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白夜 Quatre nuits d'un rêveur
b0062149_20185882.jpg監督:ロベール・ブレッソン
公開年、制作国:1971年、フランス

梅田ガーデンシネマにて鑑賞。ドストエフスキーの恋愛ものをブレッソンが映画化、というなかなか興味深い作品で予告のポスターが美しかったので正月早々映画館に足を運ぶ。ブレッソンらしくシンプルで説明の少ない展開で登場人物たちももの静か(あとで原作を読んだが、登場人物たちはいつものドストエフスキーものと同じ饒舌ぶりなので、映画とのギャップに驚く)だが、ブレッソンにしてはロマンティックな作り方をしていると思う。その要因のひとつが音楽の多用で、彼の映画はサントラなしというイメージが強いのだが、この作品ではあちこちで音楽が流れ、それも当時の流行りものらしくてそれが意外だった。

ショットは相変わらず美しく、画面に人物の体の一部だけを取り込む構図のクールさにほれぼれしながら観ていた。舞台をパリに置き換えて、出会いの場所をポン・ヌフにするなどこの街の美しさを効果的に利用している。それにしても70年代当時のパリの街って本当にカッコイイ。夜のセーヌ川はもちろんのこと、そこらに路駐している車や建物を眺めるだけでもうっとりする映画だった。

主演のギョーム・デ・フォレはおそらく素人だろうが、rêveur という表現がぴったりの若者だった。そしてマルト役のイザベル・ヴェンガルテンの冷たい硬質の美がすばらしい。彼女のまとう衣装も素敵だった。これから先メディア化されることはないのかなあ・・残念。

ところで邦題は『白夜』となっているが、原題は『夢見る者の四夜』という原作のサブタイトルの方を使っている。パリでは白夜はないから、この邦題ではちょっとわかりにくいですね・・
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# by poyance | 2013-04-30 20:44 | 映画
フィリップ、きみを愛してる!  I love you Phillip Morris
b0062149_19501375.jpg監督:グレン・フィカーラ、ジョン・レクア
公開年、制作国:2009年、フランス

またしても放置状態がずっと続いてしまった・・これは元旦に観た映画。最初『マネーボール』を観始めたら10分ほどで二人とも眠気に襲われ家人はそのまま沈没してしまったので、WOWOWから録画してメディアに焼いていたこの映画をあらためて一人で観たという次第(家人は途中から復活して参加)。『バッド・サンタ』の監督ということもあり、ブラックな香りがむんむんと立ちこめるなかテンポよく話が進み(スティーブンの秘密が明らかにされる場面が最高)、眠気はあっという間に吹っ飛んだ。愛する人に尽くすためだけにその天才的な能力を使うスティーブンの愚かさが切なくておかしい。実話っていうのがすごいですね。

ジム・キャリーはコメディのときはやり過ぎ感があって食傷気味なのだが、今回もまたちょっとツラいところがある。やっぱり彼は暗い映画に出た方がいい味出してると思う。逆にユアン・マクレガーの見事な乙女ぶりが素晴らしい。指先にいたるまで身のこなしに神経が行き届いている演技で、この人のうまさを再確認した。
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# by poyance | 2013-04-30 20:15 | 映画
007 スカイフォール Skyfall
b0062149_18373330.jpg監督:サム・メンデス
公開年、制作国:2012年、アメリカ

大阪ステーションシティシネマにて鑑賞。こういう映画にリアリティを求めるのは間違いだとわかってはいるが、冒頭の突拍子もないアクション・シーンを観ただけでおかしくて吹き出しそうになる。その後のタイトルロールでは、せっかくアデルがしっとりと主題歌を歌っても、あの独特のアニメーションがまた映画をイロモノっぽく見せてしまっている。映画を見始めてから監督がサム・メンデスだと知るが、『アメリカン・ビューティー』や『レボリューショナリー・ロード』のようなドラマティックな演出がここで行われ、ボンドが生真面目な表情をすればするほど、こちらは真面目に観ていられなくなってくる。それを狙ってやっているのか・・

今回もボンド・ガールの影が薄い(おまけにボンド・カーも)。ダニエル・クレイグのボンドになってから、濡れ場はほんのお飾りにすぎず、逆に彼の肉体美が強調されるようなシーンが増えていて、今回も意味もなく泳いだりしている。シルヴァとのやりとりの中にも意味深なセリフがあったし、Mとの関係も母と息子というイメージが重なり、母の愛に飢えるボンドの姿が感じられるなど、意図的に彼のゲイ的な要素が提示されているように思う。過去のファンには受け入れがたい話だろうが、こういう解釈もあってもいいんじゃない? 少なくともクレイグ・ボンドに限っては。

b0062149_18575715.jpgいろいろ思うことはあるが、私はダニエル・クレイグ版ボンド・シリーズはどれも楽しく観ているし、この路線をまた次回作で展開してもらいたい。もっとも彼も年齢的にあと1、2作くらいなのかしら(今回のテーマの一つに「世代交代」というのもありました)。トム・フォードのスーツをビシッと着こなす姿はまだまだ美しいですが。敵役のハビエル・バルデムは、路線的には『ノー・カントリー』に近いものがあるが、ちょっと作りすぎかな(それも笑いを誘う要因のひとつだった)。

次回から新体制になるのも楽しみ。レイフ・ファインズ、ナオミ・ハリスも魅力的だし、何より「Q」が可愛い〜 『ブライト・スター』のベン・ウィショー君がこんなメジャーな娯楽作品に出てるのも驚きだが、彼のナイーヴで繊細なイメージが活かされた役でした。ちょっと武田真治にも見えるけど・・
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# by poyance | 2012-12-15 19:01 | 映画
ミーシャ/ホロコーストと白い狼 Survivre avec les loups
b0062149_1810124.jpg監督:ヴェラ・ベルモン
公開年、製作国:2009年、フランス/ベルギー/ドイツ

スカパーから録画したものを鑑賞。ナチスの手から逃れて消えた両親を捜す少女のサバイバルものだが、ここでいう「サバイバル」は生半可なものではない。雪のなかでの野宿はもちろん、土を掘ってミミズを食ったり、生肉を頬張ったり、すごいんである(子役の少女は本当にそうしていたらしい)。小生意気な子どもなのだが、動物と心を通わせる能力は持っていて、死にかけたところをオオカミに救われて養われるって・・。ほかにも編集ですっとばされて、どうやって生き延びられたのかあいまいなところも多く、原作発表時は「実話」とされていたそうだが、さすがにそれはないんじゃない、という展開でした。それは置いといても、出てくる動物たちが美しいので見ているだけで楽しい。悲しい結末が待っているとはいえ・・

ミーシャ役のマチルド・ゴファールは、可愛い、というわけではないのだけれど、気の強くて生命力の強いミーシャを体当たりで演じている。オオカミもなんと本物だそう。私もこんな大きくて美しいオオカミと一緒に寝てみたい・・
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# by poyance | 2012-12-15 18:28 | 映画
聖少女アンナ Un poison violent
b0062149_17165528.jpg監督:カテル・キレヴェレ
公開年、製作国:2010年、フランス

WOWOWから録画したものを鑑賞。カトリックの信仰に対する揺らぎ、両親の不和、老いつつある祖父、性へのめざめ、というテーマを羅列すると、暗そう(おまけに邦題が大きな誤解を招きそう)だが、田舎の明るくゆったりした風景をバックに淡々と描かれているため、いやらしい感じもせず、爽やかな空気さえ感じる。

一方で、娘の若さに嫉妬を抱く母親や、その母親に頼られて複雑な思いをする若い神父、死を迎えつつも色気を失わない祖父など、登場人物がそれぞれ面白い。恋愛と性的な感情が一致している少年と、その二つが結びついていないように見える少女の対比など、女性監督ならではの描写も興味深い。特に神父の存在が印象的で、幼い頃から神父になるのを決めていた、信仰の強い青年が初めて直面する苦悩をもっと突っ込んで描いてほしかった。

アンナ役のクララ・オギャルドの子どもでもなく、大人にもなりきれていない、危うい存在感がとてもよい。ポスターからも分かるように聖女のような清らかさと、これから大人になる女性の生々しさを合わせ持っている。母親役のリオは、フレンチ・ポップスとか歌っていた人ですよね。美しくきつい母親役が似合っていました。
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# by poyance | 2012-12-15 18:07 | 映画


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