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読書記録
ずいぶん間があいてしまったので、思い出せる分だけ書いておきます。

『軽いめまい』(金井美恵子、講談社文庫)

前回から続けて金井作品を。絶版になっていた文庫を古本屋で見つけたものです。圧巻は最初と最後にあるスーパーマーケット内部の描写。モノの名前が雪崩のように読者に襲いかかります。


b0062149_1452446.jpg『シンセミア』(朝日文庫)
『ニッポニア・ニッポン』(新潮文庫)
『アメリカの夜』(講談社文庫、以上阿部和重)

前に読んだ『グランド・フィナーレ』ではよくわからなかった阿部和重作品ですが、読みたかった『シンセミア』が文庫化されたので再挑戦。かなり嫌悪感を覚える内容とはいえ、中盤からはまり4巻一気に読みました。映画畑出身ということもあり、作品にも映画的な性格が多分に感じられます。クライマックスのシーンなどは特に読むと映像がバーッと頭に浮かんできました。映画化したら面白いだろうけれど、規制が厳しいかもしれない。
その後、他の2作品も読んでみましたが、結局のところデビュー作『アメリカの夜』が一番面白かったです。テンションが次第に高まり最後に大爆発、という構図はこの時点で完成されているんですね。気難しく見えるが、どこか笑える文体も生きていると思います。


b0062149_14521963.jpg『ロリータ』(ウラジミール・ナボコフ、新潮文庫)

恥ずかしながら、この名作を今まで読んでおりませんでしたが、年初めの読書として新訳版でのぞみました。ジェレミー・アイアンズ主演版の映画のイメージが強かったのですが(これも恥ずかしながらキューブリック版は未見)、あの映画はこの小説のほんの一部しか反映していない、というよりも小説とは別物だということがよくわかりました。随所に散りばめられた言葉遊びや色々な文学作品をふまえた表現、伏線を張り巡らせたミステリー仕立ての複雑な構成などの点から、何通りもの楽しみ方ができる傑作ですね。新訳はどうか、というとすらすら読めないような文章になっていて、ん?と思ったのですが、後でナボコフの文章自体が相当デコボコしたもので、それをふまえた訳文にした、という訳者の言明を見て納得しました。


『浮世の画家』(カズオ・イシグロ、ハヤカワepi文庫)

初期作品がついに重版となり早速読みました。今では大家として名が通っている老画家が抱える過去が、現在進行している娘の結婚話とからめて描かれています。現在の物語のところどころで過去を振り返る、そして隠されていた事柄が次第に明らかになる、というスタイルは定番、というかさすがにこう続けられると飽きてきました。別の構成の小説も読んでみたいです・・


『いつか晴れた日に/分別と多感』(ジェイン・オースティン、キネマ旬報社)

アン・リー版の映画を観ていたのと、ハードカバー本だったので読んでいなかったオースティン作品をやっと読みました。この物語ではほとんどのカップルが「不釣り合い」であるのが面白く、誰と誰が結ばれるのか終わりのほうまで予想がつきませんでした(アン・リーの映画の内容はかなり忘れてたので・・)。内容とは関係ない描写まで、(時として意地悪い)オースティンの目が行き届いていていつもながら楽しく読めました。ただ物語の結末がかなりあっけない(特にマリオン)のが少々物足りないです。もう一度映画版も観直そうと思います。マリオン=ケイト・ウィンスレットというのはなかなかいいキャスティングですね。
ハードカバー版を読み終えた頃にちくま文庫版があることを発見。別訳なので、今それも読んでいます。何回読んでも楽しいな〜。


『テレーズ・ラカン』(エミール・ゾラ、岩波文庫)

ゾラの『パリの胃袋』を読もうかと思ったのですが、これもハードカバーなので先に文庫ものを。自己を押し殺して病弱な男と結婚したテレーズが、浮気相手と共謀で夫を殺すというもの。周到な計画を立てて、誰にも怪しまれずにようやく浮気相手と再婚したものの、二人は幻覚に悩まされノイローゼ状態になります。テレーズはもっとずぶとい神経の持主かと思ってたんですけど、ちょっと印象が違いました。二人の関係が険悪になる後半部分がつらくて飛ばし読みしてしまいました・・
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by poyance | 2007-03-31 14:54 |
アカデミー賞雑感
b0062149_20432863.jpgもうだいぶ前の話になってしまいましたが、アカデミー賞授賞式を観ました。感想を書くのが遅くなったのは、結果にかなり納得がいかなかったので・・今年はめずらしく作品賞候補5本のうち3本を観ていたので、もっと楽しめるかと思ってたんですけど。もっとも最初のうちは楽しかったですよ。特にこの3人の場面がおかしかったです。ジャック・ブラックは相変わらず暑苦しい。そしてジョン・C・ライリーは歌がうまいですねー。

「ディパーテッド」はたしかに面白い作品だったけれども、アカデミー賞を受賞するほどの出来とは思えなかったので、監督&作品賞をダブル受賞での終幕には後味が悪かったです。スコセッシ自身「本当は撮りたくなかった」とか言ってるし(でもあの喜びようはナゼ)。ノミネートされながら無冠だった過去への同情票と、外国系作品を選ぶことへの抵抗といった保守的な意図が働いたんでは、とどうしても思ってしまいます。「日本映画のリメイクで」とか言われてるし、いい加減さを随所で感じてしまいました。



b0062149_20465475.jpgそういうわけで私のクライマックスはフォレスト・ウィテカーの主演男優賞でした。スピーチに泣けました。奥さんもカワイイですねー。アミン大統領のなりきり方もすごそうだし、共演が「ナルニア国」のタムナスさんらしいので、「ラスト・キング・オブ・スコットランド」は観たいです。これまで観たなかでのはまり役はジャームッシュの「ゴースト・ドッグ」なんですけど(監督が彼のために書いた役でもあるし)、それに引けを取らない演技だろうと期待してます。




賞レースのほうは結局あんまり面白くなかったんですけど、俳優さんたちのファッションを観るのはいつもと同じく楽しかったです。ちなみに個人的なベスト3はニコール・キッドマン(右)、レイチェル・ワイズ(左上)、ケイト・ブランシェット(左下)です。


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by poyance | 2007-03-12 21:09 | 映画


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