Top
哀しみのトリスターナ(ルイス・ブニュエル、1970年、イタリア/フランス/スペイン)
b0062149_131842100.jpgスカパー(シネフィル・イマジカ)から録画したものを鑑賞。またしても若く美しい女(トリスターナ)への愛に狂う老人(ドン・ロペ)の話だが、尽くしに尽くしたあげく、最後は見捨てられてしまうわけで、ブニュエルものの中では最も冷酷な物語である。

晩年丸くなったドン・ロペについて、「厳しくされていたときより、優しくされている今のほうがもっと嫌悪感がする」と言い放つ非情なトリスターナだが、自由を求めて彼のもとを去ってもまた舞い戻ってしまうし、そこから逃げ出しもしないのだから、彼女にも憎しみだけではない複雑な感情が見受けられる。ドン・ロペの存在を宗教など、ブニュエルがこれまで扱ってきたテーマに置き換えることも可能だろう。

フェルナンド・レイのドン・ロペは、威厳を漂わせた初老時代もよいが、弱々しい好々爺と化した晩年が特に印象的である。カトリーヌ・ドヌーヴは、三つ編み姿の娘時代は少々無理があるように思うが、後半大人の女になるにつれてぐっと凄みを増してくる。「昼顔」でもそうだったが、この人の美しさは人工的な感じがするが、それをブニュエルはうまく使っていると思う。サトゥルナ役のロラ・ガオスもよかった。

ずっとブニュエルばっかり観ていたがぜんぜん飽きることはなかった。メキシコ時代の作品をビデオでいくつか録画してあるのだが、これもどうにかして観たい。
[PR]
by poyance | 2009-09-19 13:53 | 映画
<< ゴーン・ベイビー・ゴーン(ベン... 欲望のあいまいな対象(ルイス・... >>


S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31