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読書記録
いつになく現代ものばかり読んでいます。

b0062149_20403084.jpg『インド旅行記1・2』(中谷美紀、幻冬舎文庫)

旅行記はたまにとても読みたくなるジャンルの本です。違う世界の日常へ入り込み共感や違和感を覚える、という感覚がたまらないのでしょう。どこそこの名所へ行った、という記述よりも、何を食べたとか泊まる所がどうだった、だの些末な話がたっぷりあるほうがより好みです。その点ではこの本は前者後者半々くらいの割合で成り立っているでしょうか。けれどもこの中谷さんのかなり潔癖性なところ(チューブのワサビを食後に飲み込む、というのはすごい)とインドという国にのめりこまずにある程度客観的に物事を眺めているところが面白くてあっという間に読みました。おそらく3、4も今後発売されると思われるので楽しみです。


b0062149_20504414.jpg『ニシノユキヒコの恋と冒険』(新潮文庫)
『光ってみえるもの、あれは』(中公文庫、以上川上弘美)

古本探しでいつもお世話になっている I 先生がとてもよいとおっしゃっていたので、川上さんの『光ってみえる・・』を文庫化早々読みました。確かに今まで読んだ川上作品の中でいちばん好きです。挿入されている文学作品の一節も素敵です。いつものようにちょっと(というよりかなり)変わった人たちが、ちょっと(かなり、というのもある)変わった行動をとる話なのだけれど、それを全く自然に感じさせるのが、川上さんの文体の力(力が入っていないように思わせるところもすばらしい)です。ただ、話の内容が後半長崎に舞台が移ってから説明的になりすぎているのが残念。そこまでは青春小説として傑作だと思います。『ニシノユキヒコ』も後半説明的になっているように感じます。
ところで、『光って・・』を映画化するとしたら大鳥さんはぜひ忌野清志郎でキャスティングしてもらいたいです。


b0062149_2283398.jpg『噂の娘』(講談社文庫)
『小春日和 インディアン・サマー』
『文章教室』
『タマや』
『道化師の恋』(河出文庫、以上金井美恵子)

以前、金井さんの初期作品を読んで挫折しました。「私、ヌーヴォー・ロマンのことをよく知ってますの、フフフ」みたいな雰囲気が充満しているように感じられてダメだったのです。今度は最近の作品で、昭和中期の美容院が舞台の少女小説、ということで再チャレンジしてみましたが、これは面白かった。一文が気が遠くなるくらい長いのでエネルギーを要しますが、それだけに読みごたえがあります。引き続き「目白四部作」と呼ばれる4つの小説に挑戦。『小春日和』の桃子さんはちょうど私と同じ年代にあたり、あの80年代後半ごろの「オリーブ」を購読し、ニューアカにかぶれ、ジャームッシュだのミニシアター系の映画に夢中になっていた女の子たちについての記述を読んでいると、何だか自分のことを言われているみたいでこっぱずかしい。でも今回はこの毒を多分に含んだ文章も嫌みに思えず、溢れ出るペダンチスムも頑張ってるねえとカワイク思えてくるのが不思議です。



b0062149_22225883.jpg『格闘する者に○(まる)』(三浦しをん、新潮文庫)

最後はこれまた I 先生ご推薦の三浦さんの作品。川上さん以降のさらに新しい世代の人の作品はまだ読んでいないものが多いですね・・ 三浦さんは思っていたのと作風がかなり違いました。もっとファンタジックなイメージを勝手に持っていましたが、実際読んでいると非常に安定した文章を書かれるのだなあと思いました。この作品は主人公の性格もあるのだろうけれど、自信がみなぎっている感じです。
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by poyance | 2006-11-25 22:30 |
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