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読書記録
読んだ本がたまってきました。

『おめでとう』(川上弘美、新潮文庫)

するりとした文章が読みやすい川上さん。雑誌で読んだいくつかの短編が楽しかったのでこの短編集をチョイス。日常の中にとっぴょうしもない要素が急に介入してくるところが、心地よく思えるときとそうでないときがありました。


『オリヴァー・トゥイスト』(チャールズ・ディッケンズ、ちくま文庫)

『荒涼館』を買おうとしたらどうも品切れらしく、それに危機感を覚えてディッケンズものを買いだめ(『荒涼館』もかろうじて入手)。そのなかでつい最近ロマン・ポランスキーが映画化したこの作品を。ディッケンズは話が面白すぎて、文章を味わう間もなく読み急いでしまうのが難点といえば難点です。はやく映画が観たい。


『幸福・園遊会』(キャサリン・マンスフィールド、岩波文庫)

b0062149_22272942.jpgマンスフィールドを別翻訳でまた読み直し。人(特に少女)の心理の繊細な変化を冷静なタッチで描くのがうまい作家です。代表作の「園遊会」のほか「入り海」のような物語のない写生文などが好きです。


『遠い山なみの光』(カズオ・イシグロ、ハヤカワepi文庫)

映画化された『日の名残り』の著者のデビュー作。『日の・・』は非常に静かで、古典の香りがする小説だったのですが、こちらは曖昧さを全体に漂わせた前衛的ともいえる作品。いずれにせよ英国の現代作家の中で最も興味深い一人でしょう。他の作品ももっと読みたいです。


b0062149_22572586.jpg『マンスフィールド・パーク』(ジェイン・オースティン、中公文庫)

オースティン作品がまた文庫で登場。中盤まで会話のやりとりなどが少々長く感じることもありますが、終盤は急展開で、最終章はものたりないくらい。主人公が極端に控えめな性格で、『エマ』や『高慢と偏見』などとはまた違った印象です。しかし物語の端々にオースティンの鋭い視点が感じられ、冴えた文章が味わえます。


『夜を喰らう』(トニーノ・ベナキスタ、ハヤカワ文庫)

彼の作品を仕事で一部読む機会があったので、勉強のつもりでフランス現代作家を新規開拓。パリの夜の世界に出没する吸血鬼のような謎の男女を追うはめになった、路上生活者アントワーヌの物語。リュック・ベッソンが映画化したらはまりそうな作品です。私はこの饒舌で大げさな文体が、ちょっと苦手でした。


b0062149_23264526.jpg『博士の愛した数式』(小川洋子、新潮文庫)

去年の話題本がようやく文庫化されて購入。小川さんの小説はデビュー作から2000年くらいまではずっと読んでいたのですが、しばらくご無沙汰してました。今回久々に彼女の文章に触れましたが、とてもよかったです。前は古い学校の人気の無い理科室、のような静かで冷たくてよそよそしくて、一方でどこかグロテスクなイメージが彼女の作品には感じられました(それが魅力のひとつでもありますが)が、この本ではそれがかなり影を潜めているようです。それも万人受けした要因なのではと思います。博士のキャラクターも魅力的でしたし。
もともと小川さんが阪神タイガースファンというのは知っていましたが、彼女とタイガースというのがどうもうまく結びつかないでいたところ、小説で解決されるなんて思ってもみませんでした。それにしても江夏豊の話でこんなに泣かされるとは。
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by poyance | 2005-12-10 23:29 |
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