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マグダレンの祈り(ピーター・ミュラン、2002年、イギリス/アイルランド)
マグダレンの祈り(ピーター・ミュラン、2002年、イギリス/アイルランド)_b0062149_11385714.jpgスカパー(シネフィル・イマジカ)から録画したものを鑑賞。1960年代のアイルランド、ダブリン。未婚で出産したローズ(ドロシー・ダフィ)、従兄弟からレイプされたマーガレット(アンヌ=マリー・ダフ)、少年たちの気を惹いていた孤児院育ちのバーナデット(ノラ=ジェーン・ヌーン)が、修道院が経営する少女更生施設へ入れられる。そこではシスター・ブリジット(ジェラルディン・マクイーワン)の指揮のもと、「罪」を犯した少女たちが自由を奪われ、人として扱われることのない過酷な毎日を送っていた・・

暗い色調に覆われた映像のなか、少女たちの受けるひどい仕打ちが容赦なく描かれていきます。実話をもとにした映画ということで、エピソードのひとつひとつが本当なら犯罪もの(それもシスターや神父がそれをしているんです)と思うんですが、90年代まであったというこの施設は結局世間でどのように見られていたのでしょうか。救いようのない話が次々と語られて、このまま終わりだったらもうやりきれないと思っていたら、3人はそれぞれのやり方で脱出することができて、ほっとしました。とはいっても残された少女たちは同じ生活をずっと続けなければならないのだけれど・・

正義感の強いマーガレット(偶然修道院の外に出られても逃げなかった、というエピソードが効いている)、そんな彼女と対立する反抗的なバーナデット、そして奪われた子供への思いが捨てきれないローズ、という三者三様の描き方と、クリスピーナ(アイリーン・ウォルシュ)のエピソードの絡め方が秀逸でした。

少女たちは初めて見る女優ばかりでしたが、みんなとてもよかったです。個人的にはローズ役ドロシー・ダフィの優しい顔立ち(ちょっとキルスティン・ダンスト風)が好きです。アイリーン・ウォルシュの忘れられない顔立ちは、クリスピーナの壮絶な運命ともども印象深かったですし、シスター・ブリジットが見るだけで生理的嫌悪感を催させるのはジェラルディン・マクイーワンの演技の力なのでしょう。
by poyance | 2008-09-16 12:07 | 映画
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