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<   2008年 04月 ( 7 )   > この月の画像一覧
ひかりのまち(マイケル・ウィンターボトム、1999年、イギリス)
b0062149_221424.jpgスカパー(シネフィル・イマジカ)で録画したものを鑑賞。カフェで働くナディア(ジーナ・マッキー)を中心に、その姉妹たち、両親、および行方不明の長男を描く群像劇。

荒削りな映像で素人が撮影したドキュメンタリー風の仕立てになっているのだけれど、ところどころで妙に盛り上がる(同時にマイケル・ナイマンの音楽がクローズアップされる)場面が意図的に感じられ、逆にリアリティに欠け中途半端に見えます。救いようのない家族それぞれのエピソードを並べたうえで、妹の出産をクライマックスに持ってきて「でも一抹の希望が・・」というのもありきたりに思えます。公開当時の99年なら新鮮に感じたかもしれないですが。この監督は好きか嫌いか微妙な位置にいたのですが、今回この作品を観て、根本的には苦手な人かなと思います。

フランクリンのエピソードだけ、ナディアの家族とは直接関係がないのになぜ出てくるのかと疑問に感じていたんですが、最後のシーンを観たら「将来家族になるかもしれない人」として登場してきたのかなと思えてきて、そこはいい終わり方だなと思いました。

配役は地味ながら悪くはなかったです。ナディア役のジーナ・マッキーの憎めないキャラクターが好きです。個性的なヘアスタイルやファッションも似合っています。デビー役のシャーリー・ヘンダーソンは素でやってるのかという自然さでした。くたびれたお父さん役のジャック・シェパードもなにげに印象的でした。

ちなみに、今回はフランス版のポスターを貼ってみました。原題は「不思議の国のアリス」とかけてあるのに、邦題はまったくそれが活かされていませんね・・
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by poyance | 2008-04-28 02:24 | 映画
アートスクール・コンフィデンシャル(テリー・ツワイゴフ、2006年、アメリカ)
b0062149_1434733.jpgWOWOWから録画したものを鑑賞。世界的な画家をめざしてアートスクールに入ったジェローム(マックス・ミンゲラ)は、周囲から認めてもらえず、意中の女の子オードリー(ソフィア・マイルズ)を振り向かせようと数々の作風を試みるが、なかなか相手にされない。一方で学校では未解決の連続殺人事件が起きていた・・

「ゴーストワールド」の監督が同じ原作者の作品を映画化とあって、期待してみたのですが前者ほどの新鮮さは感じられませんでした。「ゴーストワールド」のイーニドは負け犬キャラでも可愛らしくて好きだったのに、ジェロームは妙に自信過剰でひとりよがりの性格が好きになれません。アートの世界を皮肉ったブラックな終わり方というのはわかるのだけれど、なぜ周囲がジェロームをあそこまで持ち上げるのか、オードリーの心変わりもよくわからず消化不良でした。

ジェローム役のマックス・ミンゲラはアンソニー・ミンゲラ監督の息子だそうですが、冴えない男の子、という役柄にはあっていたと思います。この映画はジョン・マルゴヴィッチ、アンジェリカ・ヒューストン、スティーヴ・ブシェミと脇役が豪華ですが、なかでもジム・ブロードベントが圧迫感ある役で印象的でした。
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by poyance | 2008-04-28 01:59 | 映画
レイジング・ケイン(ブライアン・デ・パルマ、1992年、アメリカ)
b0062149_20421030.jpgスカパー(シネフィル・イマジカ)を録画したものを鑑賞。児童心理学者カーター(ジョン・リスゴー)は自分の娘に異常な執着心を見せるが、双子の弟と父親(ジョン・リスゴー三役)に指図されてついには他人の子供を誘拐してしまう。カーターの妻で女医のジェニー(ロリータ・ダヴィドヴィッチ)はかつての患者の夫ジャック(スティーヴン・バウアー)と公園で関係を持ってしまうが、それを誰かに見られたと感じている・・

主人公の途中での交代、多重人格者、池に車を沈めるシーンなど、「サイコ」へのオマージュが随所に感じられる作品です。それでいてB級感が思いっきり漂っているのは、この監督も「バカバカしいことを真面目にやってる」部類に入るからでしょうか。ワルドハイム教授(「ER」のカーター先生のお祖母さん役だったフランシス・スターンハーゲン)のカツラの扱いとか、終盤に向けて笑いがこみあげてくるシーンが増えてきます。そしてクライマックスのスローモーション場面は、「シベリア超特急」に通ずるものを感じてついに吹き出してしまった。監督が好きなようにやっているその自由さが伝わってきて小品ながら面白かったです。

ジョン・リスゴーは「ガープの世界」の看護師のイメージが強烈にあるのですが、今回も女装を披露してくれて、何だか安心しました(笑)。それから「ビバリーヒルズ高校白書」のアンドレア、ガブリエラ・カーテリスがチョイ役(はすっぱな女の子)で出ています。
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by poyance | 2008-04-20 21:00 | 映画
ダージリン急行(ウェス・アンダーソン、2007年、アメリカ)
b0062149_20171535.jpgシネリーブル梅田にて鑑賞。長男フランシス(オーウェン・ウィルソン)の発案で、父親の死後久々にインドで顔を合わせたホイットマン家の三兄弟。フランシスの仕切りのもとで「ダージリン急行」に乗りこんだものの、兄の強引さに次男ピーター(エイドリアン・ブロディ)も三男ジャック(ジェイソン・シュワルツマン)も次第にフラストレーションをためていく。「心の旅」と称されて目的もわからず列車に乗り込んだピーターとジャックだが、実は彼らは行方不明だった母親(アンジェリカ・ヒューストン)のもとへ向かっているのだった・・

「ライフ・アクアティック」がちょっと物足りない出来だったので、今回不安を抱きながら映画館へ行ったのですが、予想以上によかった! デビュー作の「天才マックス」は見ていないのでそれをのぞけば、今までの中で最高傑作です。とくに本編(*1参照)の最初のシーンが秀逸です。ビル・マーレイの使い方が非常に贅沢で、このシーンを観ただけで家人はエイドリアン・ブロディのファンになったそうです。そのほかカメラワークも面白いものが多かったし、色使いもとても美しい。これはインドという国のなせる技なのか。

物語的には今作がいちばんまとまっておらず(*1)、グダグダしたところもあるから万人向けではないかもしれません(現に映画館で私の横で観ていた女性は大いびきをかいていた・・ 劇場からぜんぜん笑い声も聞こえなかったし・・ オーウェンの登場シーンとか遺産をめぐるいざこざとか大笑いしそうになったのに・・)。だけど今回が最もアイデアにあふれて自由に作っている気がします。うまくまとめあげる、というよりもいろいろと横にはみ出た部分を抱えているほうが、この監督らしいように思います。

キャスティングも絶妙でした。ウェス・アンダーソン組とも言うべきいつもの人たちもよいし、エイドリアン・ブロディがそこにうまくはまっている。常々彼はこういうオフ・ビートものが似合いそうだと思っていたので、嬉しい発見です。それからナタリー・ポートマンもとても魅力的でした。個人的にはそう好きでもない女優さんなんだけれども、今回はそのジーン・セバーグみたいな出で立ちともどもよかったです。

ところでホイットマン家特注の革製品シリーズがみなカワイイ。マーク・ジェイコブズとルイ・ヴィトンとのコラボらしいです。ヴィトンに興味ないけどあれは欲しいな〜。

*1 冒頭に短編を配し、終盤に短編映画的な過去の回想シーンなどが挿入されている。冒頭の短編は「パリ・ジュテーム」に入っててもいいような素敵な仕上がりです。
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by poyance | 2008-04-12 20:46 | 映画
ブラックブック(ポール・ヴァーホーヴェン、2006年、オランダ/ドイツ/イギリス/ベルギー)
b0062149_20315170.jpgWOWOWから録画したものを鑑賞。レジスタンスになりすましたナチ将校に家族を射殺され、一人生き残ったユダヤ人の娘ラヘル(カリス・ファン・ハウテン)は、彼女を救ってくれた抵抗組織の人々と活動をともにする。エリスと名を変えたラヘルは諜報部の将校ムンツェ(セバスチャン・コッホ)に近づき、ナチ陣営に盗聴器をしかける・・・

「ショーガール」を観てからあの独特の雰囲気が頭から離れず、キネ旬の昨年度ベストテンに入っていたヴァーホーヴェン作品を鑑賞しました。2時間半という長丁場にもかかわらず、物語の展開が早く凝縮された感じがします。「繊細」とか「気品」という感想はお世辞にも出てこないんだけれど、どうしてこうこちらの興味をグイグイ引き寄せるのがうまいのか。あれこれやりたいことをできるかぎり詰め込んで、観客へのサービスも満点(過剰ともいえる)です。その頂点がラヘルが汚物を浴びるシーンでしょうか・・ だからといって下品な雰囲気もしないのが不思議です。そこが「バカバカしいことを真面目にやっている」というこの監督の魅力なんでしょうか。

ラヘル役のカリス・ファン・ハウテンはそこまでやるか、というくらい体当たり演技で、「ショーガール」のエリザベス・バークレイにも感じたことですが、演技自体は大味でそううまいとも思えないのに、その女っぷりのよさが画面に大きな存在感を与えています。あの最後のチョコレートをむさぼり食う場面は、「タイタニック」でケイト・ウィンスレットが笛を吹きまくるシーンみたいに、切羽詰まった場面なはずなのになぜか笑えてしまった・・ ムンツェ役のセバスチャン・コッホは「善き人のためのソナタ」のイメージが強かったので、ナチ将校として登場したときはショックでしたが、なるほどと思わせる配役でした。
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by poyance | 2008-04-08 20:58 | 映画
久々の読書記録
前の投稿から半年以上たってしまい、何をどの順に読んだかもうろ覚えです。映画と違って本の感想はまとめづらくて書くのがおっくうになってしまうのです・・ 記憶を辿ってみると、案外読んだ冊数が少ない。途中で挫折したものを入れるとこの倍くらいは読んでいると思うのですが、それにしても勉強不足ですな・・ とりあえず思い起こせるもののタイトルだけは記しておきます。

b0062149_2045848.jpg『澁澤龍彦との日々』(澁澤龍子、白水社)

シブサワさんは、本当は読んどいたほうがいいと思うんだけれども、なぜか触手がのびない人なのです。しかし、この奥様の書いた本はちょっと気になって、横道からのシブサワ入門してみました。それにしても龍子さん、きれいです。



『吉屋信子 父の果/未知の月日』(みすず書房)
『自伝的女流文壇史』(吉屋信子、中公文庫)

少女小説で有名な作家ですが、このみすずの短編集はそれとは違った趣の作品が集めてあって興味深かったです。『自伝的〜』は自分と何らか交流があった女性作家についてのエッセイで、柔らかい口調で述べられているものの、時に辛辣、そして時に強い自尊心をうかがわせます。このあと少女小説にもトライしたけれど、食傷気味になり頓挫。


『窓の灯』(青山七恵、河出文庫)

芥川賞作家の作品集。このところの受賞者のなかではわりと好きな人かもしれない。


b0062149_2111046.jpgLes fillettes chantantes
Olivier 1940
(Robert Sabatier, Le livre de poche)

福音館のオリヴィエ・シリーズの続き。福音館では3冊で完結のように扱われていて、それ以降はもう翻訳されない雰囲気だったので、原書に挑戦。知らない単語がたくさん出てくるにもかかわらず調べなくても話の内容はわかりやすいです。オリヴィエの初体験やその後の経験談(それも年上の人妻ばかり)が出てきたりするので、やっぱり少年少女向けの文庫には入らないわな・・ オリヴィエ・シリーズはあと3冊ありますが、また時間をおいて読んでみようと思います。


『ヨーロッパぶらりぶらり』
『日本ぶらりぶらり』(山下清、ちくま文庫)

旅行記は好きな分野ですが、この「裸の大将」の旅行記はそのなかでもかなり面白かった。彼の素直な目を通して見られると、ヨーロッパもほかの旅行記とは違った姿となって表れます。文章もくせになります。


『反近代文学史』(中条省平、中公文庫)
『坑夫』(夏目漱石、新潮文庫)

FBNにも書いたけれど、中条さんの作品分析はどれも興味深い。その作品を魅力的に感じさせる才能に長けた人だと思います。この本のなかでは漱石が唯一批判されている、というけれど、それでも漱石が読みたくなるくらいです。この後漱石の異色作『坑夫』を読みましたが、異様なともいえる冒頭の物語展開と『坊ちゃん』や『三四郎』あたりの青年口調の組み合わせが新鮮でした。


『ギャスケル短編集』(岩波文庫)
『白衣の女』(ウィルキー・コリンズ、岩波文庫)
『贖罪』(イアン・マキューアン、新潮文庫)

今年に入ってからはもっぱらイギリスものばかり読んでいます。上の2作はディケンズに認められた作家の作品。前者は女性で少々教訓話じみた部分もありますが、面白く読みました。後者は3冊ものという長い作品でしたが、サスペンス的要素が豊富で一気に読みました。最後の作品は映画「つぐない」の原作です。前半はちょっとエレガントすぎて読みづらかったのですが、後半の戦争時の話になるとがぜん面白くなりました。感動的な結末なのだけれど、全体的に技巧的なところが鼻につく、と言えなくもない。私はカズオ・イシグロのほうがしっくり来ます。
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by poyance | 2008-04-02 02:29 |
ハイジ(ポール・マーカス、2005年、イギリス)
b0062149_1212863.jpgスカパー(ムービープラス)から録画したものを鑑賞。おばに連れられて山上で孤独に暮らす「おんじ」(マックス・フォン・シドー)のもとへやってきたハイジ(エマ・ボルジャー)は、その天真爛漫さでかたくなな祖父の心を開いていく。仲良しのペーター(サム・フレンド)らと楽しく暮らしていたところ、再びおばに連れ戻され、今度は車椅子の少女クララ(ジェシカ・クラリッジ)の遊び相手としてフランクフルトのゼーゼマン家へ預けられる。

アニメでおなじみの物語ですが、映画もほぼそれと同じ内容で、100分ほどの長さなのでかなり話は端折られてはいるものの要所は抑えてあります(子やぎや子猫の話や、白パンの話など)。ただ「おんじ」の孤独さの背景説明だとか、その「おんじ」がハイジに愛情を感じる行程や、クララが立ったときの感動などはあっさりしていて、物足りない。それを補うように自然の映像は美しいですが。

子供たちを取り囲む大人の俳優たちが皆ナイスなキャスティングで、マックス・フォン・シドーは内に暗いものを潜めた「おんじ」の雰囲気ぴったりです。ジェラルディン・チャップリンのロッテンマイヤーさんもいいし、やさしいおばあさまのダイアナ・リグや、お父さんのゼーゼマン氏演ずるロバート・バサーストの貫禄たっぷりなところもいい。なかでもお気に入りはアニメより若くてハンサムなセバスチャン役のデル・シノットです。アニメの人もいいけど、こちらもなかなか素敵です。
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by poyance | 2008-04-01 01:28 | 映画


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