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欲望のあいまいな対象(ルイス・ブニュエル、1977年、フランス/スペイン)
b0062149_12294622.jpgスカパー(シネフィル・イマジカ)から録画したものを鑑賞。ブニュエルの遺作はピエール・ルイス作『女とあやつり人形』の映画化でオリジナルものではないけれど、その製作姿勢は晩年になっても全く丸くなることなく、悪女に翻弄される老人の「欲求不満」をテーマに2人の女優に1役を演じさせるなど、今回も前衛的な試みが多くなされている。

老いた男と若い女という組み合わせはブニュエルものに多く見いだされるが、今回がその集大成という感じで、満たされぬ欲望を象徴するかのような、ずだ袋の存在(そしてラストシーンではその中身もわかる)が印象的である。谷崎潤一郎の『瘋癲老人日記』との共通点も指摘されているようだが、ブニュエルには谷崎のようなぬめりけや湿度は感じられず、いつもどおり淡々と乾いたタッチに徹している。

ブニュエル映画の常連、フェルナンド・レイが今回も愛に狂う男を好演。コンチータ役の1人、キャロル・ブーケは当時20歳(撮影時には10代か?)であるが、清潔感と気品のある色気を漂わせている。この後女優として開花し、シャネル No.5 のイメージモデルにまでなるほどのスター性を獲得していくわけだから、ブニュエルには先見の明があったということだろうか(ただし、最近日本で公開された映画ではあまりお目にかからないけれど)。
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by poyance | 2009-09-19 13:11 | 映画
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