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ブライト・スター〜いちばん美しい恋の詩(うた)〜 Bright Star
b0062149_20562143.jpg監督:ジェーン・カンピオン
公開年、製作国:2009年、イギリス/オーストラリア

テアトル梅田にて観賞。去年のカンヌ映画祭で知ってから、ずっと公開を待ち望んでいたジェーン・カンピオンの新作をようやく観ることができた。平日上映に行ったにもかかわらずオバさま方(まあ自分もその一人なんだけれども)がひしめくほぼ満席の映画館の前から2列目、サウンドスクリーンの小さい穴が丸見えで、おまけにデジタル映像上映という少々見る気をなくす状況ではあったけれど、映画が始まってみればそんなことはどうでもよくなり、140分ほどある上映時間もほとんど感ずることなく映画の世界に浸った。


b0062149_211430.jpg隣家に居候するようになった文無しの詩人に惹かれ、それまで反発を感じていた詩の世界に目覚め、やがて彼と結ばれるが周囲からは快く思われず、ようやく婚約を認められるものの、恋人は不治の病に蝕まれている・・という物語だけ見ればいかにもというメロドラマなのだが、息をのむような美しい映像の連続で、撮り方一つでこうも印象が変わってしまうのかと思う。どのシーンを切り取っても絵になるような色彩、構図で、この監督特有のふわりとした質感も健在である。


b0062149_2115378.jpgキーツの詩作と等価に扱われているのがファニーの裁縫で、それはこの映画がファニーの運針の大写しで始まり、キーツの詩の朗読で終わるほか、キーツが詩作にふける場面と同じくらい、またはそれ以上にファニーが縫い物をしている場面が登場することなどに象徴されている。そしてその完成作であるファニーの衣装が大変すばらしい。フリルや刺繍、モチーフ編みなどで飾られたエンパイア・スタイルのドレスと、それと対照的なストイックなヘアスタイルで完璧にスタイリング(独創的な帽子がこれまたよい!)したファニーの姿は見飽きることがない。この当時のスタイルはもともと好きだったのだけれど、この映画ではその魅力がじゅうぶんに堪能できる。


b0062149_2124031.jpgキャスティングもすべて申し分なかったように思う。ファニーを演じたアビー・コーニッシュの凛とした美しさが、主人公の気の強さとマッチして本当にすばらしかった。キーツ役のベン・ウィショーは、ファニーと対照的な詩人の弱々しく優しい性格を繊細に演じて、こちらも好演。二人が初めて接吻を交わしたあとの幸福感の表現がとてもよかったなあ。この二人と一種の三角関係になり、ファニーへの嫉妬心むきだしのブラウンを演じたポール・シュナイダーもよし。そしてファニーにいつも従順に従う弟妹たちも可愛い。弟役は「ナニー・マクフィー」に出ていたトーマス・サングスター君で、彼の顔立ちがとても好きだ。これからの成長が楽しみ。それから白黒の大きな猫さんが登場して実にいい味を出してます。
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by poyance | 2010-06-13 21:10 | 映画
リリィ、はちみつ色の秘密 The Secret Life of Bees
b0062149_20511150.jpg監督:ジーナ・プリンス=バイスウッド
公開年、製作国:2008年、アメリカ

WOWOWから録画したものを観賞。原題が『ミツバチたちの秘密の生活』だし、少女、養蜂とくると、これまたヴィクトル・エリセの『ミツバチのささやき』(たしか原題は『蜂の巣の秘密』)を思い出すのだが、こちらは親子や家族の関係について、当時の黒人差別の問題をからめて描いたもので、よりエモーショナルな作品である。内容的にはヘヴィーで悲しい事柄が多いのだけれども、それを大げさに、ベタベタした感じではなく、静かで優しいタッチで綴っているので、観ていて心地がよかった。映像の色使いや上品で可愛らしい衣装を観ているのも楽しい。

成長したダコタ・ファニングちゃんは、相変わらず青白くて怯えたような表情の少女で、こういう不幸な役があまりにもはまってしまって、これからもこういう役ばかりあてがわれるのではないかとこちらが心配してしまう。そして彼女の父親役にポール・ベタニーを持ってくるところがいいなあと思う。黒人女優たちは皆魅力的であり、アリシア・キーズの冷たい美しさにもほれぼれするが、やはり繊細な妹を演じたソフィー・オコネドーがいちばん印象的だった。そして、リリィとちょっといい仲になるザック役に『新ビバリーヒルズ』のディクソン、トリスタン・ワイルズが出てます。
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by poyance | 2010-06-13 20:53 | 映画
水の中のつぼみ Naissance des Pieuvres
b0062149_19304656.jpg監督:セリーヌ・シアマ
公開年、製作国:2007年、フランス

WOWOWから録画したものを観賞。フランスの少女ものでプールが出てきて・・というとまず『なまいきシャルロット』を思い浮かべるが、この作品では大人はほとんど出てこず、少年少女たちの閉ざされた空間のなかで、友情とも恋ともいえない曖昧な関係が繰り広げられるのであり、『なまいき』のような野暮ったい可愛さなどはなく、都会的で陰湿な映画である。原題は『蛸の誕生』であり、こちらのほうが映画の質感をうまく言い表している。しかし主人公マリーが憧れる美少女フロリアーヌに、ルックス的にも性格的にもあまり魅力を感じなかったのと、主人公がいつも一緒につるんでいる少女アンヌががさつすぎて生理的にダメだったので、楽しめなかった。

唯一主人公を演じるポーリーヌ・アキュアールの、暗い表情と少年のようなスレンダーな肢体が印象的だった。
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by poyance | 2010-06-13 19:32 | 映画
第9地区 District 9
b0062149_19234695.jpg監督:ニール・ブロンカンプ
公開年、製作国:2009年、アメリカ/ニュージーランド

なんばパークスシネマにて観賞。実は『アリス』を観た後、時間をもてあまし結局映画館のハシゴをしてこの映画を観たのだった。最初はドキュメンタリーのパロディーかと思って観ていたら、次第にグロテスクな殺戮劇へと変貌していったのであり、予想していた内容とは大きく異なり結構疲れた。ラブリーなカップルの初デートにはあまりおすすめできない映画である。

ピーター・ジャクソン製作で意外と面白い、くらいの情報しか事前に持ち合わせていなかったので、ヨハネスブルグが舞台というのが珍しく俳優もあまり見慣れぬ人が多いなと思っていたら、南アフリカ出身の映画で監督もこれが初の大作だった。低予算(とは言っても邦画の予算と比べたら雲泥の差であるが)を感じさせず、飽きさせずぐいぐい観客を引っ張る腕力は新鮮である。が、これを書いているその約1か月である現在になってみると、あの「エビ」の子どもが意外と可愛かったなあ程度で後に残っているものがあまりない。純粋に娯楽映画として楽しめればいいのかもしれないけれど。

シャールト・コプリーが演じた主役ヴィカスの、場当たり的で根っからいい性格でもなければ悪い性格でもない、という感じがリアルでよかった。
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by poyance | 2010-06-13 19:27 | 映画


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