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ブラック・スワン Black Swan
b0062149_16501956.jpg監督:ダーレン・アノロフスキー
公開年、制作国:2010年、アメリカ

レンタルBDにて鑑賞。バレエ&妄想モノで主人公が不感症の娘、となると山岸凉子の漫画の世界を想像せずにはいられないし、観ているうちにその派手で時に大げさな表現のためほんとうに漫画やアニメを観ているような気分にさせられる。日本のアニメが好きだとは聴いているので、多分にその影響を受けているのだろうが、アニメ的表現を実写に持ってくると、ときにB級的な安っぽい印象を受けてしまう。途中からはそれがおかしく思えてきて、ラストの "perfect!" では思わず笑ってしまった・・ まあそういうのも監督の狙いのひとつなのかもしれないが。

また他の人の感想にも見かけたけれど、この作品ではバレエを扱っているものの、バレエ的な興味を引くことはなく、「新解釈」とされる『白鳥の湖』もいったいどこが新しいのか映画を観た限りではわからない。バレエはあくまでもメロドラマを仕立て上げるための要素としてのみ存在していて、B級感が漂うのはそのせいもあるだろう。しかしサスペンスものとしては、無駄な説明を省き、スピーディーに物語を進行させ、要所要所にこちらに刺激を与える(痛いシーンとエロティックなシーンが交互に襲来)ので、じゅうぶんに楽しめる。

いつも優等生のイメージがつきまとうナタリー・ポートマンにはニナ役はまさに適役だろう。殻を打ち破れないバレリーナとナタリー自身が重なって見える。この役でのオスカーは妥当だと思うが、殻を打ち破れたか、という点では少々疑問。ヴァンサン・カッセルは好きな俳優だが、踊り子を誘惑するこの演出家にはやや役不足かなと思った。いちばんの発見は邪悪な美しさをたたえたミラ・クニス。囲み目メイクがとてもお似合いだ。
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by poyance | 2011-10-30 17:24 | 映画
ゴーストライター The Ghost Writer
b0062149_19262485.jpg監督:ロマン・ポランスキー
公開年、制作国:2010年、フランス/ドイツ/イギリス

シネマート心斎橋にて鑑賞。社会派サスペンスものを久々に観た。派手さはないが、見応えのある大人の映画で最後までワクワクしながら観られた。最後まで観たら真相の伏線がいろいろ張ってあることがわかるのだが、まんまと騙されてパーティーあたりまで気がつきませんでした。フィクションだとされてはいるが、ところどころ実在の人物を思わせる人(ライス長官そっくりの人が・・)出てくるのもミソだ。さらにポランスキー監督が現在アメリカに入国できない状況を考えるといっそう面白く観られるだろう。アダム・ラングの隠れ家がある「アメリカ」の孤島は、ドイツで撮影されたのだそう。映画の雰囲気をもり立てている要因のひとつにあの非常にスタイリッシュな隠れ家が挙げられると思うのだが、あれは実在する建物なのだろうか。だとしたらカッコよすぎる・・

キャスティングも申し分ない。ユアン・マクレガーもこういう事件に巻き込まれる青年がはまり役だ。彼はいい意味で素人っぽさが失われてないですね。オリヴィア・ウィリアムズやトム・ウィルキンソンなどの人選も渋い。しかし何といってもピアース・ブロスナンというチョイスがうまい。何を考えてるのかわからない、いや実は中身カラッポなの?という感じの醸し出し方がすばらしかった。

とはいえ直前に観た『冬休みの情景』の強烈な余韻を拭いきれぬまま観たので、「欧米の映画って理路整然としてるなあ」としみじみ思ってしまった。
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by poyance | 2011-10-19 19:55 | 映画
冬休みの情景  Winter Vacation 寒假
b0062149_18494966.jpg監督:リー・ホンチー
公開年、制作国:2010年、中国

BSプレミアムから録画したものを鑑賞。毎年アジアフィルムフェスティバルに合わせて、アジア諸国のレアな作品を放映してくれるのを楽しみにしている。今回、ひさびさに強烈な作品を観た。建物がえんえんと映され、呪文みたいなアナウンスが流れる最初のショットからもう釘付けに。タイトルどおり、若者たちの冬休みを中心に何ということもない生活が描かれ、ぱっと見はアキ・カウリスマキや初期ジャームッシュ、あるいはデビュー時の山下敦弘の作品などを思い出させる。しかし、脱力系とはいえないような停滞した不穏な空気が常に流れていて、やはりそこは中国映画なのかなと思う。

b0062149_185081.jpg映画は決して重苦しいわけではなく、笑いを誘う場面も多い。老人と孫の会話や、白菜を買うシーンなど大好きだし、ラストも最高。しかし、後で監督のインタビューを読んでみたら、「あれは笑わせるためではなく、uneasy な気持ちにさせるためのもの」で、閉塞的な状況への絶望感が根底にあるようだ。最後に「孤児になる」と家を飛び出した少年についても、それは自由への希望ではなく、逆に結局は決して自由にはなれないことを表しているのだという。中国にはアントワーヌ・ドワネルは存在しないということなのか・・ 彼の好きな映画人はエドワード・ヤン、イ・チャンドン、そしてミヒャエル・ハネケとのことで、ベケットも愛読しているそうだから、かなり生真面目な人のように思える。

b0062149_18503328.jpg俳優は素人を多く使っているらしく、俳優らしい顔の人がほとんどいない(笑)が、かえってそれがリアルな効果を生んでいる。逆にインテリアはとてもスタイリッシュに見えるし、建物や空間のとらえ方がユニークでカッコイイ。音楽も独特で、合間合間に流れるスローな曲は耳について離れなくなる。最後になって初めて静けさを打ち破るがごとく大音量で流れる曲もすごかった。やっぱりこの監督はパンクな人なんだ。インパクトが強すぎて3回くらい映画を観直してしまった。
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by poyance | 2011-10-19 19:22 | 映画
シャッターアイランド Shutter Island
b0062149_183042100.jpg監督:マーティン・スコセッシ
公開年、制作国:2010年、アメリカ

WOWOWから録画したものを鑑賞。ずっとSFものだと勘違いしていたので、50年代という時代設定に、ん?と思いつつ観始めつつも、豪奢なセットをはじめその謎めいた重苦しい空気に包まれて最後まで面白く観られた。途中からその謎の真相はだいたい予想がついてしまうけれど、結末のつけ方が味わい深かった。幻想シーンもさすがにお金がかかっているのか美しい。大きなスクリーンで観たらさらに見応えがあるだろう。
妻を亡くしたトラウマを抱える男を演じるディカプリオは、『インセプション』とかぶるところがある(本当は制作年がこっちが先なのだが、逆の順で観たので・・)。眉間にしわをよせた顔ばっかりしているから余計そう思わせるのかもしれない(笑)。マーク・ラファロやベン・キングズレー、ミッシェル・ウィリアムズなど脇も鉄壁。エミリー・モーティマーの使われ方が新鮮だった。
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by poyance | 2011-10-19 18:47 | 映画
Chatroom/チャットルーム Chatroom
b0062149_1824355.jpg監督:中田秀夫
公開年、制作国:2010年、イギリス

WOWOWから録画したものを鑑賞。カンヌ映画祭に出品されたときから気になっていた中田秀夫のイギリス作品。ネットのチャットルームを実写化するアイデアはもう古いのかもしれないが、インテリアなど表現の仕方が面白く(このポスターにはその良さが全然反映されていない・・)、最後まで楽しんだ。ホラーではない中田作品を、今までのファンはどう受け止めるのかわからないけれど、この映画に限ってみれば悪くないと思う。
イギリスの若手俳優に詳しくないが、主役のアーロン・ジョンソンは最近注目されているみたいですね。やたらといい評判を聞く『キックアス』や、ジョン・レノンを演じた『ノーウェアボーイ』が観たくなりました。
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by poyance | 2011-10-19 18:26 | 映画
ルイーサ Luisa
b0062149_17425060.jpg監督:ゴンザロ・カルサーダ
公開年、制作国:2008年、アルゼンチン/スペイン

WOWOWから録画したものを鑑賞。物語自体に新鮮味はないものの、ルイーサのつつましやかな生活を眺めているだけで楽しかった。後半ルイーサがはじけ気味になるあたりは少しやりすぎかなと思ったけれど、無理のない結末を迎えて後味はよかった。猫さんがあまり見られなかったのが残念。ルイーサを演じるレオノール・マンソはアルゼンチンのベテラン女優だそうだが、はじけたルイーサよりも、普段の仏頂面のほうが味が出てました。
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by poyance | 2011-10-19 17:51 | 映画
ケース39 招かれざる少女 Case 39
b0062149_17295491.jpg監督:クリスティアン・アルヴァルト
公開年、制作国:2009年、アメリカ/カナダ

たまにはサスペンスもの、ということで、レニー・ゼルウィガー主演の作品をWOWOWから録画して鑑賞。その人がトラウマとして持っている恐怖心を利用する、という論理はよくわかるが、子供もののホラーとしては目新しさは感じないし、それほど怖くもない。虫のCGあたりで嘘っぽさが目についてきて、後半ダレてしまった。子役が『アリス・イン・ワンダーランド』のジョデル・フェルランドで相変わらずの芸達者なのだが、こういう役ばっかり来るようになったら可哀想だな・・ レニーの相手役は最近売れっ子のブラッドリー・クーパーと結構豪華なのに、何か全体的にショボイです。イアン・マクシェーンの濃いい顔が全体にスパイスを効かせてます。
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by poyance | 2011-10-19 17:41 | 映画
恋する宇宙 Adam
b0062149_1773662.jpg監督:マックス・メイヤー
公開年、制作国:2009年、アメリカ

WOWOWから録画したものを鑑賞。タイトルだけ見るとラブコメみたいだが、これはアスペルガー症候群を扱ったもっと繊細な作品で、ポスターのデザインや色合いなどにその雰囲気がよく表れている。この障害についてあまりよく知らないので、どの辺りまで忠実に再現されているのか定かではないが、観ていて穏やかな気持ちになれる静かな映画だった。地味だけど、最初のアダムの生活場面やアライグマのエピソードなど、こちらのツボを刺激する内容だった。

主役の二人もビッグネームではないが、チャーミングで素敵だ。アダム役のヒュー・ダンシーはクレア・デインズの旦那さんなんですね。ベスを演じたローズ・バーンのクラシックで上品な顔立ちも好きだ。あっ、この人はかつて『ホワイト・ライズ』で富田靖子みたいと思った女優さんでした・・
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by poyance | 2011-10-19 17:27 | 映画
バルタザールどこへ行く Au Hasard Balthazar
b0062149_20192856.jpg監督:ロベール・ブレッソン
公開年、制作国:1964年、フランス/スウェーデン

WOWOWでブレッソンの映画4本をハイビジョン放送したので、あらためてブルーレイで録画した。『バルタザール』は以前録画だけして未見だったので、今回鑑賞。タイトルだけ見ると、カワイイ動物の脱力系みたいだが、そこはブレッソンなので真逆の内容。無駄を省いた描き方は私も大好きなんだけれど、この作品は難解と言われるだけあり、背景や人物関係が極力説明されないので最初はつらかったが、ロバと少女の運命がどうなるのかハラハラしながら観ている間に終わってしまい、全く退屈はしなかった。ショットの構図が美しく、映像を観ているだけで嬉しくなっていた(物語そのものは悲しすぎるが・・)

b0062149_20201011.jpgアンヌ・ヴィアゼムスキーはゴダールの映画に出ていたとき変わった顔をした女優さんだなあと思っていたのだけれど、この映画ではほとんど表情を変えることがないのに、非常に印象的だ。この撮影時のことを素材にした彼女の小説も思わず買ってしまった。


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そしてバルタザール役のロバも芸達者で、中に人が入ってるのかと思うほど、意思を感じる動きをしている。悟りきったような彼の目はどのシーンでもこっちの涙を誘う。やっぱ動物モノあかんわ・・

最後に恋人どうしのような美しいショットを・・
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by poyance | 2011-10-18 20:45 | 映画
理想の結婚 An Ideal Husband
b0062149_2055120.jpg監督:オリヴァー・パーカー
公開年、制作国:1999年、イギリス

スカパーで録画したものを鑑賞。これもオスカー・ワイルドものだが今度はコメディタッチで軽やか。こちらも物語自体が面白く、もつれ合った糸がどうほどけていくのが興味津々で観たが、ラストが少々助長気味(これで終わりかな、と思う場面が3回ほど連続)なのが残念。でも物語がしっかりしているイギリスものはやっぱり好きだ。
ルパート・エヴェレットというとどうしても最初に観た『アナザー・カントリー』の陰鬱な美青年のイメージが強いのだが、遊び人の軽い男を演じたこの作品でもいい味を出していて、彼の別の長所が楽しめる(今ではカミングアウトしているので、こういう役の彼を観るのはちょっと不思議な感じがするが・・) ケイト・ブランシェットの賢い妻や、ジュリアン・ムーアの悪女(もの静かに攻めてくるところがいい)というキャスティングも秀逸。
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by poyance | 2011-10-18 20:17 | 映画


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