1256176.jpg主演男優賞の発表のときは、思わずガッツポーズになってしまいました。脇役として作品のスパイス的な存在であることが多かったフィリップ・シーモア・ホフマンにこの賞が授与されて、よかったよかった。もともとこの俳優さんがとても好きだし、作品自体も面白そうなので、ぜひ観たいですね。今まで短編集しか読んでいなかったのですが、カポーティという人物自体興味深いし、公開されるまでに題材になっている『冷血』も読んでおきたいです。

今回のアカデミーは全体的に渋い雰囲気でした。ジョン・スチュアートが生真面目に飛ばすジョークもおかしくて、最近の司会者のなかではかなり好きなほうです。会場のセットもシルバーの色調だったし、女優さんたちのドレスもわりと抑えた感じ(色やデザインよりも、刺繍だとかディテールでゴージャス感を出している人が多かったです)でした。そのなかで目立っていたのが、視覚効果賞を発表したベン・スティーラーの黄緑タイツ姿。あれには大笑いしました!
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by poyance | 2006-03-07 13:23 | 映画


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