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イースタン・プロミス(デヴィッド・クローネンバーグ、2007年、イギリス/カナダ/アメリカ)
b0062149_3101388.jpg先ほどFRENCH BLOOM NETに投稿してきました。作品の出来としては前作「ヒストリー・オブ・バイオレンス」のほうがよかったと思いますが、ヴィゴ・モーテンセンの魅力(衣装はアルマーニだそうで、それがまたキマっている)とヴァンサン・カッセルのやらしさ加減を十分堪能できる映画です。ナオミ・ワッツは前作のマリア・ベロと路線的には同じ女優だと思うのですが、彼女が登場するとすごくドラマ的なものを感じてしまいます。マリア・ベロのほうが自然な存在感だったし、それも前作のほうがよかったと思える一因かもしれません。

映画館には「ロード・オブ・リング」のアラゴルン役のヴィゴ様!目当てで来ておられるとおぼしきオバサマ方がいらしたのですが、舌でタバコを消し、表情一つ変えずに死体の指を切り取るヴィゴ様を見てどうお思いになったのか、聞いてみたいです。
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by poyance | 2008-06-28 03:09 | 映画
読書記録 エッセイばやり
小説を読む気力が次第になくなってきて、このごろはエッセイに手が伸びることが多くなっています。

『大使たち』(ヘンリー・ジェイムズ)岩波文庫
『ダブリンの人びと』(ジェイムズ・ジョイス)ちくま文庫

前回の投稿のときに入れ忘れていたものを2点。『大使たち』はこれまで読んだヘンリー・ジェイムズの長編でもっとも読みづらかったです。内容は面白いのだけれども、「書かれていないこと」を推察するのが難解でした。それに訳文が苦手です。どうもこの訳者の文章は性に合わない(でもこの人のが多いのが難)。行方昭夫さんの訳で読みたいなあ・・ ジョイスは読んでいるとアイルランドの町や人びとの姿が目に浮かんでくるようです。『ユリシーズ』(それも柳瀬氏の派手な訳)のイメージが強いのでこういう地味な作品に触れると何だか安心します。


b0062149_213274.jpg『映画の頭脳破壊』(中原昌也、文藝春秋)
『シネマの記憶喪失』(阿部和重、中原昌也、文藝春秋)

映画好きの作家が最近の作品をネタにした対談集。この人の映画の趣味はわりと自分と合うので面白く読みました。K・ナイト・シャマランやウェス・アンダーソンを高く評価しているところや「ゾディアック」でフィンチャーを見直したとか言ってるところなどそうそうと思いながら読んでました。蓮見さんを交えてのクリント・イーストウッド談義や「宇宙戦争」以降のスピルバーグの再評価も楽しかった。



b0062149_21485729.jpg『味と映画の歳時記』
『むかしの味』
『散歩のとき何か食べたくなって』(新潮文庫)
『映画を食べる』(河出文庫)
『食卓のつぶやき』(朝日文庫)
『ル・パスタン』(文春文庫)
『よい匂いのする一夜』
『作家の四季』(講談社文庫)以上、池波正太郎
『あの日、鬼平先生は何を食べたか 池波正太郎フランス旅日記』
(佐藤隆介、NHK出版)

急に池波正太郎のエッセイが読みたくなり、一挙に読書。食べ物の話もいいのだけれど、映画や旅に関するものも楽しいです。時代劇の人、という印象が強いですがフランス映画にも詳しいし、フランスも何度も旅行しているフランス好きです(その旅行のときの様子は佐藤氏の本に書かれているのですが、大金をポンと彼に渡したきり道中の切り盛りは彼にまかせるという豪快ぶり)。モダンな感覚も備えていて、ジャームッシュの初期作品をいたく気に入っていたというのが面白い。「ブロークン・フラワーズ」の感想も聞いてみたかった・・


『案外、買い物好き』(村上龍、幻冬舎)

いつも行っている銀行に置いてある雑誌に連載されていて、待ち時間に楽しく読んでいた村上氏の買い物エッセイが単行本化。彼も買うときは一挙に買うのがすごい。イタリアでシャツやTシャツを買い込んでウン十万って、そらみんな驚きます。とはいえそれらを着た姿を拝見する機会もなく残念。中田英寿の応援に行ってイタリアで買い物に目覚めたというけれど、ヒデ引退の後はどこで買い物をしているのだろう。



b0062149_21555288.jpg『イギリスはおいしい』
『イギリスは愉快だ』
『イギリスはおいしい2』
『リンボウ先生 イギリスへ帰る』(林望、文春文庫)

この人のエッセイも手が伸びかけてやめて、の連続だったのですが、ついに読みました。ずっと英文学者の方だと思っていたのだけれど、国文学の先生だったのですね。なるほど文章もそんな感じがします。生真面目ななかに独特のユーモアがあり、特に最初の2作はとても面白かったです。イギリス行きたいな・・



b0062149_2225570.jpg『シネマ坊主3』(松本人志、日経BP社)

出ないのかなと思いながら前2作を読み返していた矢先に3が出ました。連載中に自分の映画も公開されたとあって、自作の採点もしています。あいかわらず映画の見方はとてもまともで、特にストーリーに対するツッコミは鋭い。目下監督第2作めを企画中らしいですが、どんな作品になるかまったく見当がつきませんね・・






b0062149_2265578.jpg『ヨーロッパ退屈日記』
『女たちよ!』
『再び女たちよ!』(伊丹十三、新潮文庫)

最後は伊丹十三のエッセイ。文章は大変キザで皮肉たっぷりなのに、イヤミはあまり感じられず粋で魅力的なエッセイでした。恥ずかしながら、彼がグラフィック・デザイナーでもあったとか、単独でヨーロッパに渡り、欧米の映画に出演していたとか全く知りませんでした。『退屈日記』が書かれたのは50年近く前なのにとても新鮮で少しも古くささを感じません。靴を買いにイギリスからイタリアまで車を飛ばすなど、彼も相当な豪傑です。自分で描いた表紙や挿絵もすばらしい。

エッセイのなかに「正しい目玉焼きの食べ方」というのがあるのですが、これを読んでいたら森田芳光の「家族ゲーム」で、父親役の伊丹さんが堅焼きになってしまった目玉焼きを見て「チュルチュルできないじゃないか!」と言っていたシーンを思い出しました。私は映画監督よりも俳優としての伊丹十三が好きで、「峠の群像」の吉良上野介だとか、ジョージ・チャキリスがラフカディオ・ハーンを演じた「日本の面影」でハーンが赴任した学校の先生だとか、市川崑の「我輩は猫である」の迷亭さんだとか、思い出深い役柄が今でも浮かんできます。もし自分が映画監督だったら、絶対内田百閒の「山高帽子」を映画化したくて、主人公の青地役は伊丹さんにやってもらいたいなあとずっと思っていました。
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by poyance | 2008-06-20 21:10 |
恐怖の報酬(アンリ=ジョルジュ・クルーゾー、1953年、フランス)
b0062149_20271148.jpgスカパー(シネフィル・イマジカ)から録画したものを鑑賞。中南米のとある町で職にあぶれたフランスからの流れ者マリオ(イヴ・モンタン)は、高額の報酬に惹かれて、ルイジ(フォルコ・ルリ)、ビンバ(ペーター・ヴァン・アイク)、そして同じくフランスから来たジョー(シャルル・ヴァネル)らと、油田の大火災を消すため、大量のニトログリセリンをトラックで運ぶ危険な仕事を勝ち取るが、その道中は難関の連続だった・・

このところカンヌ映画祭やユーロ2008などを観ていたので、映画1本に費やす余裕がなかったのですが、長い間ハードディスクに入れっぱなしだったこの作品をようやく観ました。2時間30分という長丁場で、トラックがスタートするまでがちょっとダレるのだけど、中盤からはスリルが次から次へとやってきて最後まで緊張感漂う構成でした。この当時 CG もないわけだからほとんどが実写なのでしょうが、安っぽく見えることは全くありません。特にボロボロの足場を使ってカーブを切る場面や終盤の原油の沼を渡るシーンなどは手に汗を握ります。全身原油まみれで真っ黒になるマリオとジョーの姿は、モノクロ映画とはいえ相当のインパクトがありました。

派手な演出に走ることもないのに、大岩を爆破しようとするビンバを待つ3人の描写や、ルイジとビンバの最後(有名なタバコの葉が吹き飛ぶシーン)など、あっさりしているけれど印象深い場面が数多くありました。今から50年以上まえにすでにこのような映画が作られていた、ということがすごいですね。

金に飢えた4人の男たちの人間臭い描き方もなかなかでした。都会的なイメージが強かったイヴ・モンタンがこんなに泥臭いギラギラした男が似合うとは驚きです。主役だけれど「根っからの善人」に描かないところがいいです。そして兄貴風を吹かせていたジョーがトラックが走り出すと臆病者になる(それもものすごいヘタレっぷり)変わりようも意外な展開で面白かったです。
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by poyance | 2008-06-19 20:53 | 映画


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