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夜顔(マノエル・ド・オリヴェイラ、2006年、フランス/ポルトガル)
b0062149_2040484.jpgWOWOWから録画したものを鑑賞。この監督の作品は初見だったので、冒頭のコンサートの長い場面(全体70分に対してこの場面は10分近くある)のときはどうなることかと思ったが、次第に長回しにもはまってきて、最後の食事のシーンは妙に感動的だった(でも食べるの速いよ)。

ブニュエルの「昼顔」の後日談(正確には38年後、原題は "Belle toujours" で、「昼顔」の原題 "Belle de jour" になぞらえたもの)を描いたそうだが、もちろんそこにはオリヴェイラ監督独自の解釈が入っているわけで、ブニュエルのあの映画からそういう未来が想像できるかというと、何とも言えない。しかし38年経ってもユッソンは変わらない、というところは納得できた。結局何も起こらない、という結末も好きである。

中心の物語よりもその周辺の描き方が面白く、とりわけバーの場面は、ベッカム風なバーテン(何と監督の孫だそう)も含めてB級っぽい雰囲気が、ユッソンの「打ち明け話」と妙にマッチしていてよい。常連である「若い」女性たちの存在も効いている。それはユッソンとセヴリーヌが食事する重厚なインテリアのレストランと対照的である。レストランのシーンは、東洋人の持っていた箱や突然登場する雄鶏など、ブニュエルに対するオマージュが随所に感じられ、最後にギャルソンたちがテーブルを片付けながら幾度となく口にする「変わったお方だ」のセリフともども、ブニュエル好きの心をくすぐる演出となっている。

カトリーヌ・ドヌーヴはこのセヴリーヌ役を断ったそうで、ビュル・オジェが演じている。ドヌーヴのような妖艶さは全く感じられないビュル・オジェだが、この作品でのセヴリーヌの設定だと、ミッシェル・ピコリに負けず劣らず恰幅のよい現在のドヌーヴだと逆にミスキャストかもしれない。だが、ずっとドヌーヴが出演すると思い込んでいたので、この配役はやはり物足りなかった。逆にミッシェル・ピコリはあのユッソンそのままですばらしかった。
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by poyance | 2009-05-19 22:27 | 映画
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