Top
エレファント(ガス・ヴァン・サント、2003年、アメリカ)
b0062149_22414197.jpg最初の空の風景を見ただけで、好きな映画だろうと確信しました。カメラは見上げていた空からゆっくりと下に降りて、その後はずっと静かに俳優たちを追っていきます。登場人物のひとりひとりをゆっくりとした時間で描く前半部では、アメリカの高校生たちの普段と変わらない日常が映し出されていて、前もって情報を得ていなければこの先何が起こるか予測がつかないでしょう。ひとりひとりは、友人や家族やその他の人々と関わりながらそれぞれの生活を生きています。彼らのかわしている会話がとてもリアルに思えた(特に女の子たちがしている取るに足らないやりとりなど)のですが、演技の多くはアドリブらしいです。
けれどもこの映画は「自然に」進行しているわけではありません。時間の流れに特にそれが現れていて、空の風景にあるような急速な時間がある一方、人物を背後から撮影した非常に印象的なシーンに代表されるように、とてもゆっくりとした時間もあり、また何度も同じ時間が繰り返されることもあります。しかし「21グラム」のように混乱を招かないのは、結局すべての時間が最後のクライマックスへと進むというひとつの方向性を持っているからでしょうか。題材や撮影方法はもちろんのことですが、私にはこの時間の扱い方がとても面白く思えました。
俳優のほとんどはオーディションで選ばれたそうですが、みんなそれぞれに良さがありました。特に男の子たちは美しく(監督の趣味なのかな)、またキレイなだけでなく雰囲気がある人たちばかりでした。その他ジョン(見ていたらつい、「カワイイ・・・」と口に出てしまった・・)の父親役にティモシー・ボトムズが出ていました。私は彼が主演した「ラスト・ショー」がとても好きなのですが、あれから何十年もたってくたびれたオヤジ役をやっていても、あの悲しげな目は変わってなかったです。昔は彼がジョンみたいな役をやってたのにねえ〜。
ガス・ヴァン・サントは「ドラッグストア・カウボーイ」から好きな監督ですが、いろんなタイプの映画を撮ってきて「エレファント」でひとつの頂点に達したように思います。この作品の前に「Gerry」というのを撮っていて、それがすごくいいという話を方々で聞くのですが、こちらも早く見てみたい!
[PR]
by poyance | 2005-02-07 23:26 | 映画
<< ナナメ見映画「アメリ」「ビッグ... おいしい生活(ウディ・アレン、... >>


S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30