Top
ウォッカ・レモン(ヒネル・サレーム、2003年、フランス/イタリア/スイス/アルメニア)
b0062149_2375147.jpg今年のカンヌ映画祭に "Kilomètre Zéro" が出品されたヒネル・サレームの前作をスカパー(シネフィル・イマジカ)で鑑賞。ハモという男を中心に雪深いアルメニア?の村に暮らす人々を描いたもの。妻を亡くし、無職の息子と孫娘とともに貧しい生活をするハモは、フランスにいる別の息子の送金をあてにしているが、それもかなわず家財道具を売り払っては何とか生きのびています。とはいえハモは枯れ果てたじいさんというわけでもなく、未亡人と恋仲になるくらい色気も残っており、この貧困状態にして、飄々とした生活を送っています。映画全体にもどことなく楽天的なムードが漂っていて、アキ・カウリスマキの作品ともまた違ったテイストです。
そしてまず目を奪われるのはそのクリアな映像で、陽を浴びた雪景色が非常に鮮やかです。おそらく極寒だと思われるその風景のなかで、椅子に座って人々が佇んでいたり、老人がベッドをソリ代わりにして移動していたり、人通りの少ない道沿いにウォッカを売る屋台があったり、ハモが体の2倍はあるタンスをかついでいたり、いったん売りに出そうと雪道までもってきたピアノを未亡人と連弾していたりするのです。実際には生活していくために編み出された処置ではあるのですが、とてもシュールな図に見えました。
「ウォッカ・レモン」というのは、未亡人が屋台で売っているウォッカなのですが、なぜか実際にはアーモンド味なのだそう。名前と違う実態はソ連が崩壊した後の「自由」とは名ばかりの国家とも通じてくるでしょう。「ソ連時代は『自由』以外は何でもあった」というセリフが象徴的です。これだけ寒いと男も女も始終この強い酒をかっくらって暖をとっていて、私もウォッカを飲んでみたくなりました。
[PR]
by poyance | 2005-11-23 02:10 | 映画
<< 恋愛適齢期(ナンシー・マイヤー... セクレタリー(スティーヴン・シ... >>


S M T W T F S
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28