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英国王のスピーチ The King's Speech
b0062149_203148100.jpg監督:トム・フーパー
公開年、製作国:2010年、イギリス/オーストラリア

TOHOシネマズなんばにて鑑賞。アカデミー賞獲得、英王室もの、そして水曜日の午前中の上映という条件がそろっていたため、予想通りおばさま方でほぼ満席の映画館で鑑賞。国王がどうやって吃音を克服したか、というプロセスよりもなぜ吃音になったかということを通して、王室の人々の特異性、孤独やプレッシャーを描くことに焦点が置かれている。現女王の父親の話であるが、プライベートな話も多いし、王位を捨てた兄があまり好ましく描かれていないし、国王が4-letter-word をはじめ汚い言葉を連発したりする場面もあり、よく王室がこの脚本を許可したものだと思う。

そのように素材自体はタブー視されていたものかもしれないが、物語自体はとてもわかりやすく新しさはあまり感じられない。悪くない出来だけれど、この作品にオスカーというのはいかがなものか。今年のアカデミー賞は若返りをはかる努力が見られたとはいえ、この受賞結果が結局変わらない保守的な体質を語っているように思う。俳優へ与えられた3賞は妥当だと思うが、監督賞はフィンチャー、作品賞は『インセプション』あたりにあげたらよかったのに。

と、だんだん辛口になってきたけれど、作品は好きである。特に人物の顔を中心から右や左にずらす撮り方とか、俯瞰の構図だとかのカメラワークが好みだった。ライオネルの治療室のだんだらな壁をバックに、ガラス張りの天井からぶらさがったプラモデルや、みすぼらしい長椅子と絨毯に囲まれて国王が話すシーンがよい。映像は全体的に地味だが、味があって美しい。

そして何よりもこの作品をすばらしくしているのは、中心人物を演じる3人が非常にバランスよく配置されていることである。ジェフリー・ラッシュはもちろんすばらしいし、最近はエキセントリックな役が多いヘレナ・ボナム・カーターも、控えめながら見事にエリザベスを演じている。この2人のキャストがあってこそコリン・ファースが活きていると思う。『アナザー・カントリー』のジャド役以来ファンだったけれど、とてもいい感じでキャリアを積んでいるのが嬉しい。彼ほど不機嫌な顔が似合う俳優さんはいませんね〜。
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by poyance | 2011-03-10 22:21 | 映画
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