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ふたりにクギづけ(ボビー/ピーター・ファレリー、2003年、アメリカ)
b0062149_1384191.jpg楽しい映画が観たい、という家人の希望でファレリー兄弟の作品を。実はレンタル店でDVDを手に取るまで、物語の設定をよく知りませんでした。結合双生児を主人公にする、というのは、日本ならばまずあり得ない企画だろうし、万が一あり得たとしても、二人の関係は愛憎が入り乱れるドロドロした暗いドラマになるに違いないでしょう。それをコメディ仕立てにするのですから、反面毒が強すぎたらいたたまれないだろうなあと思いつつ観始めたのですが、それは杞憂に終わり、最初から見事に笑わされました。
陽気で社交家の兄ウォルトと内気な弟ボブは仲良くバーガーショップを切り盛りしていますが、もともとウォルトには俳優になりたいという夢があり、優しいボブは兄の願いがかなうべく二人でハリウッドに出かけることに同意する・・というストーリー。互いを思いやる兄弟と、彼らを愛する周囲の人々の姿は泣かされそうになるくらいで、設定は冒険しているといえども、非常にまっとうなお話なのです。数人の方のブログ感想を見ると、フランク・キャプラの名前が引き合いに出されていたりして、なるほどなあと思いました。もっともファレリー兄弟のファンには、あくどさがないので物足りないと感じられるかもしれないけれど。

b0062149_1335345.jpg結合双生児の二人のほかにも作品中には知的障害者、身体障害者の俳優が多く登場していますが、コメディとはいえ彼らは「笑い者」には決してされていませんし、「見せ物」にされているという感じもありません。一方で「支援されるべき存在」として扱われているわけでもなく、あくまでも自然に存在する人々として描かれています。現実ではこの状況はほとんど「幻想」といえるかもしれないのに、映画中では非常にあたりまえのことに思えました(父親が馬鹿なことをやらかす息子の頭をひっぱたくシーンなどが印象的)。
的を得たキャスティングも作品を面白くしています。マット・デイモンはジェイソン・ボーンもいいけれど、ボブみたいな気弱でシャイな人物を演じるとすごくカワイイです。そして兄ちゃん役のグレッグ・キニアがこれまたすばらしく、ウォルトの積極的な性格にピッタリだったし、ドラマや舞台シーンでのエンタテイナーぶりも見ものです(当初「弟より相当老けた兄」としてウディ・アレンが想定されていたという話ですが、実現していたらかなりテイストが変わっていたでしょうね・・)。彼らのガールフレンドを演じた二人は、すごく濃いい感じの女優さんたちなんですが、どちらも素敵なキャラクターで、特にエイプリルを演じたエヴァ・メンデスがよいです。アパートの管理人モーや、うさんくさいエージェントのモーティーも味がありました。
それから大御所女優、シェールとメリル・ストリープが本人役で出演しています。シェール(作り込まれた顔がスゴイ)はよくこんな役引き受けたよなあ(それだけ器のデカイ人なんでしょうね)と最初思ったけれど、後半に進むにつれてだんだんカッコよく見えてきます。メリル・ストリープは最後のはじけっぷりが必見!
作品での音楽の選曲も冴えていました。冒頭でピクシーズの "Here Comes Your Man" の音が聴こえてきたときはとても嬉しかったです。しばらくファレリー兄弟作品三昧してみるかな・・
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by poyance | 2005-11-03 14:04 | 映画
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