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カテゴリ:映画( 462 )
21グラム(アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ、2003年、アメリカ)
b0062149_22503068.jpgやるせない。見る前から重たいテーマの映画だということはわかっていたけれど、やっぱりそう感じてしまいます。登場人物3人は、みんな「好きでそうなったわけじゃないのに・・」という運命を背負ってそれぞれに痛切な思いを抱え、そして彼らの関わりあいはさらに暗い結末へと向かって行きます。かといってドラマチックな作りではなく、全体のトーンは抑制されているので、見終わった後は悲しくて号泣、というよりもどーんと疲れるという感じです。ナオミ・ワッツだけはかろうじて救われているように見えますが、彼女が宿す子供はいったい誰の子供なのかしら。この映画は時間の経過がよくわからないので、そこは謎です。
そうなんです。この映画はパッチワークのようにいろいろな場面がつぎはぎされていて、特に前半はそれが細かくって何の話だかサッパリわかりません。私は雑誌の映画評なんかで話の筋を多少知っていたから推測できたものの、全く情報がなかったら相当混乱する作りじゃないのかなー。この監督の作品を見たのはこれが初めてなんですが、そういう構成はこの人の特色らしく前作もそんな感じだそうです。でもさ〜こんなに重くて深みのあるテーマだったら、もっとシンプルでストレートな編集にすればいいのに。そんなとこに変にこだわらなくても・・と思うんですが、それは好き嫌いの問題なんでしょうか。それぞれの場面でフィルムを変えたりするのは面白いと思ったし、音楽も控えめだけどいい感じだったのに・・ 前作「アモーレス・ペロス」を見たらまた見方が違ってくるかもしれない。今とても気になっているガエル君が出ているし、今度見てみよう。
映画の作りにはちょっと抵抗を感じましたが、俳優さんたちはもう力演!!です。中心となる3人(ショーン・ペン、ナオミ・ワッツ、ベニチオ・デル・トロ)はどの人も素晴らしかった。ナオミさんは地味だけど、家族を失う前後の演じ分けがすごいです(「マルホランド・ドライブ」でも2役の演じ分けをしてましたよね)。それからようやくブラピとダブらなくなったトロ様(ファンの方スミマセン・・でも好きな俳優さんです!)ですが、最後のほうで神も信じられなくなり、希望もなくただ肉体労働で暮らすその姿は、個人的に一番ハマリ役だなーと思いました。あとは愛するシャルロット・ゲンズブールがショーン・ペンの奥さん役で出てます。他の人がやったらたぶんイヤな役なんだろうけど、シャルロットがやると切ない・・相変わらず美しいお姿で出ておられます。
そしてショーン・ペンは「ミスティック・リバー」を見たとき、そらオスカーを取るわなと思いました(ビル・マーレイにも取ってもらいたかったけど不運だった・・)が、今回も熱演でした。家人は彼がマドンナの元亭主っていうのを知らなかったんです! 私はその頃のやんちゃっぷりのほうが記憶に残ってるんですけど・・今や実力派ですよね。
あとナオミさんが元旦那の写真をはさんでいた本がサム・シェパードの本だったのは、監督の趣味なのかな。サム・シェパードファンなので心に残りました。
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by poyance | 2004-11-17 19:53 | 映画
「ションヤンの酒家」(フォ・ジェンチイ、2002年、中国)
前作「山の郵便配達」がとても好きで、今回もあんなゆったりとした素朴なタッチなのかと思っていましたが、今回は都会が舞台で、主人公も女性です。おまけに一人で店を切り盛りするこの勝ち気なションヤンのまわりでは、父親との不和、弟の麻薬中毒、兄夫婦との家の取り合いなど家族の問題のうえに都市開発問題までからみ、唯一彼女の救いに見える素敵(?)な男性も実は・・と複雑な現代社会の縮図のよう。一方で映像がとても美しく、「山の・・」では陽のあたる壮大な自然の景色が見ものでしたが、今作ではションヤンが店を開く夜の、ぼやんとした明かりが照らす場面がきれいでした。また彼女が弟のいる施設に行くときにのるロープウェイが印象的で、巨大なビル群からのびた細いコードにたよりなげにぶらさがっているその小さな乗りものは、都市化の波とその裏での現実とのあいだに挟まれたションヤンの姿を象徴しているかのようでした。b0062149_12194242.jpg
前作とは正反対みたいですが、「山の・・」で主人公の青年が父親の後を継いで、車ではなく足での郵便配達を選ぶように、ションヤンも結局ずっと暮らしてきた昔ながらの街にとどまるほうを選ぶんです。ションヤン役の女優も言っていたけれど、彼女は「古風」で、そして「古風」であることをキッパリ選択している・・そんなにすんなり決められるもんかな〜とちょっと思いました。その点、同じように急速に都市化する中国で宙ぶらりんに生きる青年達を描いたジャ・ジャンクーの「青の稲妻」のほうがずっとリアルに思えました。
とはいうものの、ションヤンがすごく魅力的なんですよ。彼女のファッションとか、メイクや髪型が可愛いんです。パールのマニキュアとかしたくなっちゃいました。彼女が住んでいる家のインテリアとかも素敵だし、お店のハエよけ装置(?)までいちいち可愛いし。ションヤンと対照的なのが弟の恋人役の女の子で、おヒゲまで生やしちゃって「田舎から出てきた子」を見事に体現してます。ところで私はこれをDVDで見て、それには特典映像でションヤン役の女優さんのインタビューが入ってるんですが、その人が同一人物??と思えるくらい映画のションヤンと違うんです。メイクと髪型でああも変わってしまうのか・・。ションヤンのときのほうが素敵です。
それとアジアの映画は、出てくる食べ物がみんなおいしそう。ションヤンのお店の名物は「鴨の首」なんですが、どんな味なんだろう。そして首以外の部分はどうなっちゃってるんだろうか?? 子供が食べててションヤンが辛すぎるとケチをつけた焼きそばでさえ味が気になりました・・
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by poyance | 2004-11-16 23:22 | 映画


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