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少年と自転車 Le gamin au vélo
b0062149_2056439.jpg監督:ジャン=ピエール・ダルデンヌ、リュック・ダルデンヌ
公開年、制作国:2011年、ベルギー/フランス/イタリア

WOWOWで録画したものを鑑賞。ダルデンヌ兄弟は社会的に弱い立場にある人々を淡々と描くことに優れており、今回も同じといえば同じ路線であるが、だんだんと希望を感じさせる作品に変化してきたように思う。この作品では、その「希望」は何といっても、ひょんなことから少年シリルの里親となった美容師のサマンタの存在である。少年とほとんど交流する機会もなく、母親の経験もなく、いきなり里親になるわけだが、「親になる」ことがどれほど重いことかしっかり覚悟していて、決して簡単にはあきらめたりしないすごさを持っている。そして強引ではないやり方で、彼に日常的なちょっとしたことを教えるところ(「ありがとう」を言わせたり、買物の計算をさせたり)がとてもいいなあと思う。血がつながらなくても、この二人は最後に「家族」になる、という後味のよい終わり方はこの監督たちにしては予想外でそれがまたよかった。しかし、そこは彼らの映画なので、ストレートではなく、ある代償を支払うことになるのだが・・(ちょっとショッキングだったが)。

見捨てられた父親とのつながりの象徴であり、シリル一人が走らせていた自転車は、常に盗難のターゲットとなるが、サマンタと二人で走るための自転車となった後では、しばらくそばを離れていてももう盗まれることがない。でも鍵はやっぱりかけましょう・・

シリル役の少年はオーディションで選ばれた新人だそうだが、一途に父親を思うシリルをとても自然に演じている。彼の青白い風貌といつも着ている赤い服(シリルの火のような性格や、温かみへの欲求を象徴するようだ)の対象が印象的だ。そしてサマンタ役のセシル・ドゥ・フランスが本当にすばらしい。彼女はもともと好きな女優さんだけれども、こういう肝のすわったおばちゃんみたいな役をこなすのを観て、いっそう好きになった。
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by poyance | 2013-05-28 21:30 | 映画
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