レンタルDVDを鑑賞。古典的なSF小説が原作であり、1953年の映画のリメイクでもある、ということもあるのでしょうか、ナレーションによるオープニング(エンディングも)や、映像の多少荒く、褪せたようなトーンがクラシック感を強調しています。結末も思いも寄らぬ形であっと言う間にやってきて、すごい大作なのかと思いきや、実際は2時間以内におさまっているのでした。
タイトルから察するに原作やオリジナル映画では宇宙人との対決がメイン・ストーリーなのかもしれませんが、この作品では、宇宙人による侵略という異常事態に直面した、人間たちの行動のほうに力点が置かれているので、戦闘シーンを期待していた人には拍子抜けかもしれません(だって、戦うどころか、やられっぱなしだし)。でも私にはそれが面白かった。古いSF小説が元ネタなので、そのまんまに宇宙人とかやたら出したり、CG駆使して派手にドンチャンやったら、かえってB級感が強くなってしまったことでしょう。得体の知れない存在に襲われる状況、というのも怖いけれど(あの蛇のようなセンサーが執拗に人間を探しまくる場面は確かにドキドキした)、たとえばレイたちが乗った車が取り囲まれるシーンのように、パニックに陥った人間たちのなりふり構わぬ有様のほうがよっぽどおそろしく描かれていて、そこがスピルバーグらしいと思いました。 トム・クルーズは今回、自分の子供たちにあまり信頼されていない、頼りない父親(息子の方が遥かに正義感が強い)を演じていて、従来のイメージから脱しようとする意気込みを感じます。見たことのないものを我先に見ようとする、というようなレイの子供っぽい性格の表現を観ていると、案外それが本人の地なのかなあとも思えてきます(最近の彼のおかしな言動がそれに拍車をかけていますね)。ダコタ・ファニングちゃんは、相変わらず演技がうまいですね。ロビー役のジャスティン・チャットウィン君も印象深い顔立ちで、今後が楽しみです。 ところで「大阪では・・」というフレーズが突然出てきて、それが大いに笑えたんですが、妙に納得してしまうこのセリフはスピルバーグ自身が考えたのかなあ? それとも誰か日本人スタッフの入れ知恵?
by poyance
| 2006-01-18 02:29
| 映画
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