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シークレット・サンシャイン(イ・チャンドン、2007年、韓国)
b0062149_20421629.jpgWOWOWから録画したものを鑑賞。目下カンヌ映画祭でコンペティションの審査員を務めている監督の作品。若い未亡人が一人息子と見知らぬ土地で生活を始める(しかも生前夫は浮気までしていた)、という内容のわりにはドロドロした恨みつらみが出てこないなあと思っていたが、後半部になるとどんと重くなり号泣シーンも連続する。しかしこれまで観てきた韓国映画とひと味違って、作品は終始突き放したような客観的な描写に徹しており、甘ったるくなるところもほとんどないのが新鮮だった。

この作品を観る前にたまたまナンニ・モレッティの「息子の部屋」という似たような内容の映画を観ていたのだが、こちらは妙に家族愛が強調されているように見えて、途中で挫折してしまった。今回は悲しみを分かち合う家族もおらず独り抱え込む母親を冷めた目線で眺めている、というスタンスがソン・ガンホ演ずるキム同様、我々も彼女の心には真に入り込めないと言われているようで、こちらのほうがリアルに思えた。精神的に追いつめられた彼女が安易に立ち直ることなどないだろうし、救いがあるのかないのか宙ぶらりんな結末も妥当に感じる。前作の「オアシス」のほうが評価が高いようだし、こちらもぜひ観てみようと思う。

カンヌで女優賞を獲得した主人公シネ役のチョン・ドヨンの体当たり演技も印象的だが、何といってもソン・ガンホの存在感がすごく、そちらの方ばかりに目がいってしまった。忠実な犬のごとくシネに仕え、人は底抜けにいいが空気が読めず、シネのセリフにもあるように、まんま「俗物」であるキムという男を自然に演じていた。ピンクのシャツもお似合いである。
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by poyance | 2009-05-24 21:08 | 映画
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