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悪い男(キム・ギドク、2001年、韓国)
b0062149_22253926.jpgスカパー(シネフィル・イマジカ)から録画したものを参照。街で見かけた女子大生ソナ(ソ・ウォン)に目が釘付けになったヤクザのハンギ(チェ・ジェヒョン)は、無理矢理ソナの唇を奪ったために激しく拒絶される。その後、本屋で置き引きをしてつかまったソナは、金を返すために売春宿へ連れてこられるが、それはすべてハンギが仕組んだことだった・・

「受取人不明」から連続してキム・ギドク作品を鑑賞しました。今回は冒頭から話が極端で笑ってしまいました・・ 街でたまたま見た可愛い女の子を穴があくほど見つめたうえ、その子の彼氏の前で強引にキスって・・ ハンギもハンギだし、ソナも見た目はお嬢様なのに、本屋で売られている画集を破り取ったり、不自然に置き忘れられた財布を平気で失敬したりするし、二人の性格設定に無理がありすぎるように感じました。さんざんな仕打ちをされたソナがハンギと離れられなくなる、という話の展開もロマンティックとはとうてい思えず、単なる男の幻想にしか見えません。演出も過剰気味で、無口なハンギが唯一叫ぶ場面も、彼が哀れに見える、というよりこのシーンがあまりに唐突で笑うしかない・・という感じでした。

ハンギの人物像や、ハンギとその子分といったヤクザの描き方、また音楽の使い方などに、「ソナチネ」あたりの北野武の影響を感じます。最近の作品ではないですが、この当時の作品は、北野作品に相当インスパイアされているのではないでしょうか。

ハンギ役のチェ・ジェヒョンは「受取人不明」で犬商人をやっていた人です。目ヂカラがすごくて、ハンギ役はうってつけでした。彼のために作られた映画、といってもいいように思います。
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by poyance | 2009-03-19 22:22 | 映画
受取人不明(キム・ギドク、2001年、韓国)
b0062149_20562270.jpgスカパー(シネフィル・イマジカ)から録画したものを鑑賞。韓米ハーフのチャングク(ヤン・ドングン)はアメリカへ帰って音沙汰のない黒人米兵の父親へ手紙を出し続ける母親をうとましく思っている。唯一の友人のジフム(キム・ヨンミン)は気が弱く、アメリカかぶれの二人組にいつもカツアゲされている。ジフムがひそかに思っているウノク(パン・ミンジョン)は幼い頃兄から受けた傷で片目が見えないのがコンプレックスで、米軍病院で手術を受けたいと思っているが、そんな彼女に駐在米兵のジェイムズ(ミッチ・マーラム)が近づく・・

どこか気になるキム・ギドク監督の初期作品がスカパーで放送されたので、録画して観ました。最近のビビッドな映像と違って、曇り空のような薄暗い色調で、そこに若者3人の暗い青春潭が展開されます。表向きは駐留アメリカ軍の功罪を訴える内容に見えますが、結局は他人に対する劣等感や恨みつらみといった人間の根源的な重苦しい部分が描かれているのであり、それが次第に頭をもたげて最後に噴出する、というところは阿部和重の小説を思い出させます。そういったコンプレックスやルサンチマンにとらわれていない唯一の人物がチャングクの母親ですが、その彼女が村八分の存在であり、息子にすら怒りをぶつけられているというのが悲しい。

そんなふうに暗い映画なのに、この作品はなぜか笑える部分があり、そのあたりは今まで観たキム・ギドク作品に通ずるものがありました。過剰な演出によるものが多いんですが、それは狙ってやっているのか、天然なのか。この監督の不思議な一面です。

チャングク役のヤン・ドングンはハーフに見えない(顔と首の色が違う、などメイクの手抜きなどもあったり)のが難ですが、憎しみを全身から滲ませているところは凄みがあります。ウノク役のパン・ミンジョンはウノクの性格も含め強烈な存在感があって印象に残りました。

ところで、この映画ではワンちゃんたちが人間の思うように利用されていて、それを見ているのがツライです・・
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by poyance | 2009-03-17 20:54 | 映画
チェンジリング(クリント・イーストウッド、2008年、アメリカ)
b0062149_20291088.jpgFBNに投稿してきました。なんばパークスのシネコンで鑑賞。平日の第1回目上演でしたが、レディースデーだったこともあってか、またしてもチケットカウンターは長蛇の列、会場内はおばさまだらけ(これはアンジェリーナ効果か? トイレ争奪戦も大変)。これも2時間40分という大作でしたが、長さは感じませんでした。

前半と後半でトーンが変わるのは「ミリオンダラー・ベイビー」と似ていますが、こちらのほうが面白く見られたし、好きです。イーストウッド作品は犯罪がらみのものを淡々と撮っているほうが実は好きで、ちなみに今まで観た彼の作品(そんなに観てないけれど)のなかでいちばん好きなのは「ブラッド・ワーク」だったりします。

最近の彼は、老いてますます活動的で、質の高い映画を次々作っていますね〜。次回作の「グラン・トリノ」もよさそうだし、こちらも観るのが楽しみです。
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by poyance | 2009-03-16 20:37 | 映画
リード・マイ・リップス(ジャック・オディアール、2001年、フランス)
b0062149_2114790.jpgスカパー(シネフィル・イマジカ)から録画したものを鑑賞。秘書として会社で働く難聴のカルラ(エマニュエル・ドゥヴォス)は、同僚から心ない仕打ちを受けていたが、社長の助言で、助手としてポール(ヴァンサン・カッセル)を雇う。ポールが刑務所上がりでまだ保護観察中の身を偽っていることを知ったカルラは、仕事を横取りされた同僚に仕返ししようと彼を利用する・・

FBNで以前これについての投稿があって気になっていたのですが、スカパーで放送されたので観ることができました。ポールもカルラも互いを自分のために利用しあうし、いい人間に描かれていないけれど、なぜか憎めないのは、二人とも自分の居場所に生き残るのに必死だからでしょうか。特にカルラに関して、難聴を単に同情を引く要素とせずに、難聴がゆえ習得した読唇術をこっそり使っていたり、ポールより頭が切れていつも一枚上手だったりと、したたかな女に描いているのが面白かったです。撮影も美しく、最初のカルラの登場シーンがとてもよかった。

「アメリ」のオドレイ・トトゥを差し置いてセザールの主演女優賞を受賞したエマニュエル・ドゥヴォスが秀逸です。彼女の地味目なOLファッションも好きでした。ヴァンサン・カッセルはこういう感じの役はあまり見たことがなかったのだけれど、カルラを利用しようとして逆に押されっぱなしのポールをうまく演じていて、演技の幅を感じます。

テンポのよい脚本は誰かと思ったら、トニーノ・ブナキスタでした。彼の小説は饒舌すぎて苦手でしたが、脚本家として優秀なのではないでしょうか。ブナキスタ&オディアールは「真夜中のピアニスト」も手がけていて、こちらは録画してあるのでいずれ観ようと思います。
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by poyance | 2009-03-12 21:01 | 映画
全然大丈夫(藤田容介、2007年、日本)
b0062149_22153954.jpgWOWOWから録画したものを鑑賞。ホラー好きで人を脅かすのが大好きな照男(荒川良々)は、古本屋の父親(蟹江敬三)と二人暮らしだが、その父親は最近元気がない。照男の友人で、誰にでも愛想のよい久信(岡田義徳)は、自分の働く清掃会社に入ってきたひどく不器用なあかり(木村佳乃)が気になっている・・

ユルい系の映画で、登場人物のキャラがちょっと極端な気もしますが、ふざけすぎているわけでもなく、かといって結局よくありがちな「自分探し」の話に落ち着くわけでもない、不思議なテイストの映画です。邦画は時として、登場人物の感情を吐露させたり、説明的なセリフが多かったりするのが気になるのですが、セリフに関しては終始ミニマムに徹していたところに好感を持ちました。新しさとかは感じなかったけれども・・

まずは荒川良々が主演というのがよく、彼のキャラが活かされた人物設定でした(ちょっといい人すぎるかも?)。ただ木村佳乃はあまり不器用に見えないので、あかりの数々の失敗が少々わざとらしく見えます。個人的には中心の3人よりも、脇役の田中直樹(この人の俳優としてのたたずまいが好き)、根岸季衣、きたろうなどの方が光って見えました。それから鳥居みゆきさんがほぼスッピンな姿で登場していたのに驚きです。

この映画を観ようと思ったのは、アメリカ人(?)による日本映画専門サイトで、そこのライターが選んだ08年度ベスト映画のなかに、この作品が結構選ばれていたからです(ワースト1位に「おくりびと」を選んでた人もおりました)。アメリカンでもこういうテイストが好きな人がいるんだ〜。
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by poyance | 2009-03-11 22:14 | 映画
ブリジット・ジョーンズの日記 きれそうなわたしの12か月(ビーバン・キドロン、2004年、アメリカ)
b0062149_20463296.jpgWOWOWから録画したものを鑑賞。ダーシー(コリン・ファース)としあわせな日々を送るブリジット(レニー・ゼルウィガー)だが、彼のそばで働くレベッカ(ジャシンダ・バレット)との仲を次第に勘ぐるようになる。そのことでついに大ゲンカした彼女は、旅行番組の案内役でクリーヴァー(ヒュー・グラント)とコンビを組むことになる・・

連続放映されたブリジットもの第2弾を続けて鑑賞。ふつうシリーズ2作目は駄作になることが多いのだけれど、ハチャメチャ感がわりと楽しく観られました。話はまあありきたりな痴話喧嘩で、ブリジットは相変わらずなんでこうモテるのかよくわかりませんが、テンポのよい脚本がよかったのか退屈することはありません。前作同様疲れたときに観るといい感じです。

レニーは前作よりもさらにお肉をつけたそうで、ぷよぷよです。コリン&ヒューの黄金コンビは今回も絶妙。しかし、コリン・ファースが英国ではセクシー男の代名詞であるという事実にまだ慣れない・・
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by poyance | 2009-03-10 20:43 | 映画
ブリジット・ジョーンズの日記(シャロン・マグアイア、2001年、アメリカ/イギリス)
b0062149_20435634.jpgWOWOWから録画したものを鑑賞。出版社に勤めるブリジット・ジョーンズ(レニー・ゼルウィガー)はプレイボーイの上司クリーヴァー(ヒュー・グラント)が気になっている。一方で両親が開いたパーティーで愛想の悪い弁護士のダーシー(コリン・ファース)に紹介される・・

「ちょっと観たいが借りるまでもない」映画の筆頭に上がっていた作品が放映されたので、ようやく観ました。コリン・ファースの役名がダーシー、ということから分かるようにこれはジェイン・オースティンの『高慢と偏見』が下敷きになっていて、クリーヴァーはさしずめウィッカムでしょうか。けれどもエリザベスにあたるはずのブリジットは、頭悪いし、下品な感じでエリザベスとはほど遠い性格に思えます。そもそもブリジットがなぜみんなに好かれるのか? 酒とタバコ好きで太め、日記に書かれた本音があけすけというような点で、オヤジな女性が共感を持つ(私にも共感を覚える部分はあります)、というのはわからなくはないですが、ダーシーがなぜブリジットに惹かれるのか、描写不足に思いました。ブリジットは異性にモテモテだし、これ全然負け犬映画じゃないよね〜。

レニー・ゼルウィガーは相変わらず可愛いのか不細工なのかよくわからないですが、声はいつもながらキュートです。ヒュー・グラントのハンサムなダメ男とコリン・ファースの感情表現が苦手な男、というイメージ通りのキャスティングは文句がありませんし、2人を観てるだけで満足できます(ケンカシーンが笑える)。不満なのはブリジットの父親役にせっかくジム・ブロードベントを配しているのに、エリザベスの父親みたく皮肉たっぷりのセリフをいっぱいあてがってほしかった、ということでしょうか。『高慢と偏見』でいちばん好きなキャラなのに〜。
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by poyance | 2009-03-09 20:42 | 映画
ザ・マジックアワー(三谷幸喜、2008年、日本)
b0062149_1952351.jpgレンタルDVDにて鑑賞。ボス(西田敏行)の女マリ(深津絵里)に手を出した備後(妻夫木聡)は、殺されるのを免れるがために、ボスの憧れている伝説の殺し屋デラ富樫を連れてくると約束する。もちろん殺し屋を知る由もない彼は、売れない俳優村田(佐藤浩市)を映画の撮影と騙して殺し屋を演じさせる・・

題名から手品師の映画だとずっと思い込んでいたので(笑)、かえって新鮮に見られました。いつもどおりの三谷作品で、騙されたボスと俳優のやりとり(ナイフのシーンは最高)など、作り込まれた脚本には隙がありません。しかしやっぱり彼の作品は「演劇」色が濃いいです。一応「映画」をテーマにした作品(往年の映画へのオマージュも随所に見られる)なんですけれども、結局のところ「お芝居」がメインな話になるわけですから。的を得たキャスティングのおかげで退屈する事はありませんが。

コメディでの佐藤浩市、というのはあまり見たことがなかったのですが、違う面が見られて面白かったし、やっぱりうまい俳優さんだなと思いました。寺島進や小日向文世、戸田恵子(三谷さん、ホント好きですねこの人)といった脇も効いてます。カメオ出演でも有名どころがたくさん出てくるので、それを見ているのも楽しいです。
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by poyance | 2009-03-08 20:24 | 映画


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