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読書記録
b0062149_22454686.jpgなかなか映画が見られない、ということで、最近読んだ本の話です。長編ばかりなので、あまり数はありませんが・・

『二人の女の物語』(アーノルド・ベネット)
『ブラック・ボーイ』(リチャード・ライト)
『人間の絆』(サマセット・モーム)

3作品とも読み応えがありましたが、「人間の絆」が最も熱中して読んだでしょうか。主人公のフィリップが人間的に弱くて、自分の進路をあれこれ変えてみたり、どうしようもない女となかなか手が切れなかったりして、やきもきしながら読んでました。モームの自伝的要素が強く、前に読んだ『お菓子と麦酒』とは違ったリアルさを感じました。当時のイギリスでは、フランスに「不良の国」のイメージがあったのでしょうか、パリで画家をめざそうとするフィリップに、親代わりの叔父さんが大反対する、というのが面白かったです。『二人の女の物語』でも、対照的な姉妹がそれぞれ人生を送る場所としてイギリスとフランスが出てきますが、海峡を隔てたこの2国の対比は、さまざまな小説に登場して興味深いです。
『ブラック・ボーイ』は南部アメリカでの黒人を扱ったもので、初めて読むジャンルの小説でした。作者は黒人ですが、単に横暴な白人たちを非難するのではなく、自分たちも彼らの前で卑屈になっている様子を冷静にとらえています。会話もどぎついし、悲惨な話も多いのですが、読ませる力をもった小説だと思います。

b0062149_272362.jpg日本の最近の小説もめずらしく読みました。

『グランド・フィナーレ』(阿部和重)
『ナラタージュ』(島本理生)

前々から気になっていた前者が芥川賞をついに受賞したので読んでみましたが、これは今ひとつピンと来なかったです。一人称の小説ですが、この文体と主人公である筆者の性癖がうまく結びつかず、違和感を抱いたまま最後まで読んでいました。んー今度は『シンセミア』にトライしてみよう。『ナラタージュ』の作者はまだ二十歳だそうですが、例の芥川賞をとった二人の作品と比べると、非常に読みやすい好感のもてる文章です。内容は、20年前に読んだら心底共感できるだろうなあ、と思いました(年寄りの発想だ・・)。「完成度が高い」と評されていましたが、まだまだ質の高い作品を生み出せる力をもった人だと思うので、今後に期待しています。
ところで、知人が主催するフランス語とフランス文化のブログサイトに参加することになりました。今後、フランス関係の映画・音楽・小説の感想はこちらに投稿します。ご興味のある方はぜひこちらもご覧ください!

CYBER FRENCH CAFE
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by poyance | 2005-04-27 02:23 |
gerry(ガス・ヴァン・サント、2002年、アメリカ)
b0062149_22211890.jpg「エレファント」はおそらく今年見た映画ベスト3だけでなく、これまで見た映画ベスト10の中にも入りそうですが、その「エレファント」の前に撮影されたのが、この作品です。まず自然が主役である、と思えるくらい撮り方がすばらしいです。特に好きなのは、風が吹き荒れる谷間を歩く2人を後ろから撮影したシーン。タンブルウィード(かな?)が転がっていく絵も手伝って、幻想的ですらあります。このほか「ブラウン・バニー」でギャロさんがバイクを走らせた塩の湖など、さまざまな姿の自然が登場します。また「エレファント」にもあった早回しでの雲の撮影も壮大でした。とはいうものの、ここで映し出されるのは、美しい、というよりも荒涼とした自然の姿で、人はおろか、動物すらもほとんど出てきません。そのような自然の迷宮の中に巻き込まれ、出ようにも出られなくなる、という内容は、タルコフスキーの「ストーカー」をちょっと思い出させますが、ここでの自然は意思をもった有機体、というよりも、あくまでも人間に対して無関心な存在として描かれ、それだけに全体の不条理感が増しています。この自然のなかを主人公の2人はえんえんと歩き続け、次第に現実と非現実の境界があいまいになっていきます。
ストーリー的には短編でも成り立ちそうですが、ワンシーンが異様と思えるくらい長く、2時間近い作品になっており、やはり夜中の鑑賞には耐えられず(所々寝てしまった・・でも目が覚めても前と同じシーンだったりする)、2日にわけて見ました。脚本はガス・ヴァン・サントと主演のマット・デイモン、ケイシー・アフレックの3人が共同執筆しています。監督とマット君は「グッド・ウィル・ハンティング」ですでに組んで作品を作っていますが、一般受けもよかった「グッド〜」の地点に安住することなく、さらに新しいことに取り組もうとしているのがいいですね。そして、やはりこの実験的な作品がなければ、「エレファント」は存在しなかったと思います。
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by poyance | 2005-04-19 22:23 | 映画
このところの愛聴盤
b0062149_1757443.jpg本業が始まり、ウィークデーを不規則なスケジュールで行動しています。おまけに今期のTVドラマが気になるもの(待望の「タイガー&ドラゴン」もいい感じ)が多く、ハードディスク録画&視聴に追われているのも手伝って、夜中の映画がますます観づらくなってきました。映画関係の投稿はしばらく激減するかもしれないので、音楽と本のことだけでもマメに書くようにしよう。
年末にOFSを観て購入したKings of Convenienceのアルバム"Riot on an empty street"をまたよく聴いています。タヒチ80の新譜が、春のおでかけにお供させたいアルバムだとすれば、こちらは昼下がりに家の中でぼおーっとしているときに流したい音です。基本はギターとピアノというシンプルな構成に、やさしくあたたかみのあるヴォーカルが重なるというもので、聴いているといつしか眠ってしまうくらい・・リラックスできます。ノルウェー出身の2人組で、ヴォーカルの人、アーランド君(ひょろ長い体にメガネが印象的)はロイクソップ(こちらも新譜が9割がた完成しつつあるとか)の"Remind me"で歌っていた人だというのは、後で知りました。音楽の趣味がなかなか合わない家人も、これは気に入って自分からよくCDをかけてます。

b0062149_18233165.jpgそして、今さらながらのRadiohead。BSでやっていたライヴの再放送を観たのをきっかけに、また盛り上がってます。ライヴ映像というのは、自分がその場にいないわけだから、本来観ていてもあまり面白くないんですが、これは引き込まれてしまいました。"Paranoid Android"とかすごかったなあ。レディオヘッドのよさは、メッセージをはっきり持っている、エモーショナルである、というだけでなく、複数の曲を1つにまとめるだとか、1つの曲にできる限りのコードを詰めこむだとか、常に音作りに対して挑戦的である、という点にもあると思います。もうすぐ新曲が出るらしいので、楽しみです。
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by poyance | 2005-04-17 18:35 | 音楽
新譜続々
b0062149_221272.jpgこのところ臨時の仕事や雑用で忙殺され、映画が観る余裕がありません。そのかわり、好きなミュージシャンたちの新作が立て続けに出たのでCDはよく聴いています。まずは、Tahiti80の"Fosbury"。相変わらず爽やかな音で、聴いていてウキウキしてきます。前作は夏の終わりに聴きたい音でしたが、これは春先にピッタリな音です。ただ、前作ほどのインパクトは感じられなかったかな〜。"Changes"とかはとてもよい曲ですが(PVもカワイイです)。

b0062149_2301661.jpgお次はさんざん待たされたBeckの新作です。ジャケの絵は沢野ひとしかヘンリー・ダーガー風で不思議な感じ。音は前作の静かな雰囲気とは一転して、"Odelay"あたりに近いですが、今までにありがちな過剰な装飾はそぎ落とされて、シンプルな作りになっています。ベック君もパパになって風格が出てきましたか・・。かといって保守的になることもなく、聴いていて面白かったです。待ってたかいがありました。CDが出た後、限定版のDVD付2枚組まで発売されて、どっちも買っちゃいましたよ・・。

b0062149_2354737.jpgそして、お久しぶりのNew Order。いつの間にか紅一点のギリアンが抜けていて、男4人組になってました。前作が今ひとつなじめなかったのですが、今回は"Brotherhood"あたりの音に近く、違和感はありませんでした。大好きなバーナード・サムナーの声もいつも以上にのびのびしていて、爽快な感じです。一方であまりにもスカッとしすぎて、今までのニュー・オーダーにあった屈折感に欠けています。ニュー・オーダーの真価とは、哀愁漂う「泣き」メロがあってこそ、だと思っているので、今回は全体を通して聴くとちょっとツラいです。1曲1曲取り出して聴くといいんですけどね・・。日本盤にはバーニーが日本語で歌う"Krafty"が入っていて、それが笑えます(でもなんで訳詞がアジカンの人なんだ??)。

b0062149_247138.jpgニュー・オーダーに憂いを見いだせなかったフラストレーションを解消してくれたのは、初めて聴いたこちらのHoodの新譜です。OFSで "The Lost You"のPVを観てすごく気になり、CDを聴いてみたら、すごくよかったです。音は非常に実験的なんだけれど、難解というわけではなく、全体的には風景画のようなイメージ(ジャケの写真が象徴的)で、とても新鮮でした。かなり年季の入ったグループのようなので、過去にさかのぼってアルバムを聴いてみようと思います。
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by poyance | 2005-04-06 02:59 | 音楽


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