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ピクニック at ハンギング・ロック Picnic at Hanging Rock
b0062149_19494983.jpg監督:ピーター・ウィアー
公開年、制作国:1975年、オーストラリア

録画だけして観てない、とは今さら言えない映画シリーズ。オーストラリアやニュージーランドの映画は、それほど多くはないけれど、これまで観た作品は、気候や風土が生み出す明るく、乾いた部分と、不条理とも言えるような不思議な部分を併せ持った独特の雰囲気のあるものが多いような気がする。ジェーン・カンピオンの作品やピーター・ジャクソンの『乙女の祈り』などがその代表例だ。そして寄宿学校の少女たちを描いたこの作品も、その系譜のひとつ(というよりも原点)と言えるだろう。

南半球の暑いバレンタイン・デーに出かけた先の岩山で少女たちと女教師が「神隠し」にあう、という物語自体謎めいているが、すべてがヴェールをかけられたようにあいまいに、さまざまな含みを持って描かれる。もちろん、ここには性的なイメージが方々に散りばめられている。冒頭に読まれるラヴ・レターに始まり、ピクニックに出かける少女たちの花嫁のような白装束(谷間で昼下がりにまどろむ少女たちの退廃的な姿がなんともなまめかしい)、「蛇」が出るという警告、場にそぐわないような大きな包丁で切り裂かれるケーキ、そして清らかな美しさのミランダが「ボッティチェルリの天使」に例えられる(しかも実際に開かれた画集のページはヴィーナスの絵)、など、隠されたエロティシズムのしるしがそこここにある。

b0062149_20473013.jpg消えた女教師の目撃談や無くなった女生徒のコルセットといったあからさまな要素などを加えれば、最後に女校長が下した結論に行き着くのは至極当然だし、岩山の醸し出す不安な雰囲気からオカルト的な話だと考えることもできるが、だからといってそれだけではすまない何かがある。女校長とともに崩壊していく女学院や、孤児のセーラとその兄の物語もからんで、全体に別の深みも加わり、不思議な味わいの映画だった。牧歌的ともSF的とも聴こえるフルートのサントラも印象的だ。

ミランダ役のアン・ランバートの幻想的な美しさが際立つ。狂気をはらんだ女校長役のレイチェル・ロバーツも夢に出てきそう(あの髪型・・)。そしてメイド役で出てくるジャッキー・ウィーヴァーは『世界にひとつのプレイブック』に出ている人ですね。この映画のなかで、いちばん人間くさい人物、「生身」のある存在として彼女の役どころも重要だと思う。
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by poyance | 2013-05-28 20:51 | 映画
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