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<   2008年 03月 ( 8 )   > この月の画像一覧
フェーンチャン ぼくの恋人(コムグリット・ドゥリーウィモン他、2003年、タイ)
b0062149_2230443.jpgスカパー(ムービープラス)から録画したものを鑑賞。母親から幼なじみの女の子ノイナーの結婚を知らされたジアップは、少年時代に思いを馳せる。一軒おいて隣に住むノイナー(フォーカス・ジラクン)と一緒にいつも女の子たちのグループで遊んでいたジアップ(チャーリム・タライラップ)は、ガキ大将ジャックが率いる男の子たちのグループも気になっていたのだった・・

少年時代の思い出をノスタルジックに描く、というのはいろんな映画で繰り返し行われているわけで新しくも何ともないのだけれど、これはかなりの秀作だと思います。子供たちそれぞれのキャラの立ち方とか、ジアップとノイナーの父親の確執話(しかしそれが最後は・・という展開がいい)とか、大通りの存在とか、繰り返し現れる遠景からのバスのショット(ミモザみたいな木とのコントラストがよい)とか、味わい深いディテールが効いていて、テンポもよく、いやらしく情に訴えかけることもない。そして最後のシーンをああいう終わらせ方にしたのも気が利いている。レトロな感じのタイポップがええっちゅうほど流れてきますが、それも子供たちのショットのバックに流れると楽しい。

子役たちはみんな芸達者でどの子もいい。とりわけ中心となるジアップとノイナーはほんとうに可愛らしく、ジアップのキリッとした美少年っぷりと、ノイナーの人なつこそうなたれ目の顔とお下げ髪の絶妙なバランス(だから終盤のノイナーはほとんど正面から撮影されることも、あるいはクローズアップされることもなく、最終シーンではふたたびお下げ髪で現れる)がすばらしいです。

これはなんと6人の監督の共作だそうで、ところどころにフランス映画のテイストが感じられるのは誰かの趣味なのかな。複数監督の作としてはよくまとまっています。
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by poyance | 2008-03-31 22:33 | 映画
海の上のピアニスト(ジュゼッペ・トルナトーレ、1999年、イタリア/アメリカ)
b0062149_1971053.jpgWOWOWから録画したものを鑑賞。船の中に置き去りにされた赤ん坊は船で働くダニー(ビル・ナン)に「1900」(ナインティーン・ハンドレッド)と名付けられて育てられる。たぐいまれなピアノの才能を身につけている青年1900(ティム・ロス)は、ピアニストとしてそのまま一度も陸に降りることなく船で暮らし続ける・・・

ハードディスクにたまっていた映画のなかからチョイスしたのですが、強烈な内容の映画ばかり観てきたので、何か物足りなさを随所に感じてしまいました。この監督の「ニュー・シネマ・パラダイス」にしても「マレーナ」にしても、古き良き昔を振り返ったあとで、今となってはそれが崩壊して戻らない、という図式はどれも同じでそこから先の展開がないように思います。「ニュー・シネマ・パラダイス」が面白かっただけに、それ以上の感動は得られず中盤からは、ん〜という感じで観ていました。もうだいぶ前に観たので記憶からも薄れつつあります・・・

チンピラ役ばかり観てきたのでティム・ロスの1900役はどうかな、と不安だったのですが浮世離れした雰囲気が意外にも似合っていました。この物語自体をふりかえるトランペット吹きマックス役のプルイット・テイラー・ヴィンスも人の良さそうな友達思いの男を好演していました。
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by poyance | 2008-03-31 19:10 | 映画
ショーガール(ポール・ヴァーホーヴェン、1995年、アメリカ)
b0062149_232324.jpgスカパー(ムービープラス)から録画したものを鑑賞。ダンサーになるべくラスベガスへやってきたノエミ(エリザベス・バークレイ)は、ヒッチハイクした男に荷物を騙しとられ途方に暮れていたが、親切なモリー(ジーナ・ラヴェラ)の好意で彼女の家の居候となる。モリーはベガスの有名なトップレス・ショーの裏方として働いていたが、そこへ連れられたノエミはトップ・ダンサーのクリスタル(ジーナ・ガーション)に激しくライバル心を燃やす。一方でクリスタルも何かとノエミにちょっかいを出す・・

その年の最低映画賞と最低主演女優賞などワースト賞総なめ、さらには99年に「この10年最低映画賞」までも獲得したのに、なぜ?というぐらい楽しめる作品です。数分おきぐらいの割合で女性の裸体が出てくるわけですが、皆さん堂々たる脱ぎっぷりなのでエロいとはあまり思えません。実際の濡れ場といえば1回ぐらいだし、それもヤッてるというより激しすぎて戦闘シーンみたい。ノエミが最後に見せる暴力シーンと等価に描かれています。

この監督を評して「すべてをバカバカしく演出する」だの、「バカバカしいことを大真面目にやっている」だのという表現が見られたのですが、本当にその通りで、それこそがこの監督の持ち味なんですね〜。それが凝縮されているのが何度も展開されるショーで、はぎ取られるためだけに存在する衣装にしろ、「ガオーッ」って感じの振付にしろ、全体の演出にしろいちいち笑える。

主演のエリザベス・バークレイは、正直顔立ちも大味だし、演技も踊りもドタバタした感じでそううまいとは思えませんが、体のラインや自信たっぷりな立ち居振る舞いが美しい。キメキメのメイクも好きです。しかしこの映画で際立つのは何といってもクリスタル役のジーナ・ガーションで、その肝のすわったアネゴっぷりがすばらしい。文字通りの「ゴッデス(女神)」で、あまりのカッコよさに見ていてクラクラしてきます。

それにしても出てくる男たちがみんなサイテーなのはどうよ。あのクーパー捜査官(カイル・マクラクラン)がこんなやな感じの役をやるのはちょっとサビシイ。でもそのサイテー男のトップに挙げられるヒッチハイク男がコケにされる最後のシーンも含め、みんなしっぺ返しを食らうのはスカッとしました。
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by poyance | 2008-03-19 02:36 | 映画
ロリータ(エイドリアン・ライン、1995年、アメリカ)
b0062149_2162368.jpgスカパー(ザ・シネマ)から録画したものを鑑賞。初老の大学教授ハンバート(ジェレミー・アイアンズ)は、下見に来た下宿の家主の娘で、少年時代に恋した少女を思い出させるロリータことドロレス(ドミニク・スウェイン)に目を奪われる・・

深夜TVでやっていたのを部分的に観ていたのですが、今回はじめて最初からちゃんと観ました。ナボコフ作品の映画化という点で非常に評判の悪い作品で、あの奥の深い小説の表面をなぞる程度のものでしかないのだけれど、原作を忘れてしまえば物語としてとても楽しめる映画です。監督からしてあまり期待せずに観たのがよかったのかもしれない。性描写などはすっぱり省いてあるのもいいし、あの小説に漂うおかしさも随所に感じられます。特に最後のキルティ登場シーンが、唯一ボカシがあるシーンがここである、ということも含めて本当はすごく凄惨な場面なはずなのに笑える。それは監督が意図したものであるかどうかは別として。

そしてこの作品はキャストが絶妙です。ジェレミー・アイアンズはこういう病んだ知的なオヤジ役がはまり役だし、メラニー・グリフィスのシャルロット・ヘイズもいいです。そして何よりもロリータ役のドミニク・スウェインが素晴らしい。生意気で下品で不潔そうなところが原作のイメージにぴったりです。おそらく撮影当時は16歳ぐらいだったのでしょうが、それよりも若く見えます。そう派手な作りの顔ではないし、体の凹凸もあまりないのに、ときどきハッとするほど魅力的です。

ロリータのファッションがすごく子供っぽいのもよかった。ギンガムチェックのワンピースにお下げ髪とか、ドミニクちゃんにとてもお似合いでした。もちろん歯の矯正器具も。
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by poyance | 2008-03-18 02:45 | 映画
ノーカントリー(ジョエル&イーサン・コーエン、2007年、アメリカ)
b0062149_22152693.jpg某スクリーンにて鑑賞。偶然に見つけた麻薬がらみの大金を持ち逃げしたルウェリン(ジョシュ・ブローリン)は、その金を追う殺し屋アントン・シガー(ハビエル・バルデム)に追われることになる。一方で事件を追う保安官エド(トミー・リー・ジョーンズ)は、ルウェリンの妻カーラ・ジーン(ケリー・マクドナルド)のもとを訪ねる・・

いままでなら、犯罪を扱うにしてもどこか抜けた部分があったコーエン兄弟作品ですが、今回は終始緊張感が漂い、途切れることなく持続しています。そして物語に救いがない。いまの犯罪のあり方が理解できないという保安官の嘆きが変わることはなく、不可解なものに対してカーラ・ジーンが最後に見せる毅然とした態度も報われない。そして、これらの事の発端がルウェリンがふと起こした親切心である、ということなど非常に厳しい内容を冷徹に描いています。派手にすることなく抑えたタッチで進む映画をどきどきしながら観ることができました。終わり方はあっけない、といえばあっけないですが、冒頭のナレーションと呼応していて、語り手が保安官であるということ、そして彼の語りの枠組みのなかで物語が進行する、という構成がはっきり浮かび上がっています。コーエン兄弟作品では「バートン・フィンク」や「ファーゴ」に並ぶ傑作といえるでしょう。

b0062149_1514040.jpg主人公はいちおう保安官なのだけれど、作品を観れば誰でもこれはアントン・シガーを中心に据えたと思われるでしょう。ルウェリンや保安官といったいわゆるまともな人間よりも、独自の原則で動き、普通の人なら理解に苦しむキャラクターをクローズアップすることで、「人間」というものの不可解さや恐ろしさがわれわれに提示されているように思います。その異様なあり方を、これまでは色気のある男っぽい俳優さんというイメージだったハビエル・バルデムが強烈に演じています。






b0062149_202159.jpg彼があまりにも鬼気迫る演技をしているので、ほかの俳優さんたちがかすみがちなのですが、それぞれ皆よかったと思います。トミー・リー・ジョーンズは彼のイメージ通りの地方の保安官で、数ある警察関係役のなかでも好きなキャラクターです。ルウェリン役のジョシュ・ブローリンも地味ながらよかったし。そして、最近よく観るケリー・マクドナルド、彼女の根底に感じられる健康的なところがとても好きなのですが、ここでもそれが活かされているように思いました。今回ルウェリン、アントン、保安官を使ったポスターがいい感じなので3点とも載せてみました。

ところでルウェリン役は、当初ヒース・レジャーという話もあったようです。彼の演ずるルウェリンも観てみたかった。それが実現されることは決してないからいっそう・・
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by poyance | 2008-03-17 22:20 | 映画
待ち焦がれて(ロジャー・ミッシェル、1995年、イギリス/フランス)
b0062149_441647.jpgスカパー(シネフィル・イマジカ)から録画したものを鑑賞。家族に結婚を反対されて以来嫁ぐことのなかったアン(アマンダ・ルート)の前に、8年ぶりにその婚約者であったウェントワース大佐(シアラン・ハインズ)が現れるが、彼女をまったく無視するその態度にアンは動揺する・・

オースティンつながりで録画してあったこの作品(原作は『説き伏せられて』)も鑑賞。これはBBCがかんでいて、やっぱり地味ながら落ち着いた演出に安心して観られました。原作に忠実に作られていて、観終わったあとは原作を読み返してみたくなり、今再読中です。

アン役のアマンダ・ルートは、最初なぜこんな老けた地味な人が主役に、と思ったのだけれど、原作通り次第に若く健康的に変わっていきました。美人、とはいえないけれど控えめな演技で愛らしいです。ウェントワース大佐役のシアラン・ハインズは色気があって、自信家な感じがよかった。どこかで見た人だと思ったら「ミュンヘン」に出ていた俳優さんでした。それと比べると今回は大変若々しいです。それから、クロフト夫妻、とくに夫人役のフィオナ・ショウの柔和な表情がとてもよかった。彼女もどこかで名前を見たなと思ったら「ブラック・ダリア」のお母さんでした。
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by poyance | 2008-03-17 04:07 | 映画
プライドと偏見(ジョー・ライト、2005年、イギリス)
b0062149_3525695.jpgWOWOWから録画したものを鑑賞。4人姉妹の次女エリザベス(キーラ・ナイトレイ)は、姉ジェーン(ロザムンド・パイク)と彼女に好意を持つビングリー(サイモン・ウッズ)との交際を阻んだ高慢なダーシー(マシュー・マクファディン)に不愉快な思いを抱くが、その後意外にも彼から愛の告白をされる・・というストーリー。

オースティンの名作の映画化なので期待して観たのですが、どうしても前に観たBBC版ドラマと比べて、前者の詰めの甘さを感じてしまいました。時間の制約があるので大雑把に話を進めなければいけない、ということはあるのでしょうが原作の魅力が活かされているようには思えず、全体的に何か物足りないです。

キャストもあまりピンとせず、キーラのエリザベスは少々現代的すぎると思います。ジェーンやビングリー役もBBC版のほうが好きです。個人的に大好きなキャラクターであるミスター・ベネット(姉妹の父)はドナルド・サザーランドでいい感じなのに、もうちょっと出番を増やすとかあの皮肉たっぷりのトークを聞かせるとかしてほしかったです。唯一ダーシー役のマシュー・マクファディンは不機嫌そうな顔がお似合いで、よく知らない俳優さんだったのですが好感が持てました。コリン・ファースのミスター・ダーシーも好きだけど、彼もなかなかよかったです。
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by poyance | 2008-03-17 03:53 | 映画
デス・プルーフ in グラインドハウス(クエンティン・タランティーノ、2007年、アメリカ)
b0062149_21423043.jpgレンタルDVDで鑑賞。ガールズ・トークに花を咲かせる女の子たちと、彼女たちを執拗に車で追い回すスタントマン・マイク(カート・ラッセル)の物語。

ストーリーはもとより、傷だらけのフィルムや編集のまずさなど映像の作り方が70年代のB級映画にいかにもありそうで、もうタランティーノのオタク心がそこかしこに感じられ、前半はただただそれだけで感心して観ていました。それが中盤であのような展開となり、後半へ続いていくことで、この作品が単なるマニアックな映画として終わらせないようになっています。これはあの時代のB級作品に対するオマージュであると同時に、それらに対するタランティーノ流の新しい返答であるといえるでしょう。モノクロ画面(これも再生機械がおかしくなったのかと錯覚してしまうような処理がしてあります)をはさんで始まるクリアでカラフルな画面と女の子たちのファッションが今風になっていること、音楽再生機がジュークボックスから iPod へとなっていることなどにもうかがえます。もちろん音楽はいつにも増してセンスよく、サントラが欲しくなってしまいました。

それはともかく女の子たちが(お世辞にも上品とはいえないけれど)みんな何と魅力的なことか。前半の女の子たちは、スタイル抜群のジャングル・ジュリアをはじめみんなセクシーだし、後半の女の子たちはボーイッシュでものすごくカッコイイ(一人女の子らしいリアのみが最後のカーチェイスに加わらない、というのも暗示的)。そして誰があのような結末を想像できたでしょうか。あまりにも唐突でかつ痛快な終わり方に爆笑してしまいました。新しいタイプのガールズ・ムービーともいえるかな。これまで観たタランティーノ作品でいちばん面白かった!

カート・ラッセルはよくあんな役引き受けたよなあ、という意味でもすごくよかったです。女の子たち役の女優も、ビッグ・ネームはいないけれどもみんないい感じでした。ジャングル・ジュリア役のシドニー・ポワチエはあの同じ名前の俳優の娘さんでした(お母さんは「冒険者たち」のジョアンナ・シムカス!)。後半グループのゾーイはやはり本当のスタントウーマンでした。

ところで途中にソフィア・コッポラへのオマージュが見られます。あの二人まだつきあっているのだろうか・・
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by poyance | 2008-03-02 21:00 | 映画


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