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ビリディアナ(ルイス・ブニュエル、1960年、スペイン)
b0062149_20323611.jpgスカパー(ザ・シネマ)から録画したものを鑑賞。マノエル・ド・オリヴェイラを観ていてブニュエルが観たくなったのと、中原昌也がブニュエルの作品のなかでいちばん好きだと述べていたこともあって鑑賞。聖女のようなビリディアナがよかれと思ってしたことがすべてひどい結果を招き、カトリックがことごとくバカにされている(というわけで、当時教会から批判され、スペインとイタリアでは上映禁止となった)。しかし、宗教が意地悪い目で描かれてはいても、どろどろとした憎しみは感じられず、描き方に可愛らしいと思えるところすらあり、貧者たちが演ずる「最後の晩餐」などはその最たる例である。

ビリディアナは宗教にとらわれて、ひとびとの一面しか見えていない。色情魔のような叔父は、実は彼女にほとんど手を触れることもなく、慈善事業に無関心なうえ女たらしに見えたその息子も彼女を窮地から救った(さらにこの親子は二人ともハチや犬のような「小さき者」を苦しみから解放するのだ)。一方で彼女が助けた貧者たちは、あろうことか彼女を襲う(ハトを殺す、というのも叔父親子たちと対照的だ)。彼女が最後にヴェールを脱ぎ、携えていた茨が燃やされ、息子の前にすすんで現れるとき、彼女自身もようやく自分の真の姿にめざめたのであり、最も人間的に見える。

この映画では人々の足のショットが印象的だ。子供が縄跳びする足、着替えをするビリディアナの足、ソファの向こう側でからみあう男女の足・・おまけにハイヒールに足を入れるフェルナンド・レイのお姿まで拝める(笑)。
フェルナンド・レイはこの作品で有名になったそうだが、やはり出演者のなかで最も存在感のある人だった。

ところで、グーグルで「ルイス・ブニュエル 動物」で検索をかけたところ、候補一覧の見出しのなかに、
「アンダルシアの犬 by ルイス・ブニュエル(監・脚・演) 巨匠ルイス・ブニュエルと画家ダリ、2人の圧倒的な感性が生みだしたシュールリアリズムの最高峰! ... ロシアの大都会の中に迷い込んだ1匹のチビトラ猫とその仲間たちを描く、心温まる動物ドラマ」
と出て来たのがあって笑ってしまった。すごく誤解を招くはしょり方だな〜。
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by poyance | 2009-06-01 21:10 | 映画
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