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読書記録
いつも気分にまかせて本を選んでいるので、統一感がないです・・

b0062149_1501163.jpg『冷血』(トルーマン・カポーティ、新潮文庫)

映画の「カポーティ」公開に合わせて方々で作品が出版されていますね〜。そのなかで映画で取り上げられている彼のノンフィクション作品を読みました。平穏な町で起きた一家惨殺事件を、その家族と犯人、および捜査する側と、多角的に描いています。「誰々は何年生まれで、云々」といった単なる調査記録ではなく、先が気になるような「読ませる」構成になっていて、特に事件への持って行き方がうまいです。



『上海』(横光利一、講談社文芸文庫)

長編小説が読みたくなり、古本屋で買ったままほっていたこの作品を。物語の筋よりも、「新感覚派」節が炸裂した上海の街の描写がとてもカッコいい。このディープな街で激動の時代を生きる日本人の男たちの群像劇ですが、中心人物の参木さんが国籍問わず女性にモテまくりで笑えます。


『日々の麺麭・風貌』(小山清、講談社文芸文庫)

次は題名に惹かれて買ったこの作品。日常的な題材を扱った短編集です。「小品」という感じの地味な内容のものが多いけれど、冒頭の「落穂拾い」がとてもよかったです。ここに出てくるひとりで古本屋を営む女の子がとても魅力的です。


b0062149_1543219.jpg『文学賞メッタ斬り』
『文学賞メッタ斬り リターンズ』(大森望・豊崎由美、PARCO出版)

日本における様々な文学賞の位置づけと、その受賞作・および選考に対する批評、と書くとおカタい感じがしますが、タイトル通り著者2人がかなり言いたい放題にやってます。最初に読んだ『リターンズ』のほうでは、前々から疑問に思っていた芥川賞の選評をさんざん茶化してくれていて、選考基準なんていい加減なものなんだなあと思いました。そうはいってもお二人の趣味と私の趣味はぜんぜん違うので、彼らが評価している現代作家や作品でピンとくるのはなかなかないようです・・



b0062149_155025.jpg『いつか王子駅で』(堀江敏幸、新潮文庫)
『熊の敷石』(講談社文庫)

『メッタ斬り』と並行して堀江さんの作品を読んでいたのですが、2人の評価はかなり高いですね。さして大きな事件も起こらない話ばかりなのに、いつしか引き込まれるその文章力はすごいです。うねうねとした長文の末に軽いオチがつく、という進め方には、私の好きなクリスチャン・オステールにも通じるものがあります。何でも堀江さんの作品のなかに、オステールの『アルクイユの橋』に触れた一節があるとか。それだけでなく作品中には文学的な脱線がしばしば見られ、日々の出来事や、競馬などといった事柄と同等に語られているのですが、文章から人柄のよさがにじみ出ているだけに、悪意のない、だからかえってタチの悪いペダンチスムに思えて困惑するときがあります。そういう文学に関する言及の少ない「城址にて」などは非常に心地よく読めるので、もう少し他の作品を読んでみたいと思っています。


『号泣する準備はできていた』(江國香織、新潮文庫)

久々に江國さんの作品を読みましたが、文体がかなり変化したように感じました。以前にも増して冷淡になっているような。初期作品に見られた詩的な表現が消えているようにも思います。それはこの作品に限ったことなんだろうか。この作品に対する『メッタ斬り』のお二人の評価も高い(好みは別として)ですが、個人的には初期の作品のほうが好きですね。
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by poyance | 2006-10-17 01:59 |
ヒストリー・オブ・バイオレンス(デヴィッド・クローネンバーグ、2005年、アメリカ/カナダ)
b0062149_20383698.jpgレンタルDVDで鑑賞。家族と平穏に暮らすトム(ヴィゴ・モーテンセン)は、ある日経営するダイナーを襲った強盗2人を殺してしまいます。町の英雄になったトムのもとに今度は謎の男(エド・ハリス)がやってきて、彼をジョーイと呼びます・・

タイトルどおり「暴力」が幸福な家族を引き裂いていく話です。トム個人だけでなく、夫の過去に次第に疑問を持ち始める妻(マリア・ベロ)、父親の隠れた一面を知って混乱する息子(一方でその血を受け継いでいることが示唆されている)を含めて家族それぞれの物語が語られています。いわゆる「感動」を呼ぶような描き方とはほど遠い、終始冷めた視線で客観的に語られるところが面白いです。冒頭の強盗2人の描き方も乾いたタッチで好きですね(ただし内容は残酷ですが)。クローネンバーグのいつものグロさは今回は鳴りを潜めていますが、死体の映し方などにはやはり彼らしさを感じます。

ヴィゴ・モーテンセンはこの映画で初めていいなあと思いました。賞レースで全くノミネートされてないのは、あまりにも強すぎる役柄にもよるのでしょうか。戦う姿が時代劇の立ち回りをしているかのごとくミョーに決まっていて、ちょっと笑えます。「ER」のデル・アミコ先生役だったマリア・ベロも堅実な演技をしていますが、一方でチアガール姿なんぞも披露してくださいます。エド・ハリスやウィリアム・ハートといった脇役陣も怪しくシブいし、息子役のアシュトン・ホームズ君も可愛いです。

ところで、先日「エイリアス」に見覚えのある顔が・・と思ったら、クローネンバーグ監督でした。ほかの俳優に引けを取らないフォトジェニックな顔立ちですね〜。演技するのもまんざらじゃないのかな?
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by poyance | 2006-10-15 20:43 | 映画
ナナメ見映画は続く
ハードディスク整理に追われる日々です。すべてWOWOWで録画したものを観ました。

b0062149_2262349.jpgまずは「レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語」(ブラッド・シルバーリング、2004年、アメリカ)。謎の火事で両親を亡くした3兄弟の遺産を、遠い親戚のオラフ公爵(ジム・キャリー)が執拗に狙う・・という物語。久々に濃いーいジム・キャリー(アカデミーのメイクアップ賞を受賞しただけあって、しゃべっていなかったら本人とわからないくらいの変貌ぶり)の演技を観ました。3兄弟の子供たちがかわいくて、特にヴァイオレット役のソニンちゃん似の女の子が、ゴス趣味の衣装ともども魅力的でした。脇役のビリー・コノリー(ヘビおじさん)やメリル・ストリープ(心配性のおばさん:最近こういう役を楽しそうに演じてますね)もいい味出してるし、ちょっと影のある美術やアニメーションも好みでこれは、メディアに残しました。


b0062149_22184045.jpg次は「レオポルド・ブルームへの手紙」(メヒディ・ノウロジアン、2002年、イギリス/アメリカ)。ジェイムズ・ジョイスの『ユリシーズ』をモチーフに、「罪の子」として生まれたレオポルドと彼が手紙を出した囚人スティーヴンの物語が描かれます。といっても(ここからネタバレ?です)彼ら二人は結局同一人物ということなのですよね?? 私は最初から過去の追想シーンはすべて囚人の過去の物語として見ていたので、最後の謎解き?のような場面も何だかピンとこないまま終わってしまいました。ジョゼフ・ファインズをはじめ、俳優陣はなかなかよかったです。ただし10代の役をするジョゼフは少々無理があるような・・ デニス・ホッパーは最近イカれたオヤジ以外の役をしているのを見たことがない気がします。久々の俳優姿のサム・シェパードはやっぱりいい人だったので安心しました。


b0062149_0451736.jpgお次は「そして、ひと粒のひかり」(ジョシュア・マーストン、2004年、アメリカ/コロンビア)。仕事にも家庭にも不満を抱き、おまけに好きでもない男の子供を宿してしまったマリアは、大金が手に入るという話にのって、麻薬の運び屋の引き受けてしまう・・というもの。抑制された演出とマリア役のカタリーナ・サンディノ・モレノの意志の強そうな顔が印象的です。小分けにした麻薬を飲み込む場面を見ているとこっちもウッとなります。邦題は意味不明ですね・・



b0062149_054672.jpg最後は「誰も知らない」(是枝裕和、2004年、日本)。身勝手な母親に置き去りにされた4兄弟が、周囲に気づかれぬまま子供たちだけで学校にも行かず暮らすうちに・・という実話をもとにした作品。これも静かな演出で、子供たちの演技が自然に見えます。体の一部のみを映したシーンが多用されていて、それが非常に効果的です。カンヌ主演男優賞の柳楽くんだけでなく、子役全員がすばらしく、とくに長女の京子役の北浦愛ちゃんは、自分の姪にとてもよく似ていたこともあって、お年玉のエピソードのときなどは何だかやけに悲しかったです。
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by poyance | 2006-10-14 01:13 | 映画
ナナメ見映画大会
ナナメ見でもないけれど、じっくり腰を据えて観たわけでもない映画ばかりです・・

b0062149_20373039.jpgまずは「キューティー・ブロンド/ハッピーMAX」(チャールズ・ハーマン=ワームフェルド、2003年、アメリカ)。前作を観たので、一応WOWOWでチェックしました。リース・ウィザースプーンのエルは適役だと思うけれど、どうもこの人自体はあまり好きになれない・・ ストーリーも今回は舞台が政界で現実感があまりにもないです。それなりに楽しめるけれど、後に何も残らない感じ。「ER」のアビーママ(よく出くわすなあ)と、「24」のクロエが出ています。






b0062149_2038529.jpg次は昨日民放の深夜放送していた「クライ・ベイビー」(ジョン・ウォーターズ、1990年、アメリカ)。ジョニー・デップが若い! しかしジョニー・デップが主演している、ということを忘れるくらい映画そのものが変テコです。出てくる人が(特に女の人が)メチャ個性的な風貌の人ばかりだなあと思っていたら、監督は「ピンク・フラミンゴ」の人でした(といってもこの映画を観ているわけではないですが)。イギー・ポップなんて人もさりげなく(というよりこの強烈な出演陣の中ではひどく地味に感じる)出てます。ストーリー自体はわりとまともとはいえ、この出演者で、ロカビリータッチのミュージカル仕立て、おまけに奇妙なファンタジーの味つけをされていて、何とも言われぬ後味。「ワイルド・アット・ハート」が好みな人は好きかもしれない。私は結構好きでした。


b0062149_20384848.jpg最後は「バス男〜ナポレオン・ダイナマイト〜」(ジャレッド・ヘス、2004年、アメリカ)、WOWOWで録画して鑑賞。偶然にも最近「電車男」もテレビでチラリ観たんですけど、それをもじったこのタイトルと実際の映画内容はほとんど関連ないです。オタクで風采の上がらないナポレオン君の学校生活を中心に描いたオフ・ビート(それもかなりオフ・ビート)な作品です。ナポレオン周辺の人たちがほとんど無表情で、小さなネタのつぎはぎがえんえん続くので、前半の段階ではどうなるのかと思ったけれど、後半に行くにつれてはまってきました。クライマックスのジャミロクワイの Canned Heat で踊りまくる(しかしノリノリ、という感じでもない)シーンを観た時点で、この映画をメディアに残すことに決定。この映画に登場する俳優さんたちも結構個性的な人が多いですが、ナポレオン役のジョン・ヘダー君の素顔を後で確認したらえらく爽やかなのでびっくりしました。デビー役の女の子(ティナ・マジョリーノ)も可愛い。タイトルバックのいかにも「アメリカ的」な食べ物の使い方(これはナポレオンの兄キップ役のアーロン・ルーエルが担当したそう)や、景色や住居全体の撮り方も好きだったので、ジャック・ブラック主演の次作も気になります。
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by poyance | 2006-10-01 20:47 | 映画


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