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善き人のためのソナタ(フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク、2006年、ドイツ)
b0062149_20150.jpgWOWOWから録画したものを鑑賞。1984年の東ドイツ。秘密警察シュタージに真面目に仕えてきたヴィースラー大尉(ウルリッヒ・ミューエ)は、反体制分子と疑われる劇作家ドライマン(セバスチャン・コッホ)と恋人の女優クリスタ(マルティナ・ゲデック)が暮らす家を24時間監視することになるが、次第に2人に共感を抱き始める・・という物語。

去年のアカデミー外国語映画賞、またキネ旬の外国語映画部門で2位ということで観ました。東ドイツ時代の監視体制の話は聞いたことがありますが、映画自体は非常に地味なスタートで、高く評価される理由がよくわからないまま観ていたところ、ヴィースラーがタイトルにもなっているベートーベンの曲を聴くあたりから次第に内容が充実してきて、終わりまで一気に観ることができました。とくに終盤あたりの話の持っていきかたがすばらしく、日本だと妙に盛り上げてお涙頂戴にしてしまうであろうラストシーンを、非常に抑制された、かつ心にしみる終わり方にしていたのが印象的でした。

映像については斬新さはあまり感じられず、どちらかというと無骨な感じで、それはフランス映画の繊細さや、ラテン系映画のまろやかさ、はたまたイギリス映画のストイックさとも違うドイツ映画の特色なのでしょうか、しかしそこから実直さがにじみでていて大変好感のもてる作品でした。監督はまだ30代半ばで、これが処女作だそうで、これからの活躍が大いに期待できます。

中心となる俳優3人は、みな「大人」を感じさせる演技でした。クリスタ役のマルティナ・ゲデックは昔ながらの「女優」という感じの人でぴったりのキャスティングでした。しかし何よりもヴィースラー役のウルリッヒ・ミューエが秀逸で、喜怒哀楽はほとんど表に出さないのに、微妙な心理の変化を見事に表現していました。去年急逝されたそうで、本当に残念なことです。
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by poyance | 2008-01-25 02:26 | 映画
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