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リミッツ・オブ・コントロール(ジム・ジャームッシュ、2009年、アメリカ)
b0062149_20512071.jpgシネリーブル梅田にて鑑賞。待望のジャームッシュ新作は、言うなれば「デッドマン」と「ゴースト・ドッグ」を合わせたようなロードムービーだった。使命を受けた殺し屋が次々と現れる謎の人物たちから暗号をもらい、目的地へ向かうというエピソードが繰り返され、彼らが交わす会話も禅問答のようで、ジャームッシュ作品のなかでも抽象度が高く、かつ寓話的である(家人は途中ウトウトしてました・・)。「想像力」というキーワードが全体を支配し、最後にははっきりとしたメッセージも示されている。解釈はいろいろできるだろうが、個人的には想像力の絶対的な自由の主張とそれを制御しようとするものへの断固たる抵抗、と読んだ。全体的に緊張感が漂う作品だったが、それがふと途切れる瞬間(カフェのウェイターとのやり取りなど)がとてもよかった。

スタイリッシュなスーツ(トム・フォードだそう)を身にまとうイザック・デ・バンコレが歩く姿が美しく、落書きだらけの路地や汽車の座席、ホテルや美術館(建物自体がモダンですばらしい)など、いちいち絵になる。クリストファー・ドイルのカメラワークも凝っていて、各ショットごとにほおお〜と見惚れてしまう。あまりに洗練されているので、単なるオシャレ映画として扱われてしまわないか、少々心配になるくらい。日本のバンド Boris の音楽も作品の抽象度を高めている。

俳優陣は、イザック・デ・バンコレを含めこれまでのジャームッシュ作品に出てきた俳優たちが多数登場して、ファンとしては嬉しい。ガエル・ガルシア・ベルナルやジョン・ハートなどの出演もいい。しかしやはり印象的なのはヌードの女性、パス・デ・ラ・ウエルタだろう。彼女の存在はその髪型からもわかるようにブリジット・バルドーへのオマージュである。裸姿にメガネとレインコートが大変お似合いだ。
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by poyance | 2009-11-01 20:51 | 映画
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