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アイ・カム・ウィズ・ザ・レイン I Come With the Rain
b0062149_223188.jpg監督:トラン・アン・ユン
公開年、製作国:2009年、フランス

WOWOWから録画したものを観賞。前作『夏至』から9年を経ての作品はハリウッドとアジアのスター俳優を起用した意欲作となった。感覚としては2作目の『シクロ』に近いが、『シクロ』がリアリティとその上に立脚するポエジーを追求していたのに対して、この作品はリアリティはあまり問題にされていないように感じる。クラインがかつて追っていた殺人鬼がやっていた人肉による彫刻、というのが生々しい表現であるはずなのに、映像になってみるとえらく非現実的で、グロテスクなファンタジー映画を観ているようなのだ。シタオの治癒行為についても然りで、これまでのトラン・アン・ユン作品にあった、その土地に住む人々の生活感だとか、観ていてほっとするような一面がこの作品にはほとんんど観られず、この監督のファンとしてはちょっと残念な内容だった。クラインの過去とシタオ追跡の2つの物語の絡め方もあいまいである。このプロジェクトについては長い間話に聞いていたので、わりと期待していたのだが、長期間話を暖めすぎたのだろうか?? それにしては終わり方も唐突だったし・・

とはいえ、映像のセンスは年月を経ても少しも変わることなく鋭敏で美しい。今回の撮影はファン・ルイス・アンシア(リー・ピンビンかと思ったがそうではなかった)だそうだが、非常にすばらしいカメラワークだった。シタオが泥まみれになっているシーンや、トラン・ヌー・イェン・ケーの髪を洗うシーンなどトラン・アン・ユンおなじみの場面も出てきて懐かしい。

キャスティングは申し分ないと思う。ジョシュ・ハートネットは過去を抱えた私立探偵、という役にぴったりだし、殺人犯役は、当初ハーヴェイ・カイテルが予定されていたみたいだがこのイライアス・コティーズでよかったと思う(ハーヴェイ・カイテルだと人が好すぎる気がする)。木村拓哉は、日本人が観るとどうしても従来のイメージがつきまとってしまうが、ほとんどセリフがないので『2046』みたいな月9の雰囲気は皆無で、おまけにかなりキッツイ役どころを頑張って演じていて好感がもてる(本人がどれだけ内容を理解しているかどうかは別であるが)。トラン・ヌー・イェン・ケーは、役柄のこともあるが、これまでとはちょっと違ってスレた感じに違和感を覚える。サム・リーもチョイ役であるが出てます。

今回突出しているのはやっぱり、イ・ビョンホンではないだろうか。色気たっぷりのこの役は彼にうってつけであるように思う。あんなハデハデな服を着こなし(どれもこれもすごい・・ トニー・レオン様でも無理)、おまけに惜しげもなく裸体も披露できるのはナルシシスム全開のビョン様じゃないとできませんよ。これまでちゃんと映画で彼を観たことはなかったんだけれども、恐れ入りました。

今回も音楽ではレディオヘッドの曲が数曲使われてますが、やっぱり好きなんだね〜 次回作『ノルウェイの森』ではついにジョニー・グリーンウッドが音楽担当! 好かったね〜

* 関係ないけど村上作品では『パン屋再襲撃』も映画化らしい。監督はメキシコ出身のカルロス・キュアロンだそうで主演はキルスティン・ダンスト! ちょっと楽しみですね。
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by poyance | 2010-09-02 02:36 | 映画
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