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白いリボン Das Weisse Band
b0062149_20371385.jpg監督:ミヒャエル・ハネケ
公開年、制作国:2009年、ドイツ/オーストリア/フランス/イタリア

WOWOWから録画したものを鑑賞。こちらは2009年のカンヌでパルム・ドールを受賞した作品。このときの審査委員長は同じ監督の作品『ピアニスト』で主演したイザベル・ユペールだったから云々とか当時言われていたけれど、映画を観た後では最高賞なのも納得の、圧倒的な内容の作品だった。モノクロームで綴られる映像がすばらしく、北ドイツの農村の寂しくも美しい風景をバックに、ヴィスコンティの映画から抜け出てきたような男爵一家(母と息子の優美な姿よ! おまけに二人はイタリアに逃げ去るのだ)と、ストイックな黒服と髪型の村人たちのコントラストが印象的だ。

b0062149_20403348.jpg一方で物語は下手なホラーよりも恐ろしい。男爵、牧師、そして医師といった絶対的な権力者の圧力により、村のなかで歪みが生まれ、女性、障害者、幼い子供といった最も弱い者たちが犠牲となる。その象徴といえるのが小鳥のエピソードであり、父親の恐ろしさを知らぬ幼い少年にとっては守ってやりたい対象であったこの小動物は、その姉にとってはあらぬ罪を着せて自分を罰した父への復讐の対象となるのである。


b0062149_20405426.jpgとはいえ、連続して起こる不穏な事件は解決されぬまま、時代は第一次世界大戦勃発へと向かっていくわけで、子供たちはいずれナチスの一員となるであろうことを予感させる。他の人のブログの感想で、唯一の良心に見えた語り手の教師ですら、ヒトラーを暗示する要素(仕立て屋であること、恋人の名がエヴァ)を持っている、というのを読んで背筋がいっそう寒くなった。しかしこの作品はナチスという特異な狂気を生んだ土壌を描いているだけではなく、このような状況は程度は違えど今の時代にも消えてはいないことを十分に我々に感じさせる。


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ティーンエイジャーを演ずる少年少女たちの、決して笑わない抑圧された表情が心に残る。彼ら自身のトラウマにならぬかとこちらが心配するぐらい、真に迫る演技だった。
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by poyance | 2011-12-15 22:31 | 映画
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