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イングロリアス・バスターズ(クエンティン・タランティーノ、2009年、アメリカ)
b0062149_1949554.jpgなんばパークスシネマにて鑑賞。冒頭の田舎の風景の美しさに見とれ、その後にやってくる緊迫感にシビれつつ、152分という長さにもかかわらずあっという間に終わってしまった。タランティーノの映画はふつう、ちょっと長いなあと思うくらいのユルいやり取りがお決まりなのに、今回は常に場に漂う緊張感のためにほとんどダレることなく観ることができる。特に第1章がすばらしく、開けたドアから逃げていく少女が遠くに見えるシーンなど美しい映像のオンパレードである。

映画のなかでの「言語」の扱いも面白く、英語、フランス語、ドイツ語、イタリア語がとびかい、同じ言語についても話す地域による違いなど、言語間の差異の問題が効果的に物語に組み込まれている。その典型が酒場でのシーンであり、ここも名場面といえるだろう。何でもショシャナの伯母役にマギー・チャンがキャスティングされていたらしく、もし彼女が登場していたら中国語も聞こえてきたかもしれない。

b0062149_2054345.jpgところでこれは「戦争映画」と銘打っているけれど、これはやはり「映画のための映画」だ。マカロニ・ウエスタンの大胆なリメイクという起点から、映画女優のスパイ、宣伝映画という形での映画内映画、そして映画館での復讐劇・・画面からはタランティーノの映画愛があふれんばかりで、観ている方も嬉しくなる。映画ならではの結末も痛快だ。「デス・プルーフ」ほどのはじけっぷりはないものの、前作のテンションを下げることなく新しい方向へ転回させることに見事に成功している。選曲のセンスも相変わらずだが、ボウイの「キャット・ピープル」がほとんどフルコーラス流れたのはびっくりした(ちゃんとシーンには合ってましたが)。

日本ではブラッド・ピットをメインに紹介されているが、ここではやはりハンス・ランダを演じたクリストフ・ヴァルツの凄さが抜きん出ているだろう。カンヌで主演男優賞を穫ったときはまったく知らなかったが、こういう俳優を見つけ出してくるところもタランティーノの才能なのだろう。ショシャナ役のメラニー・ロランもいい感じだったし、キャスティングはその他もすばらしかった。家人曰く「実はブラピが出てないシーンのほうが断然面白い」ということだが、私もそう思えた。スター・オーラは、時に邪魔になりますね・・
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by poyance | 2009-12-10 19:47 | 映画
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