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それでもボクはやってない(周防正行、2007年、日本)
b0062149_20323967.jpgレンタルDVDにて鑑賞。満員電車で痴漢に間違われた徹平(加瀬亮)は、罪を認めなかったために起訴され、刑事裁判にかけられる・・

昨年度のキネ旬邦画ベスト1に輝いた周防監督ひさびさの作品を観ました。これまでの周防作品は、世間であまり注目されていなかった領域にスポットを当て、楽しく描きだすというタイプのものだったのですが、今回は一転して真摯な態度で刑事裁判という制度に向き合っています。

ふだん我々が犯罪、特に性的なものに接するとき、どうしても被害者の立場から見てしまいますし、被疑者にも偏見を抱きがちです。しかし被疑者のなかには、無実の人もいる場合があるわけで、そういう人を公平な目で見る、ということは本当に難しい。あくまで有罪にしようという検察は自分に不利な証拠は出さないし、「12人の優しい日本人」でも感じたけれど、裁判というのは真実を見いだす、というよりも出された証拠の範囲で有罪無罪を判断する場なのだと痛感しました。いずれ始まる裁判員制度のこともあり、私たちにも縁遠くない話題です。周防さんは今回刑事裁判の抱える問題を、大げさにすることなく冷静にかつスリリングに描いていて、143分飽きさせることはありませんでした。

主演の加瀬亮君は、これまで地味でつかみどころのない人間の役が多かったのですが、今回はそのキャラクターが活かされた配役で、キネ旬での主演男優賞も納得です。脇役もいわゆる「周防組」の俳優たちが多かったのに、これまでの彼らのアクの強さを感じさせず作品のトーンに溶け込んでいたように思います(アクの強すぎる竹中直人などはほんのチョイ役として登場)。またいい人のイメージが強い小日向文世が憎らしい裁判官を演じ、いつもの穏やかな微笑が氷のような冷たさに見えました。山本耕史の熱血漢、もたいまさこの子を信じる母親など、キャスティングがとてもよかったです。本田博太郎の意外な配役も、その怪演にうなずけました・・
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by poyance | 2008-01-20 21:05 | 映画
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