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人のセックスを笑うな(井口奈己、2007年、日本)
b0062149_1524088.jpgレンタルDVDにて鑑賞。FBNで「60年代のフランス映画のよう」と形容され、金井美恵子が(その姉ともども)珍しくケチをつけることなく褒めていた邦画ということで、相当の期待をもって観た。冒頭の、ユリがトンネルに駆け込み、みるめたちのトラックに乗り込む場面はおおっと思ったが、映画が進むにつれてこちらの気分は尻すぼみになってきた。

確かに、昨今の邦画に多い妙に感傷的な部分もなく、アドリブかと思わせる演出など、ヌーヴェル・ヴァーグの映画を思わせるような箇所は随所に見いだせるが、必要以上にロングショットが多いように感じる。もちろん長回しが効果的なところもあるのだが、無駄に思えるシーンも多く感じられた。またタイトルとエンドロール(途中の年賀状?のカットも)の処理や、音楽などが子供っぽく見えたのも気になった。監督が女性ということもあって、「女の子」なところが強調されているように思えてしまう。

個人的に邦画に対しては厳しくなってしまうのかもしれないが、あと一段階展開してもらいたかった。もちろん、最近の邦画のなかではクオリティは非常に高いと思うし、ヘンな路線へ進みがちなまったり系の映画のなかでは至極まともな作品である。でも山下敦弘の初期作品のほうが自分としては好みかな。

松山ケンイチがすごい、と聞かされていたが、確かに彼の演技は終始「素なのか?」と思わせるほど自然ですばらしかった。特にユリに服を脱げと言われた後の反応がいい。初めて彼が演じているのを観たのがこの作品でよかったと思う。しかし彼があまりにもナチュラルすぎて彼とからむ女優陣が逆に演技しているように見えてしまうのが難。永作博美はタバコを吹かすのは様になっているけれども、松山ケンイチの前だとどうしても「女優」として気張っているように見えてしまう。蒼井優ちゃんも好きな女優なのだが、彼女がはしゃぐほどに観ているこちらがつらくなってきた。

一方男優陣はなかなかいい。温水さんのすごくフツーな先生、忍成修吾の片思い青年、桂春團治のじいちゃん、そしてあがた森魚ののほほん亭主、みんな味があってよかった。
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by poyance | 2009-05-15 01:51 | 映画
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