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ニコール・キッドマンの恋愛天国(ジョン・デューガン、1990年、オーストラリア)
ニコール・キッドマンの恋愛天国(ジョン・デューガン、1990年、オーストラリア)_b0062149_2248162.jpgタイトルだけ見ると、ニコールが主演で、ちょっとおバカな青春映画って感じですが、実際はニコールは脇役で、一応初体験シーンとかお色気場面もあるけど内容は結構マジメです。タイトルですごく損してる映画だと思う。
ニコールをはじめ、ナオミ・ワッツ、タンディ(サンディ)・ニュートンといった今ならそうそうたる女優陣が出演してます。ニコールは男子のあこがれという設定になっていて、スタイルもいいし(妙に姿勢がよい)お人形さんみたいだけど、まだ今のような浮世離れした美しさはなく、まだまだ田舎にいるちょっとキレイな女の子、という感じ。ナオミは主人公の友達役ではあるものの、名前が出ないとわからないくらい地味です。で、この時点で一番魅力的なのは主人公が好きになる女の子タンディウェを演じるタンディ(まぎらわしい役名・・ニコールも「ニコラ」という役名だった)です。「ミッション・インポッシブル2」のときも可愛いなあと思ってたんですが、ここですでに頭角を現していたんですねえ。ニコールやナオミにはまだ感じられない色香がにじみ出ています。主役の男の子ダニー(ノア・テイラー)も印象的で、端正な顔かたちの男子群の中、あの髪型と口もとはすごく目立ってました。
話は全寮制の男子校と女子校にいるダニーとタンディウェの恋物語が中心なんですが、恋愛よりも友情話の方が心に残りました。タンディウェがナオミたちと色々恋バナに花を咲かせていたり(どこの国でも時代でも女の子の方が早熟よね〜 女子校だと特に)、おカタく見えたニコールがタンディウェに秘蔵の酒をすすめたり、ダニーの友達の宮迫風な男の子が妙に考えがオトナでカッコよかったり。ダニーとタンディウェも最後は結ばれるんだけど、どっちかというと2人の関係も同志、という感じでベタベタしたものではなく、好感が持てました。舞台は60年代で、サルトルやカミュ、当時のアフリカ情勢などの要素も盛り込まれて、ほどよく甘さを抑えているようです。
オーストラリアの映画は前々から興味があります。それほど見てるわけではありませんが、わりと後味がさっぱりしているものが多いように思うんですけど、どうでしょう?
# by poyance | 2004-11-21 18:15 | 映画
『或る女』(有島武郎)
はあー。ようやく読み終えました。古本屋で激安で買ったカビくさい本だったこともあって中盤からは「早く終われ〜」と思いつつ読んでおりました。ちょうどこれを読む前に斉藤なずなの「千年の夢」(マンガだと知らずに買ったんですが、面白かったです)というのを読んでいて、与謝野晶子がこの小説の主人公の葉子さんに感激しているシーンがあり、当時の女の人には「自由な女性」像として映ったのかもしれません。田山花袋とか徳田秋声の小説にもこういう女の人が出てきたように思うんですが、文人の方々のお好みなんでしょうか?? 私はこの葉子さんどうも好きになれません。感情的で、プライド高くて男を翻弄しまくりだけど、結局は男に依存していないと生きていけない人なんですよ。後半なんかは嫉妬に狂って妄想がふくらみっぱなしで、周囲はたまったもんじゃありません。その後半は葉子の「思い込み」がいろいろ働いて、どこからどこまでが実際の話なのかがわかりにくくなっていて、ちょっと後期のヘンリー・ジェイムズのようですが、こちらは文章が大げさなのでキツイです。
葉子よりも、妹の愛子さんのほうが思いを秘めているようで、でも最後まで何を考えているかよくわからない謎めいた描かれ方をしていて、ずっと興味深いです。愛子を中心にして読んでいったらもっと面白いかもなあ。それから葉子の恋人の倉地は、最初佐藤浩市なイメージで読んでいたんですけど、「〜ないわい」だの「〜だろうて」だのミョーにおじいさん口調で、ギャップを感じながら読んでました。
# by poyance | 2004-11-21 17:31 |
21グラム(アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ、2003年、アメリカ)
21グラム(アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ、2003年、アメリカ)_b0062149_22503068.jpgやるせない。見る前から重たいテーマの映画だということはわかっていたけれど、やっぱりそう感じてしまいます。登場人物3人は、みんな「好きでそうなったわけじゃないのに・・」という運命を背負ってそれぞれに痛切な思いを抱え、そして彼らの関わりあいはさらに暗い結末へと向かって行きます。かといってドラマチックな作りではなく、全体のトーンは抑制されているので、見終わった後は悲しくて号泣、というよりもどーんと疲れるという感じです。ナオミ・ワッツだけはかろうじて救われているように見えますが、彼女が宿す子供はいったい誰の子供なのかしら。この映画は時間の経過がよくわからないので、そこは謎です。
そうなんです。この映画はパッチワークのようにいろいろな場面がつぎはぎされていて、特に前半はそれが細かくって何の話だかサッパリわかりません。私は雑誌の映画評なんかで話の筋を多少知っていたから推測できたものの、全く情報がなかったら相当混乱する作りじゃないのかなー。この監督の作品を見たのはこれが初めてなんですが、そういう構成はこの人の特色らしく前作もそんな感じだそうです。でもさ〜こんなに重くて深みのあるテーマだったら、もっとシンプルでストレートな編集にすればいいのに。そんなとこに変にこだわらなくても・・と思うんですが、それは好き嫌いの問題なんでしょうか。それぞれの場面でフィルムを変えたりするのは面白いと思ったし、音楽も控えめだけどいい感じだったのに・・ 前作「アモーレス・ペロス」を見たらまた見方が違ってくるかもしれない。今とても気になっているガエル君が出ているし、今度見てみよう。
映画の作りにはちょっと抵抗を感じましたが、俳優さんたちはもう力演!!です。中心となる3人(ショーン・ペン、ナオミ・ワッツ、ベニチオ・デル・トロ)はどの人も素晴らしかった。ナオミさんは地味だけど、家族を失う前後の演じ分けがすごいです(「マルホランド・ドライブ」でも2役の演じ分けをしてましたよね)。それからようやくブラピとダブらなくなったトロ様(ファンの方スミマセン・・でも好きな俳優さんです!)ですが、最後のほうで神も信じられなくなり、希望もなくただ肉体労働で暮らすその姿は、個人的に一番ハマリ役だなーと思いました。あとは愛するシャルロット・ゲンズブールがショーン・ペンの奥さん役で出てます。他の人がやったらたぶんイヤな役なんだろうけど、シャルロットがやると切ない・・相変わらず美しいお姿で出ておられます。
そしてショーン・ペンは「ミスティック・リバー」を見たとき、そらオスカーを取るわなと思いました(ビル・マーレイにも取ってもらいたかったけど不運だった・・)が、今回も熱演でした。家人は彼がマドンナの元亭主っていうのを知らなかったんです! 私はその頃のやんちゃっぷりのほうが記憶に残ってるんですけど・・今や実力派ですよね。
あとナオミさんが元旦那の写真をはさんでいた本がサム・シェパードの本だったのは、監督の趣味なのかな。サム・シェパードファンなので心に残りました。
# by poyance | 2004-11-17 19:53 | 映画
「ションヤンの酒家」(フォ・ジェンチイ、2002年、中国)
前作「山の郵便配達」がとても好きで、今回もあんなゆったりとした素朴なタッチなのかと思っていましたが、今回は都会が舞台で、主人公も女性です。おまけに一人で店を切り盛りするこの勝ち気なションヤンのまわりでは、父親との不和、弟の麻薬中毒、兄夫婦との家の取り合いなど家族の問題のうえに都市開発問題までからみ、唯一彼女の救いに見える素敵(?)な男性も実は・・と複雑な現代社会の縮図のよう。一方で映像がとても美しく、「山の・・」では陽のあたる壮大な自然の景色が見ものでしたが、今作ではションヤンが店を開く夜の、ぼやんとした明かりが照らす場面がきれいでした。また彼女が弟のいる施設に行くときにのるロープウェイが印象的で、巨大なビル群からのびた細いコードにたよりなげにぶらさがっているその小さな乗りものは、都市化の波とその裏での現実とのあいだに挟まれたションヤンの姿を象徴しているかのようでした。「ションヤンの酒家」(フォ・ジェンチイ、2002年、中国)_b0062149_12194242.jpg
前作とは正反対みたいですが、「山の・・」で主人公の青年が父親の後を継いで、車ではなく足での郵便配達を選ぶように、ションヤンも結局ずっと暮らしてきた昔ながらの街にとどまるほうを選ぶんです。ションヤン役の女優も言っていたけれど、彼女は「古風」で、そして「古風」であることをキッパリ選択している・・そんなにすんなり決められるもんかな〜とちょっと思いました。その点、同じように急速に都市化する中国で宙ぶらりんに生きる青年達を描いたジャ・ジャンクーの「青の稲妻」のほうがずっとリアルに思えました。
とはいうものの、ションヤンがすごく魅力的なんですよ。彼女のファッションとか、メイクや髪型が可愛いんです。パールのマニキュアとかしたくなっちゃいました。彼女が住んでいる家のインテリアとかも素敵だし、お店のハエよけ装置(?)までいちいち可愛いし。ションヤンと対照的なのが弟の恋人役の女の子で、おヒゲまで生やしちゃって「田舎から出てきた子」を見事に体現してます。ところで私はこれをDVDで見て、それには特典映像でションヤン役の女優さんのインタビューが入ってるんですが、その人が同一人物??と思えるくらい映画のションヤンと違うんです。メイクと髪型でああも変わってしまうのか・・。ションヤンのときのほうが素敵です。
それとアジアの映画は、出てくる食べ物がみんなおいしそう。ションヤンのお店の名物は「鴨の首」なんですが、どんな味なんだろう。そして首以外の部分はどうなっちゃってるんだろうか?? 子供が食べててションヤンが辛すぎるとケチをつけた焼きそばでさえ味が気になりました・・
# by poyance | 2004-11-16 23:22 | 映画
コンニチハ
ブログを探してここにたどり着きました。シンプルな作りにできるので気に入ってます。続けられるか不安ですが、主に映画や本や音楽の感想などをぼちぼち更新して行きます〜。
金曜日は仕事が休みだったので、3連休でした。いいお天気だったので、夏物(今頃・・)の整理をしたり、遠くの多少高級スーパーまで自転車飛ばして散財したりしてました。あとは録画してた「銭金」(スタイルがあまり変わってなくて安心! 留学生の人が優勝でよかったー)や、フィギュアスケート総集編や「Dr.コトー」(前半は流してみてたんだけど、後半は泣かされっぱなしでしたよ)を連夜見たりテレビ三昧でした。「24」もレンタル店の争奪戦をくぐりぬけて3まで見ました(ほんとにテレビ画面ばっかり見てるな・・)。映画も見ましたがその感想は後日。
本屋にいったらCutとクレアが映画特集していたので買ってみました。 Cutはアジア映画特集っていうからワクワクして見たのに、ほとんど日中韓じゃないですか。タイとかベトナムとかインドとかはアジアじゃないの〜??と思ってしまいました。ベスト20にジャ・ジャンクーの「一瞬の夢」が入っていたのはうれしかったけれど・・ クレアの方が笑かしてくれて読みごたえがありました。しっかしどちらにも韓国スターの方々のグラビアが・・お約束なの??
ところで、フィギュアスケート男子で優勝したアメリカの人、萩尾望都のマンガに出てきそうだわ〜。衣装も王子様仕様だったし、えらいウィンクや投げキッス飛ばしてたし、日本のお姉様方のハートをわしづかみ!って感じでしたね〜 ちょっと気になる人でした。
# by poyance | 2004-11-15 01:39 | 日々の記録


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