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街のあかり(アキ・カウリスマキ、2006年、フィンランド/ドイツ/フランス)
b0062149_20472220.jpgDVDにて鑑賞。この映画は事情で家人だけが公開時に映画館へ観に行っていて、後日DVDで買ったまま引き出しの中にしまいこまれていたのだった。家人が「救いが本当にわずかしかない」と言うように、これは「孤独」がテーマとなっていて「敗者三部作」のなかでも最も不幸度数が高かった。エンディングが唐突で、「これではあまりにも・・」と思ったが再度観直してみれば、犬の存在やラストショットなど極力まで削ぎ落とされた希望のかけらが見いだされる。カウリスマキ作品のなかでもこれはとりわけミニマリスムに徹した映画だった。

夜の場面が非常に美しく、濃い暗闇にぼうっと浮かぶ光や、深い赤や緑の色彩が印象的である。フィンランドの街の風景や家のインテリアなどもスタイリッシュ(狙った感じでは決してない自然な様式美だ)で、人や犬が映る場面の構図もすばらしいし、とにかくどの場面を観るのも楽しかった。

カウリスマキものには珍しく、今回の主人公コイスティネンを演じるヤンネ・フーティアイネンは大変ハンサムな青年である。彼が負け犬役、というのは少し不自然かもしれないが、ほとんど表情を変えない(唯一笑っているのは刑務所でのシーンだ)なかに、物悲しさが漂っていてほろっとさせるのは、他のカウリスマキ作品の登場人物と共通している。犬の出番はわずかだが、雑種犬(だよね??)好きにはたまらない愛らしさだ。何でもこの犬は監督の愛犬だそうだが、映画のなかでは人だけでなく犬までも寡黙だった。

映画の冒頭に流れる曲が、「ボルベール」だったのも何だか嬉しかった。
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by poyance | 2009-06-21 21:57 | 映画
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