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カテゴリ:映画( 462 )
それでも、愛してる The Beaver
b0062149_18243218.jpg監督:ジョディ・フォスター
公開年、制作国:2009年、アメリカ

WOWOWから録画したものを鑑賞。うつに苦しむ男がビーバーのぬいぐるみを手にすることで、自信とやる気を取り戻し、傾きかけた会社は復活、家族ともやり直し‥‥というと、何だか『マスク』みたいなコメディを思い浮かべてしまうが、病気が病気なので、それが長続きするはずもなく、ついには破綻を迎える。その前半と後半のギャップが大きくて、これも不思議な味わいの映画だが、その奇妙さを和らげているのが長男のエピソードで、父親の姿を自分に認めることに複雑な思いを抱いて悩む姿が物語に重みを与えている。結末はそんなにうまく行くものかな〜と思うけれど、監督ジョディ・フォスターの、この病に苦しむ人々への思いが現れたものと考えたい。

b0062149_18464890.jpgメル・ギブソンとマペットという意外な組み合わせは、最初監督ジョディのジョークなのか、メルの自暴自棄なのかと思ったけれど、物語が進むに連れて、父親、夫、CEOという立場の社会人として、苦しみ果てた姿を演じられる役者として、ジョディが友人である彼を指名したのだなと思う。ジョディはその彼を立てて控えめな演技に徹している。長男役で、またアントン・イェルチンと、その相手役にまたまたジェニファー・ジョーンズが登場して、今回も好演している。

ところで、このあまり可愛くないビーバーのぬいぐるみがすごく気に入ってしまった。私も欲しい‥‥
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by poyance | 2013-07-07 18:58 | 映画
今日、キミに会えたら Like Crazy
b0062149_17514268.jpg監督:ドレイク・ドレマス
公開年、制作国:2011年、アメリカ

WOWOWから録画したものを鑑賞。イギリスから留学している娘と家具職人をめざす青年の恋が、初めのうちは非常に爽やかに描かれていて微笑ましく思えるのだが、一瞬の判断の過ちで離ればなれになり、次第に心が冷めていく両者に今度は腹立たしさを覚えてしまう、という不思議な味わいの作品。何でも台詞と演技はすべて即興だそうで、たしかに会話はとても生々しい。映像もシンプルで瑞々しく、アメリカ映画なれどヨーロッパ映画の雰囲気をまとっている。

これを観たのはアントン・イェルチンと脇役でジェニファー・ローレンスが出ていたから。どちらも期待通りの演技だった。ジェニファーは控えめな役回りだが、やっぱり印象に残る。アントンの相手役のフェリシティ・ジョーンズも「この人、可愛かったのに何かムカついてきた」と思ってしまったのだから、やっぱりうまいのでしょう。
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by poyance | 2013-07-07 18:06 | 映画
少年は残酷な弓を射る We need to talk about Kevin
b0062149_17233673.jpg監督:リン・ラムジー
公開年、制作国:2011年、イギリス

WOWOWから録画したものを鑑賞。望まれない妊娠で産まれた子どもは、母親を憎み、他人を愛せない性格に生まれつく、というのは短絡的すぎるし、子どもの描写も単一的であり、人間ドラマに仕立てるよりもいっそホラー映画にしてしまえばいいのにと思う。結末は世界で頻発する同じような事件をいやでも想起させるが、その犯人たちがみんな同じ境遇とは限らない。ガス・ヴァン・サントの『エレファント』をすでに観た者としては、人間の複雑な心理をもっと掘り下げて描いてほしかった。

とはいえ、主演がティルダ・スウィントン様で、ジョン・C・ライリー共演となればこれは観ない訳にはいかない。ティルダが母親役、というのも珍しいが子どもへの接し方がわからない不器用な女性の姿を自然に演じていた。ティルダとジョン、という組み合わせもなかなか思いつかないが、父親の性格とその行く末を考えると、彼のキャスティングは申し分ない。マツジュンみたいなルックスの、少年役のエズラ・ミラーは、性格描写が画一的なので、自然と演技もそうなってしまうのが残念。子ども時代のジャスパー・ニューウェル君のほうがよっぽど怖さを感じさせる演技だった。
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by poyance | 2013-07-07 17:44 | 映画
サマー〜あの夏の記憶〜 Summer
b0062149_1524594.jpg監督:ケニー・グレナーン
公開年、制作国:2008年、イギリス

WOWOWから録画したものを鑑賞。貧しい労働者階級を描いた作品としては、先日観た『ケス』や『リトル・ダンサー』と同じなのだが、前者のような容赦ない手厳しさもなければ、後者のような一種のおとぎ話的な幸福感もない中途半端な作品で、「友情もの」と銘打たれているが、ふたりの結びつきがなぜあれほど強いのか映像からはあまり伝わってこなかった。

主人公が今の境遇に至った大きな要因であるはずの「学習障害」の扱い方もあいまいで、周囲は彼の状態をわかっているのに、(少なくともその当時のイギリスでは)サポートするシステムは全くなかったのだろうか。彼は自分で悪い方悪い方へと進んでいったので、その代償としてすべての罪を背負い、親友の最後をひとりで見とらなければならない、ということなのだろうか。観賞後は消化不良に陥る。

とはいえ主演のロバート・カーライルはこういうワーキング・クラスの負け犬を演じるとピカイチで、生活感が体からにじみ出ていて、彼の演技を観ているのは心地よい。ダズ役のスティーヴ・エヴェッツはなんと The Fall のメンバーだった人で、この作品での演技が認められてその後ケン・ローチの作品などに出演しているそうだ。
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by poyance | 2013-06-02 15:59 | 映画
戦火の馬 War Horse
b0062149_16405542.jpg監督:スティーヴン・スピルバーグ
公開年、制作国:2011年、アメリカ

WOWOWから録画したものを鑑賞。ヨーロッパ映画を観たあとにハリウッド大作を観ると、やっぱり大味だなあと思うが、そこはスピルバーグなので長丁場を退屈させることはない。第一次世界大戦を背景にした馬が主人公のロード・ムーヴィーで、行く先々のエピソード自体はかなり短くまとめられていて、物足りなさを感じるくらいである。実話かと思ったらそうではなかったので、話がうまく運びすぎる点はフィクション感が強いが、児童文学が原作のディズニー映画であるから、それもありかなと思う。

子馬が生まれるシーンから、何か昔のアメリカ映画を観ている感覚(イギリスが舞台なのに)を覚えた。ジョン・フォード作品を参考にして撮影したという談話もあり、全体的に古きよきアメリカ映画へのオマージュを感じる。だからといって古くさいわけではなく、忘れていた心地よさを思い出させてくれる感じである。

馬の美しい姿を観るだけでもじゅうぶん価値がある映画だが、クライマックスの疾走シーンはやはりフルスクリーンで観たかった。馬は犬や猫よりも寡黙なのだが、演技してるの? と思える瞬間まであった(それともCGなのかな)。ちなみに有刺鉄線のシーンは、ゴム製のワイヤーを使用し、一部はアニメーションだそうです。

主演のジェレミー・アーヴァインはそれまで無名の俳優だったそうで、純粋な好青年役にぴったりである。エミリー・ワトソン、ベネディクト・カンバーバッチらイギリス俳優陣がそろうなか、ニコルズ大尉役のトム・ヒドルストンが印象に残ったが、彼は『ミッドナイト・イン・パリ』でフィッツジェラルドを演じた人だった。ジャームッシュの新作のヴァンパイア映画ではティルダ・スウィントンと共演していて、これからの活躍が楽しみだ。あと、エディ・マーサンが今回はいい人役だったのもちょっと嬉しかった。
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by poyance | 2013-06-01 17:21 | 映画
ケス Kes
b0062149_19301721.jpg監督:ケン・ローチ
公開年、制作国:1969年、イギリス

WOWOWから録画したものを鑑賞。録画だけして今さらまだ見ていないとはいえない映画シリーズ。炭坑の町、片親と兄と暮らす貧しい少年、というと『リトル・ダンサー』が思い浮かぶ(主人公の名前はどちらもビリーである)が、この映画では少年を取り巻く環境は容赦ない。彼は何かというと大人から目をつけられ、信用されず、家族からも愛されない。

彼に限らず、子どもたちに対して、ほとんどの大人たちは理由もなく厳しく、特に校長の態度は理不尽といってもいいくらいである。彼らはビリーに「人の話を聞かない」といって叱るが、当の大人たちこそ彼らの言葉に耳を貸そうともしないのだ。耳を傾けてくれる人がいれば、ビリーはいくらでも話ができるのに。彼がタカの育て方や、ペットとしてではなく、敬意を持ったタカへの接し方について語るシーンは今思い出しても涙が出てくる。だからこそ結末はあまりにもやるせない・・ 救いと言えば、彼の話を真摯に聞いてくれる英語教師の存在だが、この先彼の力になってくれるのだろうか。中途半端な終わり方であるからこそ、今後について色々想像する余地は残される。

ビリー役のデヴィッド・ブラッドレイは、ほとんど演技経験がなかったそうだが、見事にビリーになりきっている。タカは彼が本当に訓練したそうだ。そして、最後のシーンでは、実際は自然に死んだタカを使ったそうだが、彼は自分の育てたタカが本当に殺されると聞かされていたという。そういう方法での撮影がいいか悪いかは別として、このときの彼の悲しみの表現はほんものである。
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by poyance | 2013-05-30 19:58 | 映画
少年と自転車 Le gamin au vélo
b0062149_2056439.jpg監督:ジャン=ピエール・ダルデンヌ、リュック・ダルデンヌ
公開年、制作国:2011年、ベルギー/フランス/イタリア

WOWOWで録画したものを鑑賞。ダルデンヌ兄弟は社会的に弱い立場にある人々を淡々と描くことに優れており、今回も同じといえば同じ路線であるが、だんだんと希望を感じさせる作品に変化してきたように思う。この作品では、その「希望」は何といっても、ひょんなことから少年シリルの里親となった美容師のサマンタの存在である。少年とほとんど交流する機会もなく、母親の経験もなく、いきなり里親になるわけだが、「親になる」ことがどれほど重いことかしっかり覚悟していて、決して簡単にはあきらめたりしないすごさを持っている。そして強引ではないやり方で、彼に日常的なちょっとしたことを教えるところ(「ありがとう」を言わせたり、買物の計算をさせたり)がとてもいいなあと思う。血がつながらなくても、この二人は最後に「家族」になる、という後味のよい終わり方はこの監督たちにしては予想外でそれがまたよかった。しかし、そこは彼らの映画なので、ストレートではなく、ある代償を支払うことになるのだが・・(ちょっとショッキングだったが)。

見捨てられた父親とのつながりの象徴であり、シリル一人が走らせていた自転車は、常に盗難のターゲットとなるが、サマンタと二人で走るための自転車となった後では、しばらくそばを離れていてももう盗まれることがない。でも鍵はやっぱりかけましょう・・

シリル役の少年はオーディションで選ばれた新人だそうだが、一途に父親を思うシリルをとても自然に演じている。彼の青白い風貌といつも着ている赤い服(シリルの火のような性格や、温かみへの欲求を象徴するようだ)の対象が印象的だ。そしてサマンタ役のセシル・ドゥ・フランスが本当にすばらしい。彼女はもともと好きな女優さんだけれども、こういう肝のすわったおばちゃんみたいな役をこなすのを観て、いっそう好きになった。
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by poyance | 2013-05-28 21:30 | 映画
ピクニック at ハンギング・ロック Picnic at Hanging Rock
b0062149_19494983.jpg監督:ピーター・ウィアー
公開年、制作国:1975年、オーストラリア

録画だけして観てない、とは今さら言えない映画シリーズ。オーストラリアやニュージーランドの映画は、それほど多くはないけれど、これまで観た作品は、気候や風土が生み出す明るく、乾いた部分と、不条理とも言えるような不思議な部分を併せ持った独特の雰囲気のあるものが多いような気がする。ジェーン・カンピオンの作品やピーター・ジャクソンの『乙女の祈り』などがその代表例だ。そして寄宿学校の少女たちを描いたこの作品も、その系譜のひとつ(というよりも原点)と言えるだろう。

南半球の暑いバレンタイン・デーに出かけた先の岩山で少女たちと女教師が「神隠し」にあう、という物語自体謎めいているが、すべてがヴェールをかけられたようにあいまいに、さまざまな含みを持って描かれる。もちろん、ここには性的なイメージが方々に散りばめられている。冒頭に読まれるラヴ・レターに始まり、ピクニックに出かける少女たちの花嫁のような白装束(谷間で昼下がりにまどろむ少女たちの退廃的な姿がなんともなまめかしい)、「蛇」が出るという警告、場にそぐわないような大きな包丁で切り裂かれるケーキ、そして清らかな美しさのミランダが「ボッティチェルリの天使」に例えられる(しかも実際に開かれた画集のページはヴィーナスの絵)、など、隠されたエロティシズムのしるしがそこここにある。

b0062149_20473013.jpg消えた女教師の目撃談や無くなった女生徒のコルセットといったあからさまな要素などを加えれば、最後に女校長が下した結論に行き着くのは至極当然だし、岩山の醸し出す不安な雰囲気からオカルト的な話だと考えることもできるが、だからといってそれだけではすまない何かがある。女校長とともに崩壊していく女学院や、孤児のセーラとその兄の物語もからんで、全体に別の深みも加わり、不思議な味わいの映画だった。牧歌的ともSF的とも聴こえるフルートのサントラも印象的だ。

ミランダ役のアン・ランバートの幻想的な美しさが際立つ。狂気をはらんだ女校長役のレイチェル・ロバーツも夢に出てきそう(あの髪型・・)。そしてメイド役で出てくるジャッキー・ウィーヴァーは『世界にひとつのプレイブック』に出ている人ですね。この映画のなかで、いちばん人間くさい人物、「生身」のある存在として彼女の役どころも重要だと思う。
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by poyance | 2013-05-28 20:51 | 映画
ハンガー・ゲーム The Hunger Games
b0062149_19185767.jpg監督:ゲイリー・ロス
公開年、制作国:2012年、アメリカ

WOWOWで録画したものを鑑賞。『バトル・ロワイヤル』みたいな話、くらいしか情報がなかったので、こんなSFチックな内容だとは思いもよらず、都会の描写が漫画みたいだなあとリアリティを感じないまま観る。ゲームが始まるまでが結構長いし、始まっても展開が意外と地味で、少年少女たちの殺しあい、というショッキングな内容なだけに作り手の配慮が感じられる(そして、そのために物語が甘くなってしまっている)。そういうわけで、全体的に中途半端ではあるが、キャスティングに助けられて退屈はしない。最後が、え?ここで?というところで終わっていたけど、続編がやっぱりあるんですね。長期にシリーズ化して『トワイライト』みたいにどんどん面白くなくなっていかないよう希望します。

この作品はひとえにジェニファー・ローレンスの輝きで成り立っていると言っても過言ではない。『ウィンターズ・ボーン』の頃から気になっていた人だったけれど、映画を観るのはこの作品が初めてだった。アカデミー賞でオスカーを穫った彼女を見たとき、演技はちゃんと見ていないけれどいい女優さんなんだろうなあとすぐに感じて好きになった。今回、力強い生命力と人に媚びない凛とした部分を持つカットニスの役は彼女にぴったりだ。しかし彼女は作品ごとに色々な面を見せる引き出しの多さを持っている人らしいので、今後の活躍が楽しみだ。

対戦する少年少女たちにも、ルー役の女の子などキラリとするものを持った人がいた。ピータ役のジョシュ・ハッチャーソンも印象的な顔立ちである。神秘的なシナがいいわあと思っていたら、あとでレニー・クラヴィッツとわかってびっくり。そして、おや、松本人志みたいな人が、と思ったらウディ・ハレルソンだった。変わり過ぎ・・
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by poyance | 2013-05-28 19:46 | 映画
ルビー・スパークス Ruby Sparks
b0062149_1614771.jpg監督:ジョナサン・デイトン、ヴァレリー・ファリス
公開年、制作国:2012年、アメリカ

シネリーブル梅田で2月に観ていたのに忘れてた・・ 『リトル・ミス・サンシャイン』の制作陣の新作で、今回は一発屋で終わりそうな青年作家が主人公。うまく人付き合いができない内向的な青年の前に自分が小説に書いた「理想の女の子」が本当に現れる、というのは日本のマンガやドラマにありそうな話で、奇しくもちょうど同じ時期テレビで「泣くな、はらちゃん」をやっていた(その両作品について宮藤官九郎が書いたエッセイを読んで、この映画を観に行く気になったのだった)。そういうわけで、結局ビルドゥングスロマンに落ち着いてしまう物語自体に新鮮さは感じられない。主人公もポール・ダノが演じているからいいわけで、よく考えたらかなり身勝手で共感もてないのよね・・ 彼の暮らすシンプルでクールな家(お金かかってそうだが・・)や、街の何気ない風景とか映像は観てて楽しかったですが。

ポール・ダノは前々から期待している俳優なので、彼が主役を演じているのを観ているだけで嬉しい。しかし今回のカルヴィンはすごく吉岡秀隆に見えてしまった(日本でリメイクをするなら彼以外考えられない・・)。ルビー役のゾーイ・カザンは脚本も担当し、おまけにダノ君のほんとうのガールフレンドだそうなので、二人の息はぴったり。義父役で出てくるアントニオ・バンデラスがまた意外なキャラクターでよかった。最近の彼はとても面白いですね。
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by poyance | 2013-05-06 16:39 | 映画


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